一軒家でシロアリ駆除にかかる費用はどれくらい?施工事例とともに解説
家に巣食ったシロアリは放置すると家の土台を浸食し、駆除にかかる費用をはるかに上回る大きな修繕費用につながりかねません。
そのような状況に陥る前に、シロアリ検査や駆除を行うのがベストです。以下では一般的な一軒家でのシロアリ駆除にかかる費用相場を、具体的な施工事例をもとに詳しく解説します。駆除費用を抑えるポイントもご紹介しますので、これからシロアリ対策をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
一軒家のシロアリ駆除「費用相場」
一軒家のシロアリ駆除にかかる費用相場を見ていきましょう。
シロアリ駆除の一般的相場と費用内訳
項目 | 費用(税込) |
初期調査費 | 0~30,000円 |
薬剤散布施工費 | 150,000~200,000円 |
床下点検口設置 | 20,000~50,000円/箇所 |
保証料 | 30,000~50,000円 |
一般的な一軒家(30坪程度)のシロアリ駆除にかかる総費用は、約15万円~25万円が相場です。ただし、被害の程度や建物の状態によって費用は大きく変動します。
初期調査は無料で実施する業者も多く、床下点検口が設置されている住居の場合は、その分の費用を抑えることができます。また一度消毒を行った後は、5年間程度の保証がついてくるケースが一般的です。
面積当たりの単価の目安
シロアリ駆除・予防対策の費用は面積によって計算されます。
1平方メートルあたり1,150~3,000円(1坪に換算すると3,800~10,000円)が一般的な目安です。この単価に含まれる費用は、薬剤散布や施工技術料、基本的な点検費用などです。
30坪程度の戸建て住宅の場合、総費用相場は約15万円~25万円の間に収まると考えて良いでしょう。
ただこの金額はあくまで目安です。実際の費用は建物の構造や被害の程度、施工の難易度、使用する薬剤の種類などの要因によって大きく変動する可能性があります。
特に被害が広範囲に及んでいる場合や、容易に入ることができない場所での作業が必要な時は、追加の費用が発生するかもしれません。
また、床下点検口が設置されていない建物では、シロアリ駆除作業を実施するために新たに点検口を設置する必要があります。点検口1箇所あたり2~5万円の追加費用を見積もっておくと良いでしょう。点検口の設置費用は、壁や床の材質、設置場所の状況などによって変わってきます。
シロアリ駆除で追加費用が発生するケースについては、次項で詳しく解説します。
追加費用が発生するケース
シロアリ駆除で追加費用が発生する主なケースは以下の通りです。
床下点検口の設置
建物に点検口がない場合、作業員が床下にアクセスするために新たに点検口を設置する必要があります。設置場所や建物の構造によって、1箇所あたり2~5万円の追加費用が必要になります。複数箇所の設置が必要な場合は、それに応じて費用が加算されます。
建物の構造
建物の構造が複雑な場合は、作業工数が必要となり、その分費用が増えることがあります。
被害の程度
被害が広範囲に及んでいる場合、作業工数が増加するため。
施工の難易度
狭小地や特殊な建築様式の場合、作業効率が低下し、追加の人員や時間が必要となるため。
使用する薬剤の種類
より効果の高い薬剤や環境に配慮した薬剤を使用する場合、標準的な薬剤と比べて費用が上がる。
アクセスが困難な場所での作業
床下や天井裏などの狭い場所や、特殊な機材が必要な高所での作業が必要な場合は、追加費用が発生する可能性があります。
なお、初期調査費用は無料としている業者も多いです。まずは複数の業者に見積もりを依頼して比較検討すると良いでしょう。
無料調査であっても、専門的な知識と経験を持つ信頼できる業者を選ぶことが重要です。
シロアリの種類と駆除方法
シロアリ駆除の方法について、以下では日本の家屋にダメージを与えることでよく知られている2種類のシロアリの特徴を紹介します。
イエシロアリの特徴と駆除方法
イエシロアリは、日本の木造住宅に深刻な被害をもたらす最も危険な害虫の一つです。体長わずか4-5mm程度の小さな昆虫ですが、その破壊力は驚異的です。
主に地下を活動拠点とし湿気の多い環境を特に好んで生息しており、木材だけなくコンクリートさえも貫通して家屋に侵入する能力を持ち、年間を通じて絶え間なく活動します。数万匹規模の大規模なコロニーを形成し、床下や壁内部を徹底的に食い荒らすことで、建物の構造材を内部から空洞化させていきます。
このような被害から家屋を守るため、効果的な駆除方法が確立されています。最も一般的な方法は、建物周囲の土壌に特殊な防蟻薬剤を注入する土壌処理です。
また、シロアリの習性を利用したベイト工法では、彼らが好む餌に薬剤を混ぜて戦略的に設置することで、コロニー全体を効率的に駆除することができます。
さらに、物理的な予防策として、耐久性の高い特殊な防蟻シートを設置することで、シロアリの侵入を未然に防ぐことも可能です。
ヤマトシロアリの特徴と駆除方法
ヤマトシロアリは日本の在来種で、主に古材や朽ち木に生息しています。体長は5-6mm程度で、イエシロアリより若干大きめです。
コロニーの規模は数千匹程度と比較的小さく、活動は春から秋に集中して発生し、10度以下になる冬は休眠します。湿度の高い木材を好み、特に建物の土台や柱の下部に被害が集中する傾向があります。
イエシロアリと比べて繁殖力や活動範囲は限定的ですが、一度侵入すると着実に木材を食害し、建物に深刻な被害をもたらす可能性があります。
シロアリ駆除は詳細な調査から
シロアリ駆除は経験のある駆除業者の手で、しっかりと調査を行ってから着手するのが定石です。
なぜ詳しい調査が必要になるかというと、以下のような理由によります。
正確な被害状況の把握
シロアリ駆除の経験が豊富な業者はいろいろな環境で、そこに巣食うシロアリの駆除を行っているため、その高度な知識と豊富な経験を活かしながら、一般の目視では発見が困難な被害の範囲や程度を正確に判断できます。
また目的にあった特殊な機器や専門的な調査手法を用いることで、壁面や床下の深部に及ぶ被害まで詳細に把握することができ、必要な対策を盛り込んだ効果的な駆除作業が可能になります。
建物構造に応じた対策
建物の構造や状態、使用されている建材の種類、周辺環境など、様々な要因によってとるべき駆除方法は大きく異なります。
詳しい調査によってそれぞれの建物の特性や現状を綿密に分析し、その建物に最も適した効果的な駆除計画を立て、無駄のない効率的な対策が可能となります。
コスト面での最適化
事前の詳細な調査により、被害の正確な範囲と必要な作業内容をプランニングできるので不要な作業が発生しにくく、効率的に作業ができます。また追加費用が発生するリスクを最小限に抑えることができるでしょう。
最初の作業から逆算し、長期的な予防対策まで含めた総合的なコストプランニングも可能となります。
早期発見・予防的対応
信頼できる業者に依頼できれば、定期的な調査も安心して任せられます。
建物の構造を踏まえた効果的な調査によって、一般の方では気付きにくいシロアリの初期侵入サインを確実に発見することができます。
床下や壁面の湿気、木材の微細な変化など、被害の予兆を早期に察知し、被害が大規模化する前に適切な予防措置や対処を行うことで、将来的な修繕費用の大幅な削減にもつながります。
シロアリ被害と修理費用
シロアリによる被害の状況や損傷個所によって修理費用や工事の内容は異なってきます。どれくらいかかるのか、以下では目安となる修繕費用について解説していきます。
被害箇所別の修理費用
被害箇所 | 修理費用の目安 | 主な工事内容 |
床下 | 15-30万円 | 床下材の交換、防蟻処理 |
柱・土台 | 30-50万円 | 構造材の補強・交換 |
外壁 | 20-40万円 | 外壁材の張り替え、断熱材交換 |
内壁 | 10-25万円 | 石膏ボード交換、クロス張替 |
天井 | 15-35万円 | 天井材交換、断熱材補修 |
※被害の程度や建物の状況により、実際の費用は変動する場合があります。
浴室・脱衣所の修理
シロアリ被害を受けた浴室・脱衣所など、水回りの被害は建物の構造に大きな影響をもたらす可能性があるため、適切な対応が不可欠です。
修理費用の目安
- 浴室:20-40万円(被害規模や使用する材料により変動)
- 脱衣所:15-30万円(床下の損傷状況により費用が変わります)
主な修理内容
- 床下の構造材の交換・補強(土台や根太の徹底的な点検と必要に応じた交換)
- 防水パンの交換(新規の高性能防水パンへの交換による水漏れ防止)
- 壁・床タイルの張り替え(防水性・耐久性の高い最新素材の使用)
- 配管周りの点検・修理(腐食や劣化の確認、必要に応じた補修や交換)
工事期間
- 一般的に5-10日程度(工事内容により変動の可能性あり)
- 被害状況により変動(広範囲の被害の場合、2週間以上かかることも)
注意点
- 水回りのため、二次被害を防ぐための早期対応が重要(放置すると被害が急速に拡大する可能性があります)
- 防蟻処理を含めた予防措置の実施を推奨(再発防止のため、床下と周辺部分への徹底的な防蟻処理が必要です)
壁・内装の補修工事
次にシロアリ被害を受けた外壁・内装の修理について、費用と工事内容、そして施工時の重要なポイントを見ていきましょう。
外壁の修理
- 費用相場:20-40万円(被害範囲や使用する材料の品質により変動します)
- 主な工事内容:外壁材の張り替え、断熱材の交換、防水処理の再施工、必要に応じて下地材の補強も実施
内壁の修理
- 費用相場:10-25万円(被害箇所の広さと補修方法により異なります)
- 主な工事内容:石膏ボードの交換、クロスの張替え、下地処理、必要に応じて電気配線の点検・修理も含む
実際の費用は被害の程度や建物の状況、使用する材料の品質、工事の範囲などにより大きく変動する可能性があります。
また、季節や地域による施工費用の違いも考慮する必要があります。
まとめ
ここまで一軒家のシロアリ駆除にかかる費用相場を見てきました。
シロアリ駆除の平均的な相場は、駆除が約20万円程度ですが、実際の費用は被害状況や建物の条件によって大きく変動する可能性があります。
費用を抑えるためには、早期発見と予防的対応が重要です。経験豊富なシロアリ駆除業者による定期的な調査を実施し、被害が大規模化する前に適切な対策を講じることで、将来的な修繕費用を大幅に削減することができるでしょう。
シロアリ駆除、定期点検などのご相談は駆除ザウルスへお気軽にどうぞ。