アライグマのふん その特徴と見分け方、処理方法などを詳しく解説
アライグマは日本の生態系に影響を与える外来種として、近年生息範囲を広げていることで広く知られるようになりました。
アライグマの生態的な特徴から家屋の屋根裏で見つかるケースも多く、そのふんを正しく識別し対処することは、私たちの快適な生活を守るという観点からも非常に重要です。

以下ではアライグマのふんが持つ特徴的な形や臭い、他の動物との見分け方から、適切な処理方法、健康上のリスクまで解説していきます。
目次
アライグマのふんの特徴
アライグマのふんは少し太めの円柱形で、泥や草が混ざっていることが多いです。また湿り気や食べたものによって色や形が変わります。
アライグマは何でも食べる動物なので、植物の繊維、昆虫の殻、果物の種、小動物の骨などが含まれていることがあります。季節によって中身も変化し、夏は果物が多く、冬は小動物の割合が増えます。
アライグマはどこにでもふんをする習性があり、畑や農道、家の軒下、納屋、物置など人の生活圏内でも見つかります。他の野生動物とは違い、決まった場所にふんをする習慣はあまりありません。
ほかの動物とアライグマのふん比較表
| 動物 | 形状 | 大きさ | 色・特徴 | 内容物 | 臭い | 場所 |
| アライグマ | 細長い形状 | 直径2〜3cm、長さ5〜15cm | 食べ物により形状・色変化 | 動物の骨、昆虫の羽、種子など | 非常に強い悪臭 | ベランダ、庭、道路沿いなど目立つ場所 |
| タヌキ | 黒い楕円形、「ため糞」で塊になる | 約2〜3cm(塊は5cm程度) | 黒色 | 動物の骨、昆虫の羽、種子など | 非常に強い悪臭 | 同じ場所に集中する |
| ハクビシン | 細長い円柱形 | 長さ5〜15cm | 黒や茶色 | 果物の種、トウモロコシの粒など | 強い臭いはほとんどない | 屋根裏などに溜めふんをする |
| イタチ | 細長い形 | 6mm〜1cm(オスの方が大きい) | 黒っぽく、水分が多い | 動物の毛、果物の種など | 強烈な悪臭 | 屋根裏などに溜めふんをする |
| 犬 | バナナ状 | 記載なし | 茶色〜茶褐色、適度な湿り気、形が崩れない硬さ | 記載なし | 強い臭いはしない | ー |
| 猫 | 棒状 | 記載なし | ミルクチョコレート色〜こげ茶色、表面にツヤ、適度な硬さ | 毛以外の異物やゼリー状の粘液なし | 強い臭いはしない | ー |
| イノシシ | やや太い | 記載なし | 泥や草葉が混じる | 植物の繊維、昆虫の殻など | 獣臭、芳香あり | 場所を選ばず、畑の作物付近や農道など |
アライグマと似たふんをするほかの動物との見分け方
アライグマのふんとほかの野生動物のふん、ペットのふんはそれぞれ似たような特徴を持つものがあります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
ハクビシンのふん
ハクビシンのふんは長さ5~15cm程度で、細長く丸い棒状です。
ここまではアライグマのふんと似ていますが、ハクビシンは果物や野菜が好きな雑食動物でふんには様々な種子が混ざっています。
アライグマのふんにも動物の骨や昆虫の羽が混じりますが、ハクビシンのふんはブドウ、カキ、トウモロコシといった植物の種子が圧倒的に多いです。季節によって中身も変わり、秋の果物が多い時期には種子がよく目立ちます。
また果物をたくさん食べた後は、ふんから甘いにおいや発酵したようなにおいがしますが、その原因はハクビシンが果物の糖分を完全に消化できないためです。アライグマのふんより「臭さ」を感じにくいのはこのためです。
一方、尿は強いアンモニア臭がしますが、これがハクビシンの生息場所を見つける手がかりになります。
ハクビシンのふんの色は食べ物で変わりますが、基本的には黄土色やこげ茶色です。果物を多く食べていると明るい色に、動物性の餌を食べていると暗い色になります。
ハクビシンはアライグマと同じく「溜めふん」の習性があり、屋根裏や物置など同じ場所に何度もふんをします。時間が経つとかなりの量が溜まることもあります。
以上の特徴から、ハクビシンのふんとアライグマのふんの大きな相違点はその臭いです。
タヌキのふん
タヌキのふんは楕円形か丸みを帯びた形をしていて、大きさは通常2~3cm程度とアライグマのふんより小さめで形も違います。
食べ物によって形は変わりますが、多くは黒色か濃い茶色です。食べ物によってふんの質感も変わります。
タヌキも「溜めふん」の習慣があり同じ場所に何度もふんをするので、5cm程度の塊になることがあります。
タヌキは自分の縄張りを示すために、目立つ場所や縄張りの境目にふんをします。そのため、石の上や木の根元、道路脇などでタヌキのふんの塊を見かけることがあります。
アライグマと同様、タヌキのふんにも動物の骨や植物の種、昆虫の殻などが混ざっています。タヌキは幅広い食性を持ち、季節によって食べ物が大きく変わります。肉も食べるため、特に冬や春のふんは強いアンモニア臭がします。
またふんの表面に特徴的な光沢があり、これがタヌキのふんを見分ける手がかりになります。
以上の特徴から、たぬきのふんとアライグマのふんの大きな相違点は色と大きさです。
イタチのふん
イタチのふんはアライグマのふんよりずっと小さく、一般的には直径6mm程度です。ただしオスはメスより体が約10cm大きいため、オスのふんは少し大きめで最大1cm程度になることもあります。とはいえアライグマとのふんのほうが断然大きいです。
イタチのふんは両端が尖っていることが多く、細長くねじれた形をしています。また水分が多く、食べ残しの獲物の毛や羽も混ざっていることが多いです。特に小型哺乳類やネズミの毛が含まれているのが特徴です。
イタチは主に肉食で、ネズミやモグラ、鳥、カエルなどを食べるため、ふんには強いアンモニア臭があります。このにおいは非常に強烈で、脳裏に焼き付くにおいと言って良いでしょう。
イタチも特定の場所にふんをする習性があり、屋根裏や壁の隙間に入り込んだ場合はそこにふんを溜めます。
ふんの色は黒か濃い茶色で、時間が経つと乾燥して白っぽくなることがあります。
イタチのふんとアライグマのふんの大きな相違点は臭いと大きさです。
アライグマのふんの影響
アライグマのふん尿を放置した場合、人やペット、建物などに大きな被害を受ける危険があります。
問題は放置するほど悪化するので、早く見つけて適切に対処することが大切です。
人体への影響
アライグマのふんには、ウイルスや寄生虫、ノミ・ダニなどが含まれていることがあります。
ふんを適切に処理せずに放置すると、ノミやダニに噛まれたり、かいせんという強いかゆみのある皮膚病になったりする恐れがあります。子どもやお年寄り、免疫力の弱い人は特に注意が必要です。
アライグマが保有する可能性がある病原体で特に危険なものは、アライグマ回虫、SFTSウイルス、狂犬病ウイルスの3種類です。
アライグマ回虫に感染すると、回虫が脳に入り込み重い脳の障害を引き起こすことがあります。SFTSウイルスに感染すると、最初は熱や体のだるさなど風邪のような症状が出ますが、進行すると意識がなくなるなどの重い症状が出ることがあります。早く適切な治療を受けないと命に関わることもあります。
狂犬病ウイルスに感染すると、最初は興奮や不安などの症状が出て、その後急速に悪化し、混乱や幻覚、水を見ただけでのどがけいれんする症状などが現れます。最後には意識がなくなり、呼吸ができなくなって死亡することがほとんどです。
これらの感染症が重くなった場合の死亡率は非常に高く、SFTSウイルスが約10%、アライグマ回虫が約50%、狂犬病ウイルスは発症するとほぼ100%と言われており、非常に危険です。
感染を防ぐために、アライグマのふんには絶対に素手で触らず、処理する時は必ず手袋やマスクなどの防護具を着けましょう。また、処理後の手洗いやうがいも忘れずに行いましょう。
ハエ・ゴキブリなどの害虫による二次被害
アライグマのフン尿による強い悪臭は、ハエやゴキブリといった様々な害虫を引き寄せます。
アライグマは雑食性で昆虫類を好んで食べる習性があるため、ふんに害虫が多く集まれば集まるほどアライグマにとってはよいえさ場となってしまうでしょう。
害虫が一度発生するとその数は急速に増え、住宅内に侵入して衛生状態を悪化させます。そのため、夏場などは窓を開けて換気したくても、害虫の侵入を防ぐために窓を閉め切らざるを得なくなり、生活の快適性が著しく損なわれてしまいます。
このような二次被害が広がる前に、早期発見と迅速な対処が非常に重要です。
アライグマのふんを見つけたら?
アライグマのふんを見つけた場合の正しい処理方法を見ていきましょう。

1.感染症対策をしっかり行う
アライグマのフンを処分する時は、直接触れないようにし、目に見えない病原体を吸い込まないよう注意が必要です。フンのホコリを吸うと病気になる恐れがあるため、全身を守る服装を着て、特に呼吸を守ることが大切です。
【必要な防護服と道具】
・手袋(ビニール手袋を二重か、厚手のゴム手袋)または軍手の上にビニール手袋 ・長袖と長ズボン ・帽子 ・ゴーグル ・長靴 ・マスク(N95など微粒子を防ぐもの) ・できれば使い捨ての防護服
使った服はそのまま捨てるのが一番安全です。もう一度使う場合は高温で洗い、日光で消毒してください。
2.フンを慎重に集めて回収する
アライグマのフンは砕けないように注意しましょう。フンが粉々になると吸い込んでしまい、病気になる危険が高まります。乾いたフンは砕けやすいので、消毒スプレーで少し湿らせると安全に回収できます。
安全に回収するには、湿らせたペーパータオルやウェットティッシュ、または粘着テープがおすすめです。
テープを使う場合は、フンの上にそっと貼り、ゆっくり持ち上げると砕けずに回収できます。回収したフンは二重のビニール袋に密閉し、「感染性廃棄物」として処理しましょう。
掃除機は絶対に使わないでください。フンが砕けて微粒子になり、排気口から空気中に広がって危険です。高性能フィルター付きでも使わないでください。
3.フンがあった場所をしっかり消毒する
フンを完全に取り除いた後、その場所をしっかり消毒しましょう。
「次亜塩素酸ナトリウム(家庭用漂白剤を水で10倍に薄めたもの)」か「70%以上のエタノール」の消毒スプレーがおすすめです。これらはアライグマ回虫の卵や他の病原体を殺す効果があります。
消毒スプレーをした後、5~10分ほど置いてから、使い捨ての雑巾やペーパータオルで拭き取りましょう。木や布など染み込みやすい素材は、何回か消毒すると、表面だけでなく中の病原体も取り除けます。
消毒作業中も周囲のホコリや微粒子が汚染されている恐れがあるので、作業の開始から終了まで常にマスクやゴーグル類で身を守ることを絶対に忘れないでください。
また、作業終了後は、手袋を外す前に手袋のまま石鹸で手洗いをし、その後手袋を裏返しながら注意深く外し、改めて素手で石鹸と流水による十分な手洗いとうがいを行うことが、二次感染を防ぐために極めて重要です。
まとめ
アライグマのふんは円柱形で、食べ物の残りが混ざっており、特徴的な臭いがあります。
また臭いだけでなく、アライグマ回虫やレプトスピラ症、狂犬病など危険な感染症を引き起こす可能性があります。また、住宅への物理的被害や、害虫を引き寄せるなどの影響があるかもしれません。
害獣駆除でお悩みの方は駆除ザウルスへご相談ください。



