トコジラミの発生原因と予防策|増加理由やかゆみの原因を徹底解説
トコジラミは海外での被害が多いというイメージを持たれますが、近年では荷物に混入して国内での広がりを見せています。
海外旅行に行ったことがなくても、国内で泊まった場所や移動した場所で遭遇する可能性があります。
では、具体的にどのように発生し、どのような予防をすれば良いのでしょうか。
この記事では、トコジラミの発生原因や増加理由、予防策について解説します。かゆみを引き起こす害虫にお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
トコジラミの発生原因|フランスでは大量発生の事態に
トコジラミは飛行能力がなく、這うことでしか移動できません。そのため、主に人間が知らず知らずのうちに運び込むことで拡散すると考えられています。
近年グローバル化が進み、海外からの観光客や移住者が増加したことで、国境を越えて害虫が運び込まれるケースが増えました。
特に、フランスは外国人観光客数が世界一の国。数多くのトコジラミがフランス国内に侵入し、各地で被害を拡大させ、それが世界中に波及する…という、恐怖のシナリオが現実になっているのです。
グローバル化が進んだことで、人間だけでなく物品のやり取りも活発になりました。海外から届いた荷物に害虫が潜んでいたことで、被害が広がる事例もあります。
実際、相談件数は右肩上がりに増えています。市役所、保健所などの公的機関に寄せられる問い合わせは、入国制限の厳しかった2022年と比べて1.5倍に増加しているというデータがあります。
今後ますます日本にやってくる人が増えるなかで、いつ大量発生が起こるか分かりません。
トコジラミの増加原因|殺虫剤への耐性・繁殖力の高さ
大量発生が懸念されるトコジラミですが、国内に持ち込まれること以外に増加の根本原因があります。
ここでは、トコジラミが増加した原因について解説します。害虫対策にも役立つ内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
増加原因①殺虫剤への耐性を持つ
大量発生の背景には、駆除に使われている「ピレスロイド系殺虫剤」への耐性があることが挙げられます。
国立感染症研究所が10〜12年に行った調査では、全国で採取されたトコジラミの約9割が、ピレスロイド系殺虫剤への耐性を持つ遺伝子を有していることが判明しました。
市販の燻煙型殺虫剤では効果が薄く、専門家による徹底的な駆除が必要になります。
増加原因②繁殖力の高さも増加の原因となっている
成虫 | 2mmから8mm程度 薄い褐色から濃い褐色で人の血を吸うと赤みがかった色になる |
幼虫 | 1mmから4mm程度 乳白色から薄い褐色 |
卵 | 1mm×0.5mm 乳白色 |
トコジラミは、成虫になると1日に3〜6個もの卵を産みます。その数は、一生の間に200〜500個程。卵の数だけでなく繁殖力も驚異的なので、家に持ち込まないように注意したい厄介な害虫といえます。
また、血を吸わなくても2〜3ヵ月は生きられます。さらに、25℃程度の温かい環境を好むにもかかわらず、0℃で6ヵ月、10℃で2年もの間生き延びたという事例もあります。
発生時期は6〜9月ですが、日本の室内は暖房で温められているので、1年を通して住み着くという寒さにも負けない強さを持っているのが特徴です。
トコジラミによるかゆみの原因とは?
血液を吸う際に、血液が固まらないように唾液を流し込みます。この唾液にはアレルギーを起こす成分が含まれており、強いかゆみや赤みなどの症状を引き起こします。
人によって症状の程度は異なりますが、かゆみがひどい場合は睡眠不足になったり、皮膚を傷つけることで皮膚炎などのトラブルを招く可能性があります。
害虫の姿が確認できて診断がはっきりしたら、一般的な虫刺されの治療法と同様に、市販の「抗炎症作用のある塗り薬」や「かゆみを和らげる内服薬」で対処できます。
ただし、市販薬では効果が不十分なほど激しいかゆみの場合も多いため、害虫に刺されたと感じた場合は、早めに皮膚科で診てもらうことをおすすめします。
一方、かゆみの原因がトコジラミでない場合は注意が必要です。というのも、ダニの刺傷と区別が難しく、疥癬(かいせん)という特殊な皮膚病を患っている場合は、一般的な治療法では逆に悪化することがあります。
正しい治療法を確かめるためにも、かゆみが生じたら皮膚科で診断を受けることが大切です。
トコジラミの生息場所はどこ?家に入り込む原因と対策
トコジラミは飛ぶことができない害虫です。羽がないので、移動するときは歩くしかありません。つまり、自分から遠くへ行くことはできないということです。
それにもかかわらず、どうして家の中にいるのでしょうか。実は、人や荷物に付いてきているのです。
ここでは、トコジラミの生息場所について、自宅に入り込む原因や対策について解説します。
旅行先でトコジラミに遭遇してしまった
発生源の1つとされているのが「旅行先で宿泊した場所に害虫が潜んでいて、服やカバンに付着。気づかないうちに自宅に持ち込んでしまう」というケースです。
布製のバッグやソフトケース類を好むことから、プラスチック製のハードケースを利用することが対策として有効的です。
また、知らないうちに害虫を持ち帰ってしまわないよう、旅行先では以下を実践してみることをおすすめします。
- 荷物は床から離して置く
- 旅行先の宿泊場所に発生していないか目視確認をする
- 自宅に戻る前に衣服やカバン等を調査し、付着していないか確認する
中古品に潜んでいた
中古の家具や本などにもトコジラミが潜んでいる可能性があります。
基本的に飢えに強い生物で、人間の血を吸わなくても長期間生き延びるため、「中古品なら問題ないだろう」と安易に捉えてしまうことは避けましょう。
中古の品物を購入する際には、害虫や卵が隠れていないか細かく確認し、自宅に持ち込む前に殺虫剤を使って念入りに消毒しましょう。
タクシーや公共交通機関
タクシーや電車、バスなどの布製のシートがある乗り物を利用する際は、トコジラミに注意が必要です。
害虫が人の移動に便乗して拡散しやすく、カバンや服の隙間に潜り込むのに適した環境といえます。
公共交通機関の利用時に殺虫剤を撒くわけにはいかないので、自宅に入るまえに衣服やカバンのチェックを徹底しましょう。
トコジラミを駆除できない原因とは?効果的な対策を紹介
近年、薬剤に強い耐性を持つ「スーパートコジラミ」の出現により、殺虫剤による駆除が難しくなっています。
しかし、加熱や吸引といった処置を講じることで、完全駆除とまではいかずともある程度のトコジラミを駆除することは可能です。
ここでは、すぐに実践できる効果的な対策について解説します。
加熱処理
トコジラミは熱に弱いので、加熱処理が有効な対策の1つとされています。昆虫類は、摂氏50度以上の温度にさらされると死滅します。そのため、衣類や寝具などは、70度くらいの熱湯で洗浄すると良いでしょう。
また、スチーマーを使って害虫の隠れ場所に熱風を当てると、成虫や幼虫だけでなく、卵も駆除できます。
ただし、隙間が深いところや熱が届きにくいところは、スチーマーだけでは効果が十分ではないかもしれません。
掃除機で吸い取る
トコジラミは、ベッドやソファ、カーペットなどの隙間に潜んでいるため、真空掃除機で吸い取る方法にも効果があります。
ただし、掃除機の吸引力が弱いと、掃除機の中で害虫が生き残ってしまう可能性がありますので、ご注意ください。
市販の殺虫剤では不十分
トコジラミは、市販の殺虫剤で駆除しようとしても効果が期待できません。近年のトコジラミは一般的な殺虫剤に耐性を持っている場合が多く、市販薬では十分に死滅させることができないからです。
また、日中は壁や柱、家具の隙間やベッドの裏などに隠れているため、仮に殺虫剤を使うとしても、隠れている場所を見つけてしっかりと散布する必要があります。
トコジラミを発見するとついつい殺虫剤を散布したくなるものですが、市販の殺虫剤では不十分なことを頭の片隅に入れておきましょう。
トコジラミに効果的な予防策はないに等しい
トコジラミは、衛生状態とは関係なく発生することがあります。人の身体や荷物にくっついて移動し、新しい場所で増えていくのです。しっかりと清掃を行っていたとしても、トコジラミの繁殖を防ぐことは難しいでしょう。
また、駆除を行う際は以下のような点に注意しなければなりません。
- 潜伏場所を的確に把握しなければならない
- 卵や幼虫の発見が難しい
- 殺虫剤の効かない卵の孵化を待つ必要がある
さらに、トコジラミは隙間や暗闇に隠れて暮らし、夜になると活発になります。専門家でなければ見分けるのは難しいですし、刺されたとしてもすぐには気付かないことも多いです。
トコジラミを見つけだすことは、一般の方にとってはほとんど不可能と言っても過言ではありません。
トコジラミの被害に悩んでいるなら害獣駆除業者にご依頼を
トコジラミは、気づかない内に衣服や荷物に隠れて新しい場所に移動していきます。繁殖力が高く、「異常なかゆみに悩まされる」、「殺虫剤が効かない場合もある」など、非常に困った害虫です。
もし1匹でも発見したら、害虫駆除業者に依頼することをおすすめします。また、「トコジラミの数が多くて駆除できなかった…」という場合も、早めに駆除することで被害を抑えられるため、害虫駆除業者へ依頼しましょう。
私たち駆除ザウルスでは、トコジラミによる被害状況を確認した後に適切な方法で駆除を行います。
薬剤だけでなく、薬剤を使う前に冷却や専用のバキュームで吸い取るので安心です。また、薬剤に耐性のあるトコジラミも駆除いたします。
トコジラミにお困りの方は、お気軽にご相談ください。