ハクビシンは冬眠しないから要注意|季節毎に変わる行動と被害予防策
ハクビシンが畑周辺に定住すると、手入れや栽培に費やした作物が食い荒らされ、その被害に遭うことは非常に痛ましいものです。
一方で、「冬になればハクビシンは冬眠するから、被害は収まるだろう」と考えられがちですが、実際には冬眠をしない動物であり、畑への荒らし行為が冬季においても続きます。
そこで、ハクビシンが1年中どのように行動するのかを理解し、冬特有の行動パターンに焦点を当てることが、賢明な害獣対策の一環といえます。
この記事では、ハクビシンに対処するために、冬を中心に各季節の行動特性について紹介します。
目次
ハクビシンは冬眠をしない生き物
ハクビシンは冬になっても冬眠を行わない動物であり、その背後には2つの主な理由が存在します。
- 恒温動物であり、自己の体温を一定に保つ能力を有している
- 小型哺乳類であるネズミやリスといった動物とは異なり、体が大きく、自己の体温を生成する能力がある
上記の理由により、厳しい冬の環境下でもハクビシンは必要な体温を維持し続けることが可能です。その結果、冬季においても冬眠を行わず、寒冷な環境に負けずに活動を維持することができます。
さらに、冬でも体温を保って活動ができるということは、エネルギーを作るために必要な食料を探して食べることもできるということ。
つまり、
- 食料を探して食べる
- 体内で熱を生成して体温を保つ
- 活動ができる
- 食料を探して食べる
という活動の良いサイクルを作り出せるのも重要なポイントでしょう。
このように、冬が訪れてもハクビシンの活動は途切れることなく続いています。そのため、冬季においても畑や住居への被害が減ることは期待できないため、被害に備えて適切な対策を講じることが重要です。
そもそも動物が冬眠をする理由とは?
冬眠をする動物は、大まかに2つのグループに分類されます。まず1つ目は、周囲の温度が低下すると体温も低くなり、その結果として活動が制約される変温動物です。
そしてもう1つは、寒冷な冬でも体温を一定に保てる恒温動物であり、このグループにはリスやクマが含まれます。
リスやクマが冬眠するのは、冬季に食べ物が減少するため、体温を維持するために必要な熱を生成するためのエネルギーが不足するからです。過酷な冬の寒さと資源の制約に対抗するために活動を抑え、できるだけエネルギーを節約します。
冬眠によってエネルギーの消費を最小限に抑えつつ、体内に蓄えたエネルギーで冬を乗り切ることが可能なのです。一方で、ハクビシンはこの冬眠の理由に当てはまらず、普段から冬季でも通常通りの生命活動が可能です。
ハクビシンはを冬眠しない夜行性の動物
ハクビシンは夜行性の動物であり、昼間はねぐらで休息し、夜になると活発になります。具体的には、日没後から夜明けまでの約1時間の間に動き回ることが一般的です。
この時間帯に、屋根裏や庭で音や気配が感じられる場合、それはハクビシンが活動している可能性が高いと考えられます。
夜間にも休むことがある
夜間においても絶えず活動しているわけではありません。一般的には23時から2時の時間帯に、安心できる場所で休息をとることが多いです。
この時間帯に存在を感知できなくても、その存在が完全にないとは言いきれません。また、天候や気温などの環境条件によっても、活動時間が変動する可能性があります。
たとえば、雨や雪の日は活動が制限され、高温の日は日中にも活動することがあるなど状況次第で動き方を変えるのが特徴です。
冬眠をしないハクビシンの行動リズム
ハクビシンは、四季折々でその生活習慣を変える動物です。どのような変化を遂げるのか把握することで、効果的な対策を検討することが可能です。
以下では、特に冬季のハクビシンの生活習慣に焦点を当て、その変遷を順に紹介していきます。
季節 | 行動リズム | 特徴 |
春 | 寒さから脱し、広範囲での活動が増加 | 繁殖活動が盛んで、被害が広がりやすい季節 |
夏 | 暖かくなり外での活動が一層活発 | 屋内環境を避けて外での活動が目立ち、個体数が増加する時期 |
秋 | エネルギー源を肉食に切り替え、冬支度 | 冬に備えて食性が変わり、屋内に再び入ってくることがある |
冬 | 室内で居住し、排泄物の問題が発生 | 寒冷な環境でも活動を継続し、排泄物による問題が発生する |
春の行動リズム
春は冬の寒さから脱し、徐々に温暖になる季節です。この時期、冬眠をしないハクビシンはより活発になります。
冬季には暖かい巣の周りにとどまっていたハクビシンも、春になると広範囲で動き回ることが増えます。そのため、春は冬に比べて被害が広がりやすい季節となります。
また、一年中繁殖する生物であり、春には特に多くの個体が繁殖活動を行います。そのため、子供が生まれる前に害獣駆除をしないと、被害が著しく拡大する可能性があります。
冬眠をしない害獣は、春の動向に敏感に対処することが重要です。
夏の行動リズム
夏になると、春に比べてさらに広範囲での活動が目立ちます。気温が上昇することで外での休息が快適になり、熱くなった屋内環境を避けるため、屋内に住んでいたハクビシンも積極的に外に出ることが増えます。
また、夏は豊富な果物や野菜が出回り、食糧に事欠くことが少ない季節です。このような状況から、夏は外で活発に動き回ります。
なお、春に子供を産むハクビシンも存在するため、夏は個体数が増加しやすい時期でもあります。
秋の行動リズム
秋が訪れ気温が下がり始めると、害獣の行動も変化します。夏季には主に草や実を摂取していたハクビシンも、冬に備えてエネルギー源としてカエルやネズミなどの肉食に切り替え、冬支度を始める時期となります。
外で生活していたハクビシンも、夏の暑さが和らぐと屋根裏がより快適になり、再び家の中に入ってくることがあります。
以前に巣を作った場所を覚えており、新たな巣を作る代わりに戻ってくることが一般的です。そのため、被害が繰り返される可能性が高いため、気をつけなければなりません。
冬の行動リズム
冬季になると、室内での居住を選びます。冬眠をしないハクビシンは、寒冷な環境でも活動を継続。住処としては、民家の屋上や床の間が好んで利用されます。
ただし、冬眠をしないこと=寒さに強いというわけではなく、むしろ苦手とされます。
たとえば、屋上や床の間に断熱材が入っている家は、害獣にとってはぬくぬくとくつろげる快適な場所です。
また、冬季においても家で過ごし、自身の巣を中心にして動き回りますが、厄介なのは排泄行動です。同じ場所に溜め糞をする癖があり、これが原因で屋上や床に汚れが発生します。臭いの問題に対処するためには、早急に適切な対策が必要です。
冬眠をしないハクビシンは1年中被害をもたらす
冬眠をしないハクビシンの特性や季節ごとの行動変化を紹介しましたが、駆除は一年中必要です。その背後には、害獣が人間に対してさまざまなトラブルや危険を引き起こすという理由があります。
以下では、ハクビシンがもたらす具体的な被害について紹介します。
騒がしい
人間の居住地域に接近すると、ときどき住宅の屋根の中に忍び込むことがあります。
もし毎晩屋根の中から異音が聞こえるようであれば、早急に調査を行うことが重要です。このような騒音はただ迷惑なだけでなく、夜の眠りを妨げる可能性もありますので気をつけましょう。
食物被害
ハクビシンは非常に幅広い食性を持ち、人間の作物や庭、果樹園などを荒らすことがしばしば見られます。特に甘い果物や野菜に対する嗜好が強く、夜間になると大量に摂取します。
その結果、食べ物を汚して残したり、排泄物を残してしまうことがあり、人々の収穫に悪影響を及ぼす可能性があります。
衛生環境の悪化
食べ物やゴミを巣穴や隠れ場所に持ち込む傾向があるほか、巣穴やその周囲に排泄物をまき散らすこともあります。害獣の排泄物は病原菌やウイルスなどを含んでおり、人間の健康に悪影響を及ぼします。
特に、ハクビシンは狂犬病やエキノコックスなどの感染症の媒介者となる危険性があるため、衛生環境の悪化は重大な問題となります。
健康への悪影響
害獣は有害な虫、特にダニなどを運ぶだけでなく、さまざまな病原菌を保有しています。その結果、ダニや病原菌によるアレルギーや疾患が広がり、健康への悪影響が懸念されます。
感染症のリスクがあるため、ハクビシンによる健康被害に対する警戒が必要です。
冬眠前の害獣の閉じ込めに要注意
冬が訪れると、多くの動物は活動を控えめにする傾向があります。夏には害獣が騒がしかったのに、冬になって静寂に包まれると「出て行ったのか、それとも冬眠したのか」と考える方もいるでしょう。
ただし、環境に大きな変化がない限り、害獣が自発的に立ち去ることは滅多にありません。「害獣がいなくなったと勘違いして、入り口を塞いでしまい、結果的に家の中に閉じ込めてしまった…」という状況に陥らないように注意しましょう。
害獣の侵入を防ぐためには、季節に左右されず、「駆除や追い出しをしっかり行う」ことと同時に、「害獣がまだ残っていないか?」を確認してから対策を講じることが重要です。
まとめ:ハクビシン問題の対処には害獣駆除業者がおすすめ
ハクビシンは一年を通して人間に危害や危険を引き起こす害獣ですので、速やかに駆除しなければなりません。しかし、駆除方法には慎重さが求められます。そこで、安心かつ効果的な対策を求めるなら、プロの害獣駆除業者に相談することが最良の選択です。
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