粘着シートでイタチを駆除できる?オススメできない理由と対策を解説

家の近辺や畑でイタチらしき動物を見かけた、天井裏でガサガサと音がする、家の中で見かけた……。イタチは細いスキマから民家や畑に入り込んで、さまざまな被害をもたらします。

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できるだけ早く退治したいので、粘着シートで捕まえようとお考えの方もおられるかもしれませんが、イタチ相手に粘着シートを使うのはNGです。

ここでは粘着シートでイタチを駆除できない理由や、効果的な駆除方法について解説しています。

 

粘着シートでイタチを駆除できない4つの理由

イタチに粘着シートを使うべきでない理由は以下のようなものです。

 

①準絶滅危惧種に指定されている

イタチはさまざまな被害をもたらす害獣ですが、実はその個体数は地域によって大きく違います。在来種であるニホンイタチは、1940年代に朝鮮半島から持ち込まれたチョウセンイタチ(現在はシベリアイタチと呼称)の台頭により大幅に個体数を減らしました。

しかし、そのシベリアイタチも対馬など一部地域では個体数が少なくなっています。2020年、環境省はシベリアイタチを「準絶滅危惧種」に指定しました。また、ニホンイタチも都道府県絶滅危惧種に指定されています。

さらにイタチは鳥獣保護法の対象になっており、自治体の許可を得ずに捕獲、殺傷を行うことは禁じられています。捕獲したあとも安全に運搬して山に放す「放獣」を行うことが義務付けられていたり、メスは捕獲できないなど、イタチ駆除に関する法律は非常に複雑です。

これらの法律に違反すると、罰金刑が課されることもあります。正確なルールを把握できないうちに、粘着シートなどで捕獲を試みるのは避けましょう。

 

②粘着シートで捕獲するのは難しい

法的に問題ないケースであることを確認したうえでも、イタチを粘着シートで捕獲するのにはまだ問題が残ります。

まず問題になるのが、イタチ専用の粘着シートというものは販売されていないことです。そのためネズミ用の粘着シートで代用することになりますが、イタチに対しては粘着力が足りず、逃げられてしまうおそれがあります。

仮に粘着シートにかかったとしても、イタチは粘着シートを噛みちぎる力を持っているので、粘着している部分を嚙み切って逃げ出してしまった事例も多々ありました。イタチが粘着シートにかかった状態で暴れると、ケガをさせたり不用な苦痛を与えることになるのも問題といえるでしょう。

 

③他の個体による被害を抑えられるわけではない

イタチは、基本的に単独で生活する動物です。しかしイタチが周辺で繁殖しているということは、近隣に別の個体がいる可能性は充分に考えられます。

住宅に出入りする一匹だけを駆除しても、入り込んできた経路や餌になるものをそのままにしていては、新たな害獣が入り込んで同じような事態に陥る可能性もあるのです。

被害を防ぐには、イタチを追い出して二度と寄せ付けないような対策を取ることが大切です。

 

④粘着シートで現場の汚染が広がる可能性がある

粘着シートの粘着剤は非常に粘度が高く、一度ついたらなかなか落とすことができません。粘着シートが付着したイタチが大暴れすることで、現場の汚染がますます広がってしまうおそれも。

イタチには逃げられたあげく、粘着シートを設置した場所がベタベタになってしまうと、あとの処理がとても大変です。

 

⑤他の動物がシートにひっかかる可能性がある

粘着シートは、上を通った動物を区別なく捕まえる道具です。通りかかったネコや小鳥など、予想外の動物がひっかかってしまうこともあります。

不用意に他の動物を傷つけ、場合によっては命を奪ってしまう可能性があるということを念頭に置く必要があるでしょう。

 

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イタチの生態

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イタチは非常にすばしっこく、人間の前に姿をあらわすことはほとんどありません。ここではイタチの大きさや生態、知っておきたい習性などについてまとめました。

 

住宅地などに現れるイタチは二種類

イタチとは、イタチ属に属する生き物の総称です。ペットとして人気の高いフェレットや、珍獣として知られているオコジョなどもイタチ属に分類されています。

日本で確認されているイタチは4種7亜種ですが、人間の生活エリアに侵入して住宅被害をもたらすのは、在来種の「ニホンイタチ」と外来種の「シベリアイタチ」の二種類といわれています。ニホンイタチとシベリアイタチの外見はよく似ていますが、遺伝子や染色体からみると全く別の種類のイタチです。

 

イタチの外見は細長い体と短い足、太いしっぽがポイントです。顔は小さく、尖った鼻と丸い耳と眼をしています。オスはメスよりも大きく、はっきりとした体格差があります。

ニホンイタチの体長はオスで約25cm~35cm、メスで約15cm~25cm程度です。シベリアイタチはニホンイタチよりも大柄ですが、胴体の大きさ自体は数センチしか変わりません。

 

ニホンイタチとシベリアイタチを判別する最も大きな違いは、しっぽの長さです。シベリアイタチのしっぽはニホンイタチより長く、オスだと約20cmにもなります。ふたつを見比べる機会はほとんどないと思うので、判別する際は身体としっぽの割合をよく見比べることが大切です。

 

自分より大きな獲物を狙うことも

イタチは野菜や果物から小動物、両生類までなんでも食べる雑食です。自分より大きな獲物も標的にするので、外の小屋で飼われていたウサギやニワトリが狙われるケースも少なくありません。

窓からイタチが入ってきて、飼っている子猫やインコ、小型犬が襲われたという事例も報告されています。近くでイタチを見かけたという話を聞いたら、屋内でも油断せず対策を取るようにしましょう。

 

見た目に反して性格は獰猛

イタチは野菜や果物も食べますが、肉を好む雑食性の動物です。自分より大きなニワトリやウサギなども狩りにいく、好戦的な面を持っています。

そしてほとんどの野生動物がそうですが、繁殖期は一層気が立っており、攻撃性が非常に高くなっています。イタチの顔は同じくらいで小さめですが、鋭いキバがびっしりと生えています。もし噛まれると傷口から二次感染を起こしたり、危険な病気に感染する可能性もあるのです。

3月~5月の繁殖期は、特に気が立っています。イタチを見かけても、必要以上に刺激しないように充分注意しましょう。

 

フンの臭いが強烈

イタチのフンの最も大きな特徴は、その強烈な臭いでしょう。フン自体は黒っぽい色と細長い形状であまり大きくありませんが、他の害獣のなかでもトップクラスの臭いです。

これはイタチがスカンクと同じように、肛門腺から液体を分泌することに由来しています。イタチはフンをするときに分泌液を付着させて、縄張りを主張します。また、危険を感じた際にも分泌液を吹きかけて相手を怯ませ、その間に逃げるという戦法を取っているのです。

また、イタチには決まった場所でフンや尿をする「ためフン」という習性があります。ただでさえ臭いのきついイタチのフンが一か所に堆積することで、現場は凄まじい状況になってしまいます。

天井裏にためフンがあると家全体がひどい臭いに覆われ、大規模な脱臭処理が必要になった事例もあるので、早めに対策を取ることをおすすめします。

 

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自分たちでできるイタチの駆除方法

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イタチを粘着シートで捕獲できない理由を解説してきましたが、自分たちでイタチを駆除する方法はないのでしょうか?

ここではイタチを寄せ付けないための対策や、自分たちでできる駆除方法について解説しています。

 

イタチ駆除の基本は捕獲より寄せ付けないこと

イタチを捕獲するにはさまざまな法律が関係しており、適切な対処には専門知識や高い技術が必要です。

もしまだ被害が確認できておらず、周囲でイタチを見かけたという段階にとどまっているなら、イタチを追い出して二度と寄せ付けないような対策を早急に取ることをおすすめします。

一度侵入されてしまってから対策を講じるより、予防措置のほうが時間やコストも大幅に節約できます。

 

光や音で追い払う

イタチは聞き慣れない音や強い光を嫌います。イタチが入り込みやすいスキマや野菜を植えてあるところに、センサーライトや猛獣の鳴き声を再現するスピーカーを設置するのも効果的です。畑には電気柵の設置を検討するのもおすすめです。

 

忌避剤を設置する

害獣除けの忌避剤の設置も効果的です。忌避剤にはイタチの嫌う臭い成分が含まれているので、定期的に撒いておくとイタチはそこを避けて通るようになります。

 

イタチの駆除方法まとめ

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駆除後の清掃と再侵入防止が課題になる

イタチ駆除において追い出しと同じくらい重要度が高いのが、駆除後の現場を清掃・消毒と再侵入を防ぐことです。自分たちでイタチを追い出す場合、イタチがいなくなった後の場所も清掃や消毒も自分たちで行わなくてはいけません。

 

獲物の残骸やためフンで汚染された場所で作業するには、防塵マスクや手袋などの装備を用意する必要があります。また、大量のフン尿や動物の一部を処理するのは、心身に多大な負担がかかる作業です。

清掃が完了した場所を修繕し、再侵入を防ぐための処置を行うのも技術や資材が必要になります。イタチは3cmのスキマがあれば用意に侵入できるといわれています。スキマを完全に塞ぎ、二度と寄り付かないようにすることが大切です。

 

プロの害獣駆除業者に依頼するメリット

自分たちでイタチを追い出す方法を解説してきましたが、思っていたより大変そうだと感じた方も多いのではないでしょうか。

イタチを着実に駆除し、再侵入を防ぐにはプロの害獣駆除業者に依頼するのもひとつの方法です。

 

駆除ザウルスは、全国規模で害獣駆除に関するご相談を承っております。作業に当たるスタッフは多くの業務経験を積み、各地域の鳥獣保護に関する法律や生息状況など最新の情報にも精通しています。

お客様のご事情や地域の特性などに合わせて、最も効果の高い駆除計画をご提案いたします。築年数の経った住宅や寺社の害獣駆除も得意としております。他社では断られた案件や、害獣の正体が分からないというケースも大歓迎です。

イタチの被害にお困りの方、近くでイタチを見かけたが対処方法が分からないという方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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コラム監修者 プロフィール
内田翔
内田 翔(うちだ しょう)

AAA ALLIANCEグループ 取締役 本部長。
「害虫バスター」としてメディア出演、ニュース、番組協力多数。

【駆除ザウルス メディア出演歴】
日本テレビ「news every.」「世界一受けたい授業」、NHK「クローズアップ現代」、テレビ朝日「スーパーJチャンネル」、フジテレビ「とくダネ!」、TBS「あさチャン!」「ジョブチューン」他多数。

害獣駆除歴約20年を誇るスペシャリスト。「建物の医者」としてお客様の安心・平穏を取り戻す為に最善の施工を実施。