シロアリ駆除が最適な時期はある?駆除のタイミングを解説
シロアリの活動が活発になる秋から夏にかけてが良い?休眠で動きが鈍くなる冬のほうが最適?シロアリ駆除の最適な時期はいつなのでしょうか。
以下ではシロアリ駆除を行うべき最適な時期について解説していきます。
目次
シロアリ駆除の基本的なタイミング
シロアリ駆除のベストタイミングはズバリ、シロアリ被害が拡大する前です。
しかし、これがシロアリの厄介なところで、シロアリの被害はゆるやかに、しかし着実に進んでいき、被害の兆候が室内に現れ始めたときにはすでに広範囲の被害を受けている場合が多いのです。
そのため、シロアリ対策は新築時からスタートさせる予防処置と定期的な点検が重要になってきます。
新築から5年後が最初の目安
新築の物件には防蟻処理が施されることがありますが、防蟻剤の浸透性や耐久性は時間とともに弱まっていく性質があり、5年を過ぎると徐々に効果が低下していきます。
この時期を過ぎると、建物の土台や柱などの木材がシロアリの被害を受けやすい状態へと変わっていくため、予防的な再処理を行うことが強く推奨されています。
築5年以上で未実施の場合は早急に検討
築5年以上経過し、それ以降防蟻処理が行われていない場合は早急に検討が必要です。
シロアリ被害は時間とともに進行し、発見が遅れるほど修繕費用が高額になる可能性があるため、早めの対策を行いましょう。
定期的な調査と再処理も修繕計画に組み込む
シロアリは被害が出た後ではなく、出る前に十分な対策を行うことが大切です。そのために定期的な調査と防蟻処理が必要といえるでしょう。
シロアリは一年中絶え間なく活動を続けています。シロアリから建物を長期的に保護し、安全な住環境を維持するためには、継続的な予防処置が不可欠です。
とりわけシロアリ被害の発見が遅れると、建物内部の広範囲にダメージを与えていることも多く、その場合修繕費用が高額になる可能性があるため、定期的な再処理による予防的な対策はとくに重要です。
羽アリ発生時期と駆除のタイミング
羽アリの発生は、シロアリが新しくコロニーを形成し、安住の住処を探すための行動です。以下では日本の家屋に甚大な被害をもたらす可能性のあるシロアリが活動を始める時期と、その際の効果的な駆除方法について解説します。
ヤマトシロアリ:4~5月
ヤマトシロアリの羽アリは4~5月に多く見られます。
この時期の気候は繁殖に適していて、新しく巣を作りその規模を拡大するのに有利です。
羽アリが定着し、女王アリが快適な環境で絶え間なく卵を生み続けられる住処が作られないように、発見次第対策をとらなければなりません。
当然ながら羽アリだけを駆除しても意味はなく、巣の中では、9割以上を占める職蟻と呼ばれるシロアリたちが常に活動しています。羽アリがどこから発生しているか注意深く観察し、それが継続的に家の中で発見された場合、シロアリ駆除業者に相談したほうが良いでしょう。
イエシロアリ:6~7月
イエシロアリの羽アリはヤマトシロアリよりも遅い時期の6〜7月頃に多く発生します。イエシロアリは湿気のある環境を好んで巣を作りますが、この時期は梅雨と重なって高温多湿な環境となるため、イエシロアリの繁殖活動に最適な条件が整います。
ヤマトシロアリと同様にこの時期に羽アリを家の中で連日見かけた場合、放置せずに対策を行う必要があるでしょう。
羽アリ発見時は季節を問わず対応すべき
シロアリが家の中に巣食っていた場合でも、働きアリたちは外にでてくることがないため、あまり姿を見かけません。
しかし羽アリの場合、ほかの場所に巣を作るという行動をとるため外に出てくるケースがあります。
もしもシロアリの羽アリを発見した場合、以下の理由から季節を問わず早めに対策を行う必要があります。
近くでシロアリが増え続けているため
羽アリがいるということは、その裏に無数の働きアリの存在が示唆されます。
羽アリの姿が見えなくなった後も、建物内部では無数のアリが24時間体制で絶え間なく活動を続けています。羽アリの存在は、既に建物内部でシロアリの巣が形成され、活発な活動が行われているわかりやすいサインです。この段階で既に、目に見えない場所で木材が食害されている可能性が高いため、すぐに対処しなければなりません。
被害が年々拡大し、修繕費用も大きくなるため
シロアリは地中や木材の内部で絶えず繁殖活動を続けていて、外敵がいない限り爆発的に増え続けていきます。そうした状況で対策を先送りにすれば、建物の構造的な損傷が進行し、最終的には大規模な修繕工事が必要となるリスクが高まります。
シロアリの被害が早く見つかった場合に比べ、修理費用が数倍から数十倍に膨らむ可能性もあります。
こうした2つの理由から、羽アリを発見した場合はその季節や時期に関わらず、できるだけ早急に専門家による調査と適切な対策を行うべきです。
一日でも早い対応が、建物の保護と修繕費用の削減につながります。
「シロアリ駆除」時期の選び方
シロアリ駆除に最適な季節はあるのでしょうか。以下では季節ごとの特徴をメリットとデメリットに分けてまとめました。
季節 | メリット | デメリット |
春 | ・ヤマトシロアリの発生時期で見つけやすい ・気温が穏やかで作業しやすい | ・業者が混み合いやすい ・予約が取りにくい |
夏 | ・イエシロアリの発生時期で発見しやすい ・土壌が温かく薬剤が浸透しやすい | ・高温で作業が大変 ・梅雨時期は天候に左右される |
秋 | ・比較的空いている ・気温が適度で作業しやすい | ・羽アリの目視が難しい |
冬 | ・業者の予約が取りやすい ・費用が安くなる場合がある | ・寒さで薬剤の浸透性が低下 ・地中の温度が低い |
シロアリ駆除のおすすめシーズン
シロアリ対策でまず考えなくてはならないことが一つあります。それはシロアリが1年中活動し続けているということです。
このシロアリの生態を踏まえ、彼らの痕跡や被害を発見した場合は、その時期が夏であっても冬であっても、できるだけ迅速な対応を取らなければなりません。
そういった背景は考慮すべきですが、秋季から冬季にかけてのオフシーズンは業者も対応しやすくなるので、繁忙期と比較して費用面でも比較的抑えられる可能性があります。
シロアリ被害の進行は緩やかに進む
シロアリによる木材の食害は、家屋に対して急速な被害をもたらすものではありません。確実に、じわじわと被害が拡大していくのが大きな特徴です。
当然ながら、家へのダメージが徐々に加算されていくとはいえ放置するわけにはいきませんが、むしろこのゆっくりとした侵攻こそが、被害の早期発見を困難にする要因となっています。
建物の目に見えない部分で広がっていく被害は、シロアリの存在が発覚した時点で既に深刻な段階に達しているケースが多くなってきます。
特に木材の内部で静かに進行する食害は、表面からは気付きにくい特徴があり、発見された時には既に建物の構造に重大な影響を及ぼし、大規模な修繕工事が必要となるケースが少なくありません。
このような被害の特性こそが、シロアリ対策の難しさと早期発見・早期対応の重要さを示しています。
シロアリ被害を抑えるために予防と点検を
定期的な点検の重要性
シロアリによる被害を最小限にするためには、定期的な点検が大切です。
シロアリは人間の見えない所で絶えず活動し、増え続けていきます。一度家屋に巣食った場合、その被害を拡大し続ける恐れがあるため、まずは寄せ付けないようにするとともに、定期的な点検を行ってシロアリの脅威から逃れなければなりません。
家の各所に兆候が現れはじめ、シロアリ被害が発見された時点では、既に建物の構造に深刻かつ重大な影響を及ぼしている可能性が極めて高くなってきます。
建物の長期的な保全と安全性を確保するために、特に木造家屋ではシロアリの点検は定期的に行いましょう。
薬剤の効果はタイムリミットがある
シロアリ対策は薬剤の効果持続期間を踏まえて行うべきです。
薬剤によって変わってきますが5年程度で効果が薄れることが多く、また気温や湿度などの環境要因によって効き目が変わってくることもあります。
それだけでなく建物の構造的特徴によっても、薬剤の浸透性や効果持続性が影響を受けることがあるため、薬剤の効果持続期間と、建物の状態や環境条件を考慮しながら、適切なタイミングで再処理を行うべきでしょう。
シロアリの定期点検の時期やペースについて
シロアリの定期点検や生息検査ですが、ペースとしては1年に1回行っておけば安心です。行うべき季節などは特にありませんが、シロアリがもっとも活発になるのが春から夏にかけての時期であり、シロアリ駆除の依頼が多くなるのもこの時期なので、春が来る前に行っておくとよいでしょう。
繰り返しになりますが、シロアリは季節関係なく1年中活動し増え続けていくため、大きなコロニーが形成されるのを防ぐ意味でも定期的に行うことが大切です。
庭先に木材などを放置しない
シロアリが家屋に浸入する前に、庭に放置された木材やウッドチップ、新聞紙、段ボールなどを食糧として巣を作り、やがて家屋に浸入してくるというケースも考えられます。
切り株もエサになるため埋まったままにせず、引き抜いて処分するようにしてください。
シロアリの予防対策まとめ
対策 | 具体的な方法 | |
湿気対策 | • 定期的な換気 • 除湿器の使用 • 結露の防止 | 湿気はシロアリを引き寄せる要因です。24時間換気システムの活用や、除湿器で室内の湿度を50-60%に保つのが最適です。特に梅雨時期は注意が必要です。 |
建物周辺の管理 | • 木材や段ボールを家の周りに放置しない • 雨樋や排水の清掃 • 植物は建物から適度な距離を保つ | シロアリの餌となる木材類は速やかに撤去し、雨樋は年2回以上の清掃が必要です。植物は最低50cm以上建物から離して植えることで、シロアリの侵入経路を断ちます。 |
定期点検 | • 木部の状態確認 • 床下や壁の異常の有無をチェック • 換気口や配管周りの点検 | 年に1回の定期点検を行いましょう。特に木部の変色や膨らみ、床下の湿り気には注意が必要です。早期発見が被害を最小限に抑える鍵です。 |
水漏れ対策 | • 配管の漏水修理 • 雨漏りの早期発見と修繕 • 水周りの定期的なメンテナンス | 水漏れは建物の木材を湿らせ、シロアリを引き寄せます。特に配管周りの点検は重要で、異常を発見したらすぐに修理する必要があります。 |
まとめ
シロアリの駆除を行うタイミングは見つけたらすぐがベストです。しかし、見つけたときにはすでに被害が拡大しているケースが多く、そうならないように定期的な点検を行うとともに、シロアリを寄せ付けないような家づくりを行いましょう。
シロアリがいるか調査したい方、定期点検を防除のプロに依頼したい方は、駆除ザウルスへお気軽にご相談ください。