枯れた庭木の放置はキケン?シロアリを引き寄せる要因に
枯れた庭木を放置した場合、家屋をシロアリの脅威にさらすことになりかねません。
以下では庭木がシロアリを引き寄せる原因や庭木の適切な処理方法を解説します。
目次
庭木の放置はなぜキケン?
枯れた庭木や切り株などを放置した場合、シロアリが発生する原因になります。
なぜシロアリ発生原因になるのか、以下の3つの理由があります。
木材が腐敗して柔らかくなり、シロアリの餌場となる
腐敗した木材は時間の経過とともに柔らかく分解されていき、シロアリが容易に摂食できる状態へと変化していきます。
このような木材は、シロアリの消化酵素による分解も進みやすく、効率的な栄養摂取が可能となります。
そのため、庭などに放置された枯れ木は、シロアリにとって理想的な餌場となってしまい、継続的な食害の対象となってしまいます。
湿気を含んだ環境ができ、シロアリの生育に適した場所となる
特に日本家屋に多くの被害をもたらすイエシロアリは、湿気の多い環境を特に好んで生息します。
放置された木材の下は空気の流れが悪く、雨水や地面からの水分が長期間にわたって蓄積されやすい状態になっています。
このような環境はシロアリにとって快適なすみかです。女王アリの繁殖活動が活発になりシロアリの数も急激に増えてしまうでしょう。
また、湿気の多い環境は木材を柔らかくする効果もあり、シロアリの食害をさらに加速させる要因にもなります。
放置された木材が家屋への侵入経路になる可能性がある
庭に放置された木材はシロアリの活動拠点になり、そこから家屋の木材へと移動経路が出来上がります。
一度シロアリが家屋内部へ侵入すると、床下や壁内部の木材を次々と食害し、被害は徐々に広範囲に拡大していきます。
シロアリにとって快適な環境とは
シロアリにとって理想的な生息環境は豊富な木材があり、適度な温度が一定に保たれていて、湿気が十分にあり、かつ人目につきにくい場所です。
このような条件が揃った環境では、シロアリは想像以上の速さで巣を構築し、効率的にコロニーを拡大させていきます。
彼らは昼夜を問わず絶え間なく活動し続けます。そのため一度その場所に定着してしまうと、完全な駆除は極めて困難です。
特に気温が安定する春から秋にかけての温暖な時期には、シロアリの活動はさらに活発になり、被害の規模も大きくなっていきます。
また、この時期には新しい営巣地を求めて飛び立つ羽アリも多く発生するため、被害が周辺地域へと広がっていく可能性も高くなります。
そのため、シロアリの生息に適した環境を作らないように、庭の定期的な点検と徹底的な清掃を欠かさず行わなければなりません。
切り株はシロアリの快適なすみかに
庭木の中でも切り株はシロアリにとって理想的なすみかになります。
切り株は土中に埋まりながらも半分地上に顔を出した状態になっていることが多く、雨水や地中の水分を吸収しやすい性質があり、シロアリの生存に必要な適度な湿度が自然に保たれます。
また、切り株の外周部には柔らかく腐食しやすい辺材が放置されていることが多く、これもシロアリの餌として最適です。
さらに、地中に残された根の部分には大量の木質部が残っており、シロアリのコロニーが長期間にわたって持続的に利用できる食料源となります。
加えて切り株は地上部と地下部の両方に十分な空間があり、シロアリが活動しやすい環境が整っています。
これらの要因が組み合わさることで、切り株はシロアリにとって非常に快適なすみかとなるのです。
庭でシロアリが出やすい場所
庭木のほか、庭でシロアリが出やすい場所は以下の表の通りです。
場所 | 理由 | 対策 |
日陰になっている場所 | 日光が当たりにくく、湿気が溜まりやすい環境であり、シロアリの活動に適している | 定期的な日光の確保、通気性の改善 |
木材や落ち葉が溜まっている場所 | シロアリの餌となる有機物が豊富で、営巣場所として最適 | 落ち葉の定期的な清掃、木材の適切な処分 |
水はけの悪い場所 | 地面に水が溜まりやすく、湿度が高くなりやすい環境を作る | 排水設備の改善、地面の傾斜調整 |
植木や花壇の周辺 | 土中の水分量が多く、木の根や有機物が豊富な場所となっている | 適切な水やり管理、定期的な点検 |
上記のような場所があったらそこにシロアリがいないか、定期的に調べておくと安心です。
シロアリを呼び寄せる原因
シロアリは庭木のほか、庭にある木製の杭、枕木、ウッドデッキ、木製のフェンス、廃材、鉢植えの樹木、花壇などにも寄ってきます。
以下のような場所や素材にシロアリは引き寄せられますが、それぞれ理由があります。
場所・素材 | リスク | 理由 |
木製の杭・枕木 | 高 | 地面と接触し湿気を含みやすく、シロアリの侵入経路になりやすい |
ウッドデッキ | 高 | 地面との隙間に湿気がこもりやすく、シロアリの格好のすみかとなる |
木製フェンス | 中 | 地面と接する部分から腐食が進みやすい |
廃材 | 高 | 放置された木材は腐敗しやすく、シロアリの餌場となる |
鉢植えの樹木 | 中 | 土中の水分量が多く、木の根が餌となる可能性がある |
花壇 | 中 | 土中の水分と有機物が豊富で、シロアリの活動に適している |
上記の場所が日陰で湿気の多い環境にある場合、シロアリの被害リスクが高くなるため注意してください。
シロアリが好む木と好まない木
シロアリはすべての木材を同じように好んで食べるわけではありません。
これは木材の種類によって密度、硬さ、含まれる化学成分が大きく異なるためです。
例えば、アカマツ、シロマツなどのマツ材やSPF材、ホワイトウッドは比較的柔らかく、シロアリに好まれやすい傾向にあります。
一方で、ヒノキ、ヒバなどの樹種は心材から放たれる樹種特有の香りがあります。これは揮発性の精油成分の一種「テルペン類」でシロアリがこの香りを嫌います。
天然の防虫成分を含む木材は、シロアリを自然に寄せ付けない性質を持っているため、こうした木材を使用することで長期的な被害予防効果が期待できることが研究により明らかになっています。
また、防腐処理された木材は化学的な保護層が形成されているため、シロアリの侵入を防ぐことができます。
ただ一つ注意したい点があります。木材ごとに食べられにくさはありますが、基本的にどんな樹種でもシロアリは食べます。
ヒノキがシロアリに強いと昔から言われていますが、食べるものがそこになければシロアリはヒノキであろうとヒバであろうと食害します。
シロアリに対して完全に安全な木材は無いのです。
木の条件でシロアリが好む木に変わる
シロアリにも木の好みがあることがわかっていますが、好まれにくい木でも条件によって好んで食べられるケースがあります。
木材の状態
木材の材料によって、シロアリの被害を受けやすくなる場合があります。
木材が腐食や劣化により柔らかくなると、シロアリにとって理想的な餌となってしまいます。
特に注意が必要なのは、腐食が進行した木材は内部構造が脆弱化し、シロアリが容易に食い進むことができる状態になることです。
さらに、このような劣化した木材は水分を吸収・保持する性質が高まり、シロアリの生存に必要な温かく湿った環境を作り出してしまいます。
また木材の表面に亀裂や隙間が生じると、そこからシロアリが侵入しやすくなり、被害が急速に広がる可能性も高くなります。
木材が含む水分量
長期間地面と接触している木材もシロアリの好みです。
地面と直接接触している場合、木材自体が水分を吸っていきます。水分量の増加によって木材の細胞構造が徐々に変化し、本来の強度が著しく低下していきます。
次第に木材はもろくなり、シロアリにとって食べごろ、住みごろの木材へと変化するので、シロアリの活動をさらに促進させる要因になるでしょう。これが家屋にある場合、被害が加速度的に拡大していく可能性が高くなります。
シロアリを寄せ付けいない庭造りをするために
シロアリを寄せ付けない庭造りを心がけることで、家を食害から守ることができます。以下のポイントを意識して庭のメンテナンスを行いましょう。
- 定期的な清掃と点検の徹底
- 落ち葉や枯れ枝を見つけ次第速やかに除去し、放置しない
- 木材や廃材は必ず台や棚の上に置き、地面との直接接触を避ける
- 適切な排水管理による湿気対策
- 敷地内の水はけを定期的に確認し、必要に応じて排水溝の清掃や地面の整地を実施
- 雨どいの詰まりや損傷を定期的に点検し、適切な維持管理を行う
- 植栽の計画的な管理体制
- 樹木の根元周辺は特に湿気がこもりやすいため、通気性を確保し、必要に応じて防湿処理を実施
- 植木は定期的に剪定して風通しを良くし、過度な茂みを作らないよう適切な手入れを行う
これらの対策を日常的に実施することで、シロアリの被害リスクを下げられます。
庭木の処分方法
庭木を処分する最適な方法は、自治体の粗大ごみ収集サービスを利用するか、専門の廃棄物処理業者に依頼しましょう。
処分するまで以下の対策をしておくと安心です。
- 処分までの一時保管
- 他の木材や建物から離れた場所に保管し、シートなどで覆って雨水の侵入を防ぐ
- 可能な限り速やかに処分を行い、長期間の放置は避ける
- 保管場所は定期的に点検し、新たなシロアリの活動がないか確認する
- 処分方法の選択
- 自治体の規定に従い、適切なサイズに裁断し、指定された方法で梱包する
- シロアリの被害が深刻な場合は、専門業者に相談し、適切な処理方法を確認する
- 運搬時は周辺環境への影響を考慮し、シロアリが拡散しないよう慎重に扱う
なお、焼却や埋め立ては地域の規制により制限される場合があるため、必ず事前に確認が必要です。
処分方法によっては特別な許可や手続きが必要となる可能性もあるため、計画的な対応を心がけましょう。
まとめ
ここまで庭木とシロアリの関係性について解説しました。
シロアリの被害を防ぐためには、定期的な庭の点検と適切な管理が不可欠です。日当たりや湿気に注意を払い、木材の適切な選択と処分を心がけることで、快適で安全な庭づくりを実現することができます。
早期発見・早期対策が最も重要なポイントとなりますので、定期的なメンテナンスを怠らないようにしましょう。
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