害獣駆除は市役所に頼める?市役所が提供するサービスと注意点を解説
アライグマやハクビシンなどの害獣駆除を市役所にお願いしようと考えている方は、気をつけなければなりません。
というのも、市役所は被害を引き起こす動物を直接退治してくれるというわけではなく、補助的な業務を担当してくれるのみなのです。
補助的な業務と言っても、その範囲は自治体によって異なり、場合によっては自己負担が必要になることもあります。
この記事では、市役所がどのような形で害獣駆除に関わってくれるのかについて詳しく解説します。市役所に連絡する前に、ぜひ確認しておいてください。
目次
市役所に害獣駆除を依頼できる?
有害動物の被害に遭った際、地方自治体に頼めば退治してもらえると思っている方がいるかもしれません。
しかし、ほとんどの地方自治体は有害生物の直接的な排除を受け付けていないのが現状です。
市役所や自治体は害獣駆除の申し込みを受けるところであり、退治するところではないからです。ただし、罠の貸与や害獣駆除専門業者の紹介など、中には手助けしてくれる自治体もあります。
具体的にどういった対応をしてくれるかは自治体によって異なるため、気になる方は最寄りの市役所に確認してみましょう。
害獣駆除に関する市役所のサポート5選
市役所は有害動物の排除を直接行うわけではありませんが、駆除の仕方に関するアドバイスをしたり、捕獲器を借りたりすることができます。
以下では、市役所が行っている害獣駆除についての主な取り組みを5つ紹介します。地方自治体の取り組みを利用して、効率的に有害動物の排除を行いましょう。
①害獣駆除の許可
野生の鳥獣を不当に捕獲または駆除することは法的に禁止されています。鳥獣の捕獲には、事前に許可申請書、実施者名簿、捕獲場所の図面など必要な書類を整備し、市役所に提出して許可を得る手続きが義務付けられています。
無許可で駆除を行った場合、最大で1年以下の刑務所の収監または100万円以下の罰金刑が科せられる可能性がありますので、充分な注意が必要です。
また、有害鳥獣の捕獲は、原則として狩猟免許を保有する者によってのみ実施ができます。
一般の個人による駆除は複雑で難しいため、通常は害獣駆除業者に依頼することが一般的です。法令を順守し、専門家による対応を検討することが、適切かつ法的に正当な対処方法といえます。
②捕獲器の貸し出し
有害動物に対する対策として、自治体の役所で申請書を提出すれば、捕獲器を貸し出してもらえます。貸与期間は自治体によって異なりますが、通常は2週間から1ヶ月程度です。
なお、捕獲器の貸し出しは原則として1世帯につき1基に制限されています。重要な点として、捕獲器の使用には「狩猟免許」が必須です。
免許を取得せずに野生動物を捕獲したり殺したりすることは法的に許容されていません。ただし、特定の状況や捕まえるべき動物によっては例外があるかもしれませんので、事例に応じて市の窓口にご相談ください。
③駆除方法に関するアドバイス
駆除手段や予防策についての適切な知識を得るためには、市役所にお問い合わせいただくと良いでしょう。市役所では、手に入りやすい道具や使用方法についてのアドバイスを提供しているほか、ホームセンターで入手できるアイテムを紹介してくれることもあります。
害獣は種類によって異なる特性を有していますので、ご自身で駆除を行う場合は各有害生物に対する効果的な手法や適切な対応策を聞いておいて損はありません。
手法が不明瞭な場合は、まず市役所に問い合わせを行い、専門的な情報を得ることをおすすめします。
④害獣駆除業者の紹介
市役所は有害生物の駆除を直接行わない代わりに、害獣駆除のプロフェッショナルを紹介してくれることがあります。
しかし、「市役所が紹介してくれた業者なら大丈夫!」と何も考えずに利用するのは危険です。というのも、料金やサービス内容などは業者によって異なるからです。
害獣駆除業者の中には、手抜きの作業で高額な料金を要求する悪質な業者もいます。そのため、可能であれば複数の駆除業者を紹介してもらい、その中からご自身に合った会社を選ぶことが大切です。
業者選びで迷っている方は、市役所で紹介してもらった業者や口コミで評判の良い業者など、いくつかの害獣駆除業者から見積もりをとって、どの業者に頼むかを決めましょう。
⑤駆除費用の一部負担
日本全国の市役所には、有害生物の排除にかかる費用の一部を補助してくれるところがあります。以下では、いくつかの市役所を例とし、駆除費用の一部負担の内容について紹介します。
自治体 | 補助金限度額 | 補助内容 |
東京都中央区 | 200万円 | ● 防除計画の策定に係る経費防除業者への委託費 ● 巣穴封鎖、通路遮断、ふた付きゴミ箱等防除に係る物品の購入費 ● ねずみ防除に係る講習会の開催費 ● 区長が特に必要と認める経費 |
神奈川県箱根町 | 3万円 | ● 電気柵(ポール、電線、バッテリーなどを含む。) ● トタンなど板による柵(杭などを含む。) ● 網や金網柵(杭などを含む。) ● その他同等の効果があると認められるもの |
高知県日高村 | 5万円 | 鳥獣被害拡大防止のため農地等に購入・設置した「電気柵」や「網」、「トタン」等の購入経費に対して予算の範囲内で補助 |
茨城県常陸大宮市 | 5万円 | イノシシ、ハクビシン等の有害鳥獣による農作物等の被害を防止するため、防護柵等を購入する方に対して資材購入費用の一部を補助 |
上記は一例で、一部の費用を補助してくれる市役所は他にもあります。補助金の対象になるかどうかは、お近くの役所のホームページで確認してみてください。
市役所に害獣駆除を依頼する際のデメリット
有害動物の対策には、行政に相談するのみでは不十分かもしれません。「行政に頼んでも効果がなかった」というケースも考えられます。
以下では、害獣駆除について市役所に相談する際の欠点について解説します。
資格未取得だと捕獲許可がおりない
有害鳥獣の捕獲には許可書の取得が必要ですが、誰でも簡単に手に入るものではありません。経験や害獣対策業者であることが条件となる場合もあります。
許可なしで害獣を捕まえたとしても即座に逮捕されることはありませんが、罰金などの刑罰を受ける可能性があります。
危険な行為を避けるためにも、「捕獲許可が得られなかった」という理由で、無理に捕獲を試みることは控えましょう。
紹介される業者が必ずしも信頼できるとはいえない
自治体から紹介される駆除業者は、一般的にはその自治体が契約している地元業者になります。しかし、評判の良い業者が必ずしも選ばれるわけではない点には注意が必要です。
害獣駆除業者の選び方が気になる方は、「信頼できる害獣駆除サービスランキング」の記事を参考にしてください。
手続きが長引く
有害生物の排除には、自ら捕獲する方法や害獣駆除の専門業者を紹介してもらう方法もありますが、手続きの段階から実際の排除までには時間がかかります。
平日に生活安全課を訪れて受付を行い、順番を待つ必要があります。自分の番が来た後に相談し、数日後になりようやく許可や紹介の連絡が届きます。したがって、即座に有害生物の排除を希望する方には向いていない手続きといえます。
市役所で害獣駆除のサポートを受ける際の注意点
市役所で害獣駆除の相談をする際は、以下のことに気をつける必要があります。
捕まえた害獣の引き取りはできない
地方自治体から提供された捕獲器で害獣を捕まえた場合でも、地方自治体がその害獣の引き取りを行うわけではありません。
捕獲器の設置や返却は利用者の責任となります。さらに、捕獲した害獣の引き取りや処分には、免許や許可を持つ専門家が関与する必要があるためご注意ください。
すぐに対処できない
地方自治体で捕獲器の貸し出しや専門業者の紹介を受けるには、申請書などの手続きが必要です。そのため、その日のうちに迅速に対処することが難しい状況が生じます。
さらに、土日祝日は窓口が休みとなり、市役所への相談が難しいことも考慮すべきです。害獣駆除は被害拡大のリスクが伴いますが、地方自治体で即座の対応が難しい場合があることを理解しておく必要があります。
市役所でのサポートが間に合わないと判断したら、被害を最小限に食い止めるための他の対応を検討しましょう。
市役所から許可を得たとして、自力での害獣駆除は可能?
市役所から捕獲許可を得て罠を借りれば、自分で害獣を捕まえて駆除することができるのでしょうか。以下では、自力での害獣駆除に関する特徴について紹介します。
完全に駆除するのは困難でも対策は可能
有害動物を捕獲するために有効な手段として、わなを設置することが考えられます。さらに、害獣を家の外に追いやるために忌避剤を活用することも1つの方法です。
ただし、有害生物は1度住みつく場所を見つけると、それを記憶してしまいます。仮に解放しても、再び侵入してくる可能性があるのです。
対策として侵入経路を塞ぐことが重要ですが、有害動物の足跡や痕跡を辿る必要があり容易ではありません。
自分で害獣を退治すると危ない
動物は自らの巣や子どもを守るために、侵入者や脅威に対して積極的に反撃します。注意力を欠いた場合、小さな動物であっても攻撃され、重篤な傷を負う可能性が潜んでいます。
また、動物の爪や歯によって引き起こされる傷口からは、何らかの細菌が感染する可能性があります。
その結果、引っかかれた傷口から膿が出ることも考えられ、非常に危険な状況となります。安全を最優先に考え、専門家に相談することが重要です。
まとめ:害獣駆除はプロに任せるのが最適な選択し
害獣駆除は個人で手を出すこともできますが、その際には手間や費用がかかるだけでなく、怪我や感染症のリスクも潜んでいます。したがって、自己防衛や安全を考慮するならば、個人での対応はおすすめできません。
公的機関が害獣駆除に対応していない場合でも、頼りになるのは害獣駆除の専門家である会社に依頼することです。
私たち駆除ザウルスは害獣駆除のエキスパートとして、年中無休で無料相談を受け付けております。害獣にお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。