タヌキの足跡 大きさや形はどう見分ける?他の動物との比較も
「畑や家の敷地に見たことがない動物の足跡があるが、タヌキだろうか?」このようなご相談が、当社にも時おり寄せられます。
住宅地や畑に現れる動物にはさまざまな種類がいますが、はっきりと姿を目撃する機会はそう多くありません。そんな時、足跡などの痕跡は種類を特定する大きな手掛かりのひとつです。
この記事ではタヌキの足跡が持つ特徴とともに、よく出没する動物の足跡と比較してみました。
目次
タヌキの足跡の特徴
タヌキの足跡全体の大きさは、3cm~4cm程度です。4つある指球の先端に、爪の跡がついているのが特徴です。乾いた土などに残る足跡には指球があまり見えないことも多く、爪の跡だけが残っていることもあります。
手のひら部分にあたる肉球は小さめで、三角形に近い形をしています。
タヌキは高い場所へ登るのが得意ではないので、樹木を傷つけたり木登りの痕跡を残すことはほぼありません。
タヌキと他の動物の足跡の違い
残された足跡がタヌキの足跡かどうか調べる際、他の動物がどのような足跡と比較することは非常に大切です。ここでは、畑や住宅地によく現れる動物の足跡の特徴、タヌキの足跡との違いについて紹介しています。
ハクビシン
ハクビシンはしっぽ込みの体長約90cm~110cm、身体の大きさだけならタヌキとほぼ同じ大きさのジャコウネコ科の動物です。「白鼻芯(ハクビシン)」の名前の由来にもなった、額から鼻先までの白い模様が特徴的です。
タヌキの足跡が大体3~4cmなのに対し、ハクビシンの足跡は約4~5cmと少し大きめで、形ははっきり違っています。
ハクビシンの指球はタヌキよりひとつ多く、5つあります。また、タヌキの肉球は三角形に近い形状をしているのに対して、ハクビシンは四角形に近いつるんとした形状です。
足跡の形や大きさに違いがあるので、見分けることはあまり難しくないでしょう。
アライグマ
アライグマは北アメリカから持ち込まれた外来種が、日本で野生化して全国に広がったものです。しっぽ込みの体長は約60cm~100cmとタヌキより少し大きめですが、外見はとてもよく似ているのが特徴です。
見た目はそっくりなアライグマですが、手の形状はタヌキと大きく異なります。アライグマはタヌキやハクビシンのように指球と肉球が離れた形ではなく、一体化しています。どちらかというと人間の手に近い形ともいえるでしょう。
また、タヌキとは違って指が5本あるのも特徴です。前の足跡はつま先まで含めると
約6cm~7cmで、後ろの足跡は前よりも大きく細長い形をしています。
イタチ
イタチは細長い体形と短い足、太いしっぽが特徴のイタチ属の動物です。体長約20cm~40cmとタヌキよりも小柄なので、足跡も約2cm~3cmと小さいのが特徴です。
大きさ以外にもタヌキの指が4本なのに対し、イタチには指が5本あるという違いもあります。丸い指球と三角形に近い肉球など、全体的な形はタヌキとよく似た部分も。
イタチはもともと体重が軽いので、足跡がはっきり残らないケースがほとんどです。それでも大きさの違いから、タヌキと見分けることは難しくないでしょう。
ネコ
実はネコの足跡は、タヌキのものとよく似ています。
丸みのある4本の指球、三角形に近い肉球、大きさも約3cm~4cmとほぼ同じくらいです。
ただし、ネコは普段爪を引っ込めていますので、足跡に爪の跡が残ることはありません。その点がタヌキとの違いといえるでしょう。
イヌ
タヌキはイヌ科に属する動物なので、イヌの足跡とも共通点が多いです。ただしイヌは犬種によって大きさが大幅に違うため、足跡の大きさが一定しません。
タヌキと同程度の約3cm~4cmの足跡となると、チワワやシーズーなど小型犬のものになるでしょう。
4本の指球に三角形に近い肉球、爪が出ているという点などがよく似ていますが、イヌのほうが指球が若干大きく、肉球との間隔が狭いという違いがあります。
動物の足跡まとめ
大きさ | 指の数 | 肉球 | 爪の跡 | |
タヌキ | 3cm~4cm | 4本 | 三角形に近い | つく |
ハクビシン | 4cm~5cm | 5本 | 四角形に近い | つく |
アライグマ | 6cm~7cm | 5本 | 指球と肉球が一体化している | つく |
イタチ | 2cm~3cm | 5本 | 三角形に近い | つく |
ネコ | 3cm~4cm | 4本 | 三角形に近い | つかない |
イヌ | 3cm~4cm | 4本 | 三角形に近い | つく |
タヌキの生態
タヌキはイヌ科に属する動物で、アジア各国にしか生息しない動物です。体長は50cm~70cm程度、ずんぐりした体型が特徴です。
夜行性の動物なので、暗くなってから民家や畑に姿を現します。視力はさほど良くないので、嗅覚をフルに使って食べ物を探し当てています。
畑の野菜や果物、木の実などだけでなく、しばしば昆虫や両生類を狩ることもあるなど、かなりの雑食です。
タヌキの生態の大きな特徴として、同じ場所でまとめてフンや尿をする「ためフン」が挙げられます。これは排泄物の臭いで仲間の状況を把握したり、安全を確保するもので、人気のない納屋の中や床下などで発見されることも。
タヌキのフンは非常に臭いがきつく、ためフンのあった場所は臭気と汚染で大変な状況になってしまいます。タヌキによる被害のなかでも特に厄介なものだといえるでしょう。
性質は非常に憶病で、警戒心が強いです。大きな音や環境の変化に驚くと、気絶してしばらく動かなくなるという特性は「狸寝入り」の語源にもなっています。
タヌキとアライグマの見分け方
外見や行動がタヌキに似た野生動物として、アライグマが挙げられます。見分けが難しいのとはっきり姿を見比べる機会もないので、どちらか判断がつかないというご相談もしばしば耳にします。
アライグマとタヌキの見た目や習性の違いは、以下の通りです。
タヌキ | アライグマ | |
体長(しっぽ込み) | 60cm~80cm | 60cm~100cm |
顔 | 目の周りの黒いフチ模様が繋がっていない | 目の周囲から鼻全体が黒い |
体の色 | 茶色 | 白灰色 |
性質 | 非常に憶病 | 獰猛 |
フン | ためフンをする | ためフンはしない |
食性 | 雑食だが野菜や果物、昆虫を主に食べる | 雑食で自分より大きな鶏や小動物も狩って食べる |
外見には共通点が多いですがアライグマのほうが獰猛な性質で、ペットや家畜も捕食対象にするという違いがあります。実際、害獣被害の件数はアライグマのほうが圧倒的に多いです。
どちらか判断がつかないという場合は、害獣駆除の専門業者に相談してみるのもひとつの方法です。
タヌキを放置することによる被害とは
可愛らしい外見で昔話や童謡にも登場するタヌキですが、人間の生活空間に住み着くことでさまざまな被害が生じます。ここでは、その主なものをご紹介したいと思います。
農作物などへの食害
タヌキは雑食性で野菜から果物、昆虫までさまざまなものを食べます。なかでもトウモロコシやサツマイモなど糖分が豊富な野菜を特に好むため、畑や家庭菜園が狙われやすくなります。
自分の家に住み着かれることで、近隣の農家に大きな損害を与える可能性もあるので、早急な対策が必要です。
フン害
先にも解説したように、タヌキにはまとまった場所で排泄を行う「ためフン」という習性があります。その縄張り内に生息する複数のタヌキが同じ場所で排泄するので、悪臭による被害は凄まじいことになります。
天井裏、床下など家屋に侵入された場合、家中が悪臭の被害を受けることに。タヌキによる被害のなかでも特に深刻なものだといえるでしょう。
家屋がダメージを受ける
タヌキはあまり高いところが得意ではないので、基本的には木の洞や床下に侵入するケースが多いです。しかし軒先に荷物や廃材などが積んであると簡単に登っていけるので、天井裏に住み着かれてしまうこともあるのです。
天井裏にためフンをするとその部分が腐食してしまい、最悪の場合、天井が崩落してしまう可能性もあります。
また、天井裏には、配線や電柱の引き込み口が設置されていることも少なくありません。タヌキが配線をかじり切ってしまったり、腐食でケーブルが断線すると停電や火災の危険性も考えられます。
火災保険の多くは、獣害による火災を免責にしていることがほとんどです。取り返しのつかない事態に陥る前に、対策を取ることが必要です。
健康被害
タヌキなどの野生生物はノミやダニ、病原菌などを媒介することがあります。天井裏や床下にタヌキが入り込むことで、人間やペットの身体にもアレルギーや皮膚疾患などの悪影響を及ぼすことがあるのです。
特にヒゼンダニによる感染症である「疥癬」は根絶が非常に難しく、病院や介護施設で発生すると大問題になる疾患のひとつです。抵抗力の弱いご高齢の方や身体の小さいペットには生命にかかわる事態にもなりかねません。
タヌキの駆除とあわせて、家中のノミダニ駆除も行うことをおすすめします。
タヌキ駆除をプロに依頼する3つのメリット
足跡を見ても侵入しているのがタヌキかどうか判別がつかない場合や、侵入経路の予想がつかない場合は、プロの害獣駆除業者に依頼するという選択肢もあります。ここでは、プロに依頼するメリットを3つにまとめました。
法律を守った駆除が可能
害獣駆除の基本は侵入している場所から追い出して経路を塞ぎ、二度と近づけさせないことです。タヌキは鳥獣保護法の対象となっており、罠などを使った捕獲には所定の手続きを踏まなくてはなりません。
また、捕獲したとしても周辺に別の個体がいれば、また同じ被害が起きないとも限りません。
プロの害獣駆除業者はそれぞれの状況に応じて、法律を守りながら最適な方法をご提案することが可能です。
再侵入をしっかり防ぎます
害獣の再侵入は、害獣駆除において非常に大きな問題です。当社に寄せられるご相談のなかでも「自分たちで害獣対策を取っていたが、どこからともなく再侵入されてしまい困っている」というお声をよく耳にします。
当社では害獣を駆除するだけでなく、侵入経路を的確に把握して塞ぐ作業にも力を入れています。害獣の侵入を二度と許さないのがプロの仕事です。
安全性を重視した作業を行います
害獣駆除で使用する機器や薬剤は非常に効果が高いものですが、正確な知識と高い技術を持って運用することが欠かせません。プロの害獣駆除業者は日々進化する技術や害獣の生態など、常に最新情報を取り入れ安全性と効率を両立した作業を行っています。
感染症や病原菌に対する予防策にも細心の注意を払い、お客様やスタッフ、環境に配慮して駆除作業を進めています。
駆除ザウルスでは家屋から寺社まで、害獣に関するご相談を受け付けております。「害獣の種類が分からない」「足跡しか見つけられなかった」というケースでも、安心してご連絡ください。
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