イタチとテンの違いとは?簡単に見分ける方法や駆除方法を解説
見た目が似ている動物として知られているイタチとテン。実は別の種類で、生息地や特徴、生態などに多くの違いがあります。
そんなイタチとテンは、農作物や住居に被害を及ぼすことがあり、そのために駆除が必要な場合もあります。ただし、法的に保護されている動物であるため、勝手に駆除することは許可されていません。
この記事ではイタチ・テンの違いと見分け方、駆除策や予防法について解説します。
目次
イタチとテンってどんな動物?
イタチとテンは、イタチ科に属する小型の肉食動物です。しかし、これらの動物は異なる属に分類され、独自の特徴や種類を持っています。
ここでは、イタチとテンの特徴と生態について詳しく解説します。それぞれの違いを理解することは、見分け方や対策にも役立ちますので、ぜひ参考にしてください。
イタチとは
イタチとは、イタチ科に属する動物で、イタチ属に分類されます。
イタチ属には、
- ニホンイタチ
- ミンク
- フェレット
- オコジョ
- スカンク
など、約20種類の動物が含まれます。
日本ではニホンイタチが最も一般的ですが、ミンクやフェレットなどの外来種も確認されています。
イタチの特徴
イタチは攻撃的で凶暴な性格を持ち、危険を感じると噛みついたり引っかいたりしてきます。威嚇するときには「キッキッ」と甲高い鳴き声を発するのが特徴です。
さらに、肛門腺から強烈な臭いを放つ分泌液を出します。この臭いは人間の嗅覚に影響を与えるほど強く、家屋に付着してしまうとなかなか取れないため注意が必要です。
テンとは
テンとは、イタチ科のテン属に分類されている動物です。
日本では、
- ホンドテン
- ツシマテン
- エゾクロテン
の3種類が生息しています。
テンは森林や草原・河川沿いなど自然豊かな地域に生息します。しかし、人間の住む地域に出現する際は、屋根裏や物置・倉庫など暗くて狭い場所を好んで住み着きます。
テンの特徴
テンはイタチよりも温厚で臆病な性格をしており、人間にはあまり近寄らないようにしています。
ただし、油断は禁物です。危険を感じると「チャー」という威嚇含みの鳴き声を発し、噛みついたり引っかいたりしてくることがあります。
また、イタチと同様に肛門腺から強烈な臭いを放つ分泌液を出してくるのですが、分泌液の臭いはイタチのものよりも非常に強いため注意が必要です。
イタチとテンの違いを見分けるポイントは?
イタチとテンは見た目がよく似ていますが、両者を見分けることができれば、被害の原因や対策方法もわかりやすくなります。
ここでは、表や箇条書きをメインにイタチやテンの違いについてご紹介します。
毛色や模様の違い
以下の表は、一般的なイタチとテンの毛色や模様を示していますが、種類や個体によって多少の違いがあります。
動物 | 夏毛 | 冬毛 | 目の周り | 鼻周辺から喉元 |
イタチ | 暗めの茶褐色 | 明るい茶褐色 | 濃褐色の斑紋 | 白色 |
テン | 黒めの黄褐色(頭部は黒色) | 明るい黄褐色(頭部は白色) | なし | 全体よりも薄い色で白っぽい |
大きさや体型の違い
イタチとテンは大きさや体型も異なります。一般的にはテンの方がイタチよりも大きくてずんぐりしています。
動物 | 性別 | 体長 | 尾長 | 体重 |
イタチ | オス | 27〜39cm | 12〜21cm | 120〜800g |
イタチ | メス | 16〜31cm | 7〜16cm | 80〜500g |
テン | オス | 30〜60cm | 15〜25cm | 1〜3kg |
テン | メス | 25〜50cm | 10〜20cm | 0.5kg〜2kg |
鳴き声や行動の違い
イタチとテンは鳴き声や行動も違います。一般的にはイタチは凶暴で攻撃的なのに対し、テンは温厚で臆病という違いがあります。
動物 | 危険を感じるとき | 威嚇するとき | 肛門腺から出すニオイ | 活動時間 | 繁殖期 | 子どもの数 |
イタチ | 噛みつく・引っかく | 「キッキッ」と鳴く | 強烈で人間の嗅覚に影響を与えるほど強い | 夜行性だが昼夜問わず活動する | ペアを組んだり、子育てをしたりする | 一度に5匹ほど |
テン | 同上 | 「チャー」と鳴く | イタチよりも強い | 夜行性で昼間は木の洞穴や岩の隙間に隠れる | 同上 | 一度に2~4匹ほど |
イタチとテンの駆除はどうする?法律に触れない方法
イタチとテンは害獣として人間の生活に被害を与えることがあります。しかし、これらの害獣は法律によって保護されている動物であり、駆除する際には注意が必要です。
ここでは、イタチとテンによる被害の原因や対策方法を解説します。
イタチとテンがもたらす被害とは?
イタチとテンが人間の生活に被害を与える場合は、まずその原因を特定することが重要です。
イタチやテンが人間の住む地域に侵入する理由は、主に以下の3つです。
- 食べ物を探すため
- 住処を探すため
- 繁殖するため
さらに、イタチ・テンは以下のような被害をもたらす可能性があります。
- 家屋や農作物、家畜などに噛みついたり引っかいたりする
- 屋根裏や物置、倉庫などに侵入して糞尿や分泌液を残す
- 電線や配管などを噛んだり引っかいたりして故障させる
イタチとテンを捕獲する方法は?罠や毒などの使用には注意が必要
イタチとテンによる被害を防ぐためには、捕獲や殺処分という駆除方法を検討する必要があります。しかし、駆除のやり方によっては法律上の制約にひっかかる可能性があるため、事前に知識を得ることが大切です。
罠を使う方法
イタチとテンに効果のあるものは、箱型の生け捕り罠やワイヤー型の絞め殺し罠などです。
生け捕り罠はイタチ、テンの好物や匂いを仕掛けておき、なかに入ったら扉が閉まる仕組み。
一方、絞め殺し罠はイタチとテンの通り道に仕掛けておき、首や足に引っかかったらワイヤーが締まる仕組みとなっています。
しかし、鳥獣保護法によりイタチとテンの捕獲は禁止されています。許可を受ければ捕獲できる自治体もありますが、捕獲期間が定められているため、ご自身での捕獲を検討されている場合はお近くの自治体にお問い合わせください。
毒を使う方法
続いては毒を使った方法です。イタチとテンの好物や匂いに毒を混ぜておき、食べさせることで弱らせます。効果的な毒として、ラットキラーなどの殺鼠剤や農薬などが使われます。
毒はイタチとテンの捕獲ができる一方で、法律で規制されており、使用場所や使用量・回収方法などに注意しなければなりません。
忌避剤を使用する
忌避剤とは、害獣が嫌がる成分やニオイを発して、対象となる生物を遠ざけるものです。イタチとテンは嗅覚がすぐれているので、刺激的なニオイに反応して逃げていくことがあります。
忌避剤にはさまざまな形状や成分のものがありますが、イタチとテンに効果のあるものは以下のようなものです。
- 木酢液:木を焦がしたようなニオイが特徴で、この焦げたニオイを嫌ってイタチとテンが逃げていくことがある
- お酢:酸っぱいニオイが特徴
- クレゾール石鹸液:特有の強い刺激臭が特徴
- 漂白剤(カルキ):強い塩素臭が特徴
このように、市販されているものや家にあるもので手軽に使うことができます。
使い方は簡単で、直接散布するか、布や新聞紙などに染み込ませて小皿の上に置くのみ。設置する場所は、イタチやテンの被害箇所や発生箇所、通り道です。
ただし、忌避剤は風通しや温度などによって効果が変わることもあるので、定期的に交換したり追加したりする必要があります。
イタチやテンの予防法は?被害を最小限に抑えるためにできること
イタチとテンの駆除は法律や倫理に抵触する可能性があるほか、駆除できたとしてもこれらの害獣が再び侵入することもあります。
そのため、駆除よりも予防が重要です。ここでは、イタチとテンの被害を最小限におさえるためにできる予防法を紹介します。
イタチとテンの侵入には家や庭などの対策が重要
イタチとテンが人間の住む地域に侵入する理由の一つは、住みかを探すためです。イタチとテンは暗くて狭い場所を好んで住み着くため、家や庭などに隙間や穴があると、イタチとテンが侵入しやすくなります。
イタチとテンの侵入対策には、以下のような方法をお試しください。
- 屋根裏や物置、倉庫などの隙間や穴を塞いだり、金網やネットなどで囲ったりする
- 窓やドアなどの開口部にも金網やネットなどを設置したり、鍵をかけたりする
- 庭木や藤棚などの植物を切り詰めたり、屋根から離したりする
- 屋根裏や物置、倉庫などに人工的な光や音を入れたり、イタチとテンが嫌う匂いのものを置いたりする
こういった対策方法は、イタチとテンが侵入する隙間や穴を減らしたり、侵入しにくい環境にしたりすることで、予防効果が期待できます。
イタチとテンが食べ物に手を出さないようにする方法は?
イタチとテンは、生きていくために常に食べ物を探しています。イタチとテンは雑食性であるため、人間の食べ物を食べることもあります。
特に、ゴミ箱や台所などはイタチとテンの格好の餌場です。家のなかに食べ物があることを察知されないようにするべく、以下のような対策を施すことが大切です。
- ゴミ箱は密閉したり、高い場所に置いたりする
- ペットフードは与える分だけ出したり、高い場所に置いたりする
- 食べ物の残りや皮、種などはすぐに処分したり、堆肥化したりする
- 鳥類用のエサ台は高さを調節したり、金網で囲ったりする
このように、イタチとテンが食べ物に手を出しにくくしたり、根本的に寄せ付けないようにすることが重要です。
イタチとテンが繁殖しないようにする方法は?
イタチとテンは、繁殖するために住居への侵入を試みることがあります。特にイタチについては一夫多妻制な上に、一度に数匹の子どもを産むため、複数の住処を転々とする習性があるのです。
イタチとテンの個体数が増えると、その分被害も増えてしまうため、必ず対策を練る必要があります。
すでに屋根裏などで繁殖してしまった場合は、すぐに駆除業者に相談するのがおすすめです。もしご自身で捕獲したとしても、親を捕まえてしまった場合は最悪です。
子供達は育児なしの栄養補給が難しいため、屋根裏で数匹の子供達が死んでしまうことも。そうなると、腐敗臭や寄生虫など人体へ直接的な被害をもたらしてしまいます。
イタチとテンの駆除は専門業者に相談しよう
イタチとテンは害獣として人間の生活に被害を与えるため、騒音や異臭などの実害が起きる前に対策する必要があります。
ところが、イタチとテンは法律によって保護されているため、駆除する際には色々と面倒な手間が発生します。
そこでおすすめなのが、害獣駆除を専門とする業者に任せてしまうこと。駆除ザウルスは、24時間365日無料相談受付中です。
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