コウモリの寿命はどれくらい?
コウモリの寿命は種類によって異なります。
私たち日本人がよく見かけるコウモリである「イエコウモリ(アブラコウモリ)」は、3年から5年が寿命です。
コウモリの寿命について詳しく解説していきます。
コウモリの種類と寿命
コウモリの種類 | 寿命 |
アブラコウモリ(イエコウモリ) | 1年から5年 |
キクガシラコウモリ | 5年から20年 |
吸血コウモリ(チスイコウモリ属) | 9年から12年 |
1.アブラコウモリの寿命(イエコウモリ)
-オスの寿命:約1年から3年
-メスの寿命:約3年から5年
アブラコウモリは都市部や人間の住む地域に多く見られ、小さな体ながらも環境への適応力が高いのが大きな特長です。私たちが早朝や夕方などに飛行している姿を目にするコウモリは、このアブラコウモリである場合がほとんどです。
2.キクガシラコウモリ
-寿命:5年から20年。35年以上生きた個体も確認されています。
長寿命の代表格の洞窟性コウモリで、洞窟や森林など安定した環境に住むことが多いです。日本にも生息しているコウモリです。
3.吸血コウモリ(チスイコウモリ属)
-平均寿命:約9年から12年
主に南米に生息し、夜行性で家畜や野生動物の血を吸います。日本には吸血コウモリ属は生息していません。
コウモリの寿命に影響を与える要因
コウモリの寿命は、生息環境などによって変わってきます。
条件が良い場所では寿命は長くなる傾向にあります。
1.生息環境
-コウモリは安定した気温と湿度が保たれる環境を好みます。洞窟や建物の内側、木の洞などは外敵から身を守りやすいため、寿命が延びる傾向にあります。
2.捕食者
-フクロウやヘビなどの捕食者が少ない地域では、コウモリはより長く生きることができます。
3.餌の豊富さ
-餌となる昆虫や果実が豊富な地域では、コウモリは栄養を十分に摂取でき、健康を保ちやすくなります。
このように、生息環境、捕食者の存在、エサという3つの要因によって、コウモリの寿命は変わってくると考えて良いでしょう。
コウモリはオスとメスで寿命が違う?その理由は?
コウモリはオスとメスで寿命が異なります。
アブラコウモリで言えばオスの寿命は約1年から3年、メスの寿命は約5年程度とされています。
この寿命の違いは以下の要因によることがわかっています。
1.生態的な役割の違い
オスとメスの生態的な役割の違いが寿命に影響を与えることがわかっています。
オスは繁殖期に入ると、メスにアプローチするために多くのエネルギーを消費するだけでなく、縄張り争いや他のオスとの競争も激しくなります。
この争いがストレスとなり寿命を縮める要因です。
2.生活環境の違い
オスは単独で生活することが多く、メスと比較して危険な環境に身を置くケースが多くなります。
オスは捕食者からの攻撃を受けやすい場所で餌を探すことが多く、リスクにさらされる機会も多くなるためこれが寿命を短くする一因になります。
一方でメスは子供を育てるため警戒心が強く、比較的安全な場所で生活する影響もあって生存率が高くなりやすいです。
3.繁殖と育児
メスは出産や子育てに多くのエネルギーを費やしますが、この過程でより安全な環境を選ぶ傾向があります。
メスは群れを作り、他のメスや子供たちと協力して子育てを行うので外敵からの攻撃を受けにくくなり、結果として寿命が延びることが多いです。
4.生理的な要因
生理的な観点からも、メスはオスよりも寿命が長くなる傾向があります。メスの身体は出産や子育てに適応し、メスはオスに比べて代謝が安定していることが多く、健康を維持しやすいと言われています。
このようにコウモリのオスとメスで寿命が異なる理由は、生活環境、繁殖行動、生理的特性など多岐にわたります。
オスは繁殖期に多くのエネルギーを消費し、危険な環境に身を置くことが多いため寿命が短くなる一方で、メスは子育てのためにより安全な場所で生活し、健康を維持しやすいため相対的に長寿になります。
コウモリの寿命が比較的長い理由
長生きする要因 | |
1. リスクの少ない捕食行動と安全なすまい | 夜行性で昼間は安全な場所で休息するため、捕食されるリスクが減少 |
2. 優れた適応能力 | 都市部から森林まで幅広い生息地に適応し、安定した食物供給を確保 |
3. 安定した食物供給 | 昆虫や果実など多様な食物源を利用し、栄養状態を良好に保つ |
4. 社会的行動 | 群れを作ることで警戒活動を効率化し、情報共有により生存率を向上 |
コウモリの寿命は3年から5年と身体の大きさから考えても比較的長いです。
ではなぜ長くなるのでしょうか。これには理由がいくつかあります。
1.リスクの少ない捕食行動と安全なすまい
コウモリは夜行性です。
夜間に活動するため、昼間に活動を行う多くの捕食者から身を守ることができます。
また昼間は洞窟や建物の屋根裏など、安全で暗い場所で休息するため、捕食されるリスクが大幅に減少します。
2.優れた適応能力
コウモリの環境適応能力も彼らの寿命を伸ばす要因です。
都市部から森林、洞窟まで幅広い生息地で生活することができ、これが長寿化に影響を及ぼしています。
特に都市部では食物供給が安定しているため栄養不足に悩まされることが少なく、彼らにとって快適な環境になっています。
3.安定した食物供給
コウモリの多くは昆虫を主食としていますが、果実や花の蜜を食べる種類もいます。
食物供給が安定している環境では、栄養状態が良好であり、健康を維持しやすくなります。
農村部ではもともと昆虫や植物が豊富に存在しますが、都市部でも緑化が進んでいる場所は昆虫も豊富なので、食物不足による死亡リスクが少なくなります。
4.社会的行動
ほとんどのコウモリは群れを作って生活します。群れを作ることで、捕食者からの攻撃を避けるための警戒活動が効率化され、生存率が向上します。
また群れの中で情報を共有することで、食物の場所や安全な休息場所を見つけやすくなります。
これらの要因が複合的に絡み合い、コウモリは他の小型哺乳類に比べて長寿化を達成しています。
長寿命であることが、コウモリが適応力に優れ、多様な環境で生存できる証明になっています。
コウモリが長生きしないようにする方法
コウモリが快適に暮らせる環境がなければ長寿化することもありませんし、そもそも寄り付かなくなるはずです。
ではどんな環境を作れば良いのでしょうか。
1.生息環境を管理する
まずはコウモリが好む環境を管理する必要があります。
-アクセスを制限する:コウモリが好む屋根裏、建物の隙間などにアクセスできないようにすることが重要です。家屋の隙間や裂け目をしっかりと塞ぎ、コウモリが侵入できないようにしましょう。
2.食べ物の供給源を減らす
コウモリの食糧供給源を減らすことで、彼らの栄養状態を悪化させ、寿命を短くすることができます。
-昆虫の発生を抑える:コウモリが餌とする昆虫の発生を抑えるために、家の周りの照明を控えめにします。照明を減らすことで、昆虫の集まりを防ぎ、結果としてコウモリの食糧供給が減少し寄り付かなくなります。
-昆虫駆除剤の使用:昆虫駆除剤を使用して、コウモリの主要な食糧供給源である昆虫を減らすことも対策の一つです。十分な量の昆虫を捕食できなければコウモリの栄養状態が悪化し、寿命が短くなる可能性があります。
3.忌避剤を使用する
住処となりそうな場所やすでに住処になっている場所で、コウモリが嫌う匂いや音を出す忌避剤を使用して、彼らを追い払うことができます。
-匂い忌避剤:コウモリは特定の匂いを嫌うことが知られています。ペパーミントオイルやユーカリオイルなどの匂いを使用し、コウモリを遠ざけましょう。
-音波忌避剤:特定の周波数の音波を発する装置を使用し、コウモリを追い払うことができます。これらの装置は、人間には聞こえない高周波音を発生させコウモリを追い払います。
4.定期的な点検とメンテナンス
定期的に屋根裏などの点検とメンテナンスを行うことで、コウモリが侵入する隙間を見つけ出し、対策をとっておきましょう。
-屋根裏や隙間の点検:屋根裏や屋根の隙間を定期的に点検し、コウモリが侵入していないか確認します。見つかった隙間はすぐに修理し、コウモリの侵入を防ぎます。
-防虫ネットの設置:防虫ネットを設置することで、コウモリが建物内に侵入するのを防ぐことができます。特に、換気口や煙突などの開口部にネットを取り付けることが効果的です。
-環境の清掃:コウモリが好む環境を作らないために、定期的に環境を清掃することが重要です。落ち葉やゴミなどを取り除き、コウモリが隠れやすい場所を減らすように心掛けましょう。
まとめ
これらの方法を組み合わせて実施することで、コウモリの生息を効果的に抑制し、彼らの長生きを防ぐことができます。
私たち駆除ザウルスでは、コウモリによる被害状況を確認した後に適切な方法で駆除を行います。
コウモリの駆除は忌避剤を使用した追い出し、コーキング剤などを用いた外部侵入口の閉鎖のほか、健康被害が出る可能性のあるフンの清掃まで徹底して行います。
また、雨戸の内部ほか家屋に浸入したコウモリの駆除もお任せください。
コウモリにお困りの方は、お気軽にご相談ください。