害獣を駆除するにはどんな資格が必要?資格や免許について解説
近年、害獣による農作物や住宅への被害が深刻化しています。

イノシシやシカ、クマなどの大型害獣、アライグマ、イタチ、ハクビシン、タヌキ、ネズミ、カラス、コウモリなどの野生鳥獣による被害は、農業や林業だけでなく、私たちの日常生活にも大きな影響を及ぼしています。
こうした害獣をすぐにでも駆除したいところですが、害獣の駆除や捕獲は誰でも自由に行えるわけではありません。鳥獣保護管理法によって、適切な免許や資格を持った者のみが駆除活動を行うことができます。
以下では害獣駆除に必要な狩猟免許の種類や取得方法、試験内容について詳しく解説します。
目次
ほとんどの害獣の駆除には免許が必要
害獣を駆除したり、捕獲したりする際には、法律で定められた「狩猟免許」を取得することが必要不可欠となります。
この狩猟免許には全部で4種類の区分があり、それぞれの駆除方法や捕獲方法に対応した適切な狩猟免許を保有していなければ、鳥獣保護管理法の対象となっている鳥獣の駆除や捕獲を行うことはできない仕組みになっています。
狩猟免許の種類
| 免許の種類 | 概要 | 狩猟できる主な害獣 |
| 網猟免許 | むそう網、はり網、なげ網、つき網を使用した狩猟 | カラス、ウサギなどの鳥獣類 |
| わな猟免許 | くくりわな、箱わな、箱落とし、囲いわなを使用した狩猟 | イノシシ、シカ、クマ、サル、カラス |
| 第一種銃猟免許 | 装薬銃と空気銃を使用した狩猟 | イノシシ、クマ、シカなどの大型害獣 |
| 第二種銃猟免許 | 空気銃を使用した狩猟 | カラスなどの鳥獣類、イノシシ、シカ |
ただし免許や許可なしで駆除できる害獣もいる
基本的に害獣駆除には狩猟免許や行政の駆除許可が必要ですが、許可なく駆除できる害獣もいます。
ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミなど環境衛生に悪影響を及ぼす恐れのある鳥獣は、狩猟免許なしで駆除できます。
網猟免許
網猟とは、網を使って狩猟する方法で使える網は、むそう網、はり網、なげ網、つき網の4種類です。カラスやウサギを捕る時に使う狩猟方法ですが、はり網で鳥を捕まえることは禁止されています。
網猟免許は18歳以上で取得でき適正試験のほか、知識と技能試験に合格すれば免許を取得できます。
わな猟免許
くくりわな、箱わな、箱落とし、囲いわなという4種類のわなを使って狩猟できるようになる免許です。
例外として農業や林業従事者が自分の仕事に対する被害を防ぐために使う囲いわなは、免許がなくても設置できます。
わなを使った狩猟では、イノシシ、シカ、クマ、サル、アライグマ、タヌキ、ハクビシン、カラスなどが獲物です。
わな猟免許は18歳以上なら取得でき、知識試験と適性試験に加えて、わなを正しく組み立てる技能試験もあります。
第一銃猟免許
第一銃猟免許があれば、装薬銃と空気銃を使って狩猟できます。主にイノシシやクマ、シカ、タヌキ、アライグマなど比較的大きな害獣がターゲットです。
猟銃は使用できる時間帯や場所なども厳しく制限されているほか、禁止猟法として口径の長さが十番以上の銃は使用できません。
銃猟免許は、網猟免許やわな猟免許とは異なり、20歳以上で取得可能です。知識試験や適性検査、銃の操作も含む技能試験に合格すると免許が取得できます。
第二銃猟免許
第二銃猟免許は、装薬銃を使わない銃猟ができる免許です。
空気銃を使うことが許されており、主にカラスなどの鳥や、イノシシ、シカを捕まえるときに使います。ただし、コルクを撃ち出す空気銃は使うことができません。
狩猟免許を取得するには
狩猟免許試験は、各都道府県で年に何回か行われています。試験の申し込み方法や日時、場所、必要な書類などは、お住まいの都道府県の担当窓口に問い合わせてください。
【狩猟免許取得における年齢制限】
・銃猟免許:20歳以上
・網猟免許・わな猟免許:18歳以上
申請時に必要な提出書類と手数料
※標準的な申請手続きの例です。詳細は都道府県によって異なる可能性がありますので、申請先の都道府県担当部局にご確認下さい。
| 提出書類 | 詳細 |
| 狩猟免許申請書 | <記載項目> 住所、氏名、生年月日 受験しようとする狩猟免許の種類 猟銃や空気銃の所持許可証の番号及び交付年月日 等 |
| 猟銃・空気銃所持許可証の写し または 医師の診断書 | 猟銃・空気銃所持許可証の写し(既に所持許可を取得している方のみ)………1枚 または 医師の診断書………1枚 統合失調症やそううつ病、てんかん、麻薬や覚せい剤の中毒者でないことの証明 |
| 写真 | 受験票の所定欄に貼ること………1枚 縦3㎝×横2.4㎝ 申請前6ヶ月以内に撮影した無帽、正面、上三分身、無背景の写真 |
| 狩猟免許申請手数料 | 下記金額相当の現金または収入証紙にて納付すること 免許1種類につき5,200円(同時に2種類の免許について申請する場合は10,400円) |
| 返信用封筒 | ※都道府県によって、不要な場合あり |
参考:環境省ホームページ
参考:年代別狩猟免許所持者数
| 年齢 | 1980年 | 1990年 | 2000年 | 2005年 | 2010年 | 2015年 | 2020年 |
| 18~19歳 | 200 | ||||||
| 20~29歳 | 48,800 | 5,000 | 3,100 | 2,300 | 2,700 | 6,500 | 9,600 |
| 30~39歳 | 149,000 | 40,800 | 10,100 | 8,700 | 9,300 | 14,000 | 20,400 |
| 40~49歳 | 135,800 | 98,900 | 36,200 | 18,700 | 15,800 | 20,700 | 30,000 |
| 50~59歳 | 84,900 | 85,800 | 79,800 | 70,500 | 40,800 | 28,500 | 30,800 |
| 60歳以上 | 42,300 | 59,100 | 81,000 | 103,500 | 121,700 | 120,300 | 127,400 |
| 合計 | 460,800 | 289,500 | 210,200 | 203,600 | 190,200 | 190,100 | 218,500 |
狩猟免許の所持者数は年々減少傾向にあり、かつ高年齢化の一途をたどっていますが、近年では若年層の所得者数が微増しています。
そのほか害獣駆除に必要な資格
狩猟免許以外にも、害獣駆除業を営む上で取得しておくと有利な資格がいくつかあります。これらの資格は、より専門的な知識や技術を証明するものであり、顧客からの信頼を得るためにも重要です。以下では、害獣駆除に関連する主な資格について紹介します。
| 資格名 | 概要 | 取得方法 |
| 防除作業監督者 | 建物に被害を及ぼすネズミや害虫などの防除作業の監督をおこなうための資格 | 指定の講習科目の全工程を修了(2〜5年以上の実務経験が必要) |
| 鳥獣管理士 | 鳥獣の管理に関する知識を身につけ、人と野生鳥獣との問題を技術的に指導できる資格 | 鳥獣管理技術協会(JWMS)が実施する資格試験に合格 |
| ペストコントロール技能士 | 有害生物を管理・制御し、害獣の防除に関する知識を身につけるための資格 | 日本ペストコントロール協会または日本環境衛生センターが開催する養成講座を修了 |
| 鉄砲所持許可 | 銃刀法に基づき銃器を所持するための許可(銃器1丁ごとに1件の許可が必要) | 所定の手続きを経て許可を取得 |
防除作業監督者
防除作業監督者は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」に基づいて、建物に害を与えるネズミや害虫を駆除する作業を監督するための資格です。
取得には実務経験が必須です。
| 項目 | 詳細 |
| 資格名 | 防除作業監督者 |
| 受講料 | 60,000円 |
| 受験資格 | ・高校または中等教育学校を卒業後、関連業務を2年以上経験した方 ・関連業務を5年以上経験した方 ・上記と同じレベルの能力があると認められる方 |
| 修了証書の交付方法 | 講習をすべて修了した後に交付 |
鳥獣管理士
鳥獣管理士は、シカ、イノシシ、クマ、小さな動物、鳥などの野生動物の管理について学び、人と野生動物のトラブルを解決するための資格です。
この資格は民間資格であり、害獣駆除に必須というわけではありませんが、行政や地元の人々の信頼につながる資格です。
| 項目 | 詳細 |
| 資格名 | 鳥獣管理士資格制度 |
| 資格の種類 | ・1級地域のリーダーとして十分な技術と経験がある人向け ・準1級地域のリーダーを目指す人向け ・2級動物ごとの知識と技術を学んでいる人向け ・3級野生動物の管理について基礎を学んでいる人向け |
| 受験料 | ・1級17,000円 ・準1級12,000円 ・2級15,000円(昇級の場合は10,000円) ・3級7,000円 |
| 受験できる人 | 次のいずれかに当てはまる人 ・大学などで野生動物管理の授業を受けた人 ・JWMSの認定プログラムを受けた人 ・JWMSのCPD制度で単位を取った人 |
ペストコントロール技能士
ペストコントロール技術者(PCO)は、害虫や害獣などの有害生物を管理・駆除する専門資格です。
この資格を持っていると、害獣駆除に必要な知識があることを証明できます。害虫・害獣駆除業を仕事として行う場合、依頼者の信頼を得るために不可欠な資格です。
| 項目 | 詳細 |
| 資格名 | ペストコントロール技術者 |
| 資格の種類 | 1級:管理者向け2級:監督者向け3級:作業者向け |
| 講座の受講料 | 1級:137,600円2級:85,300円3級:61,300円 |
| 受講できる人 | 年齢、性別、学歴、経験不問。以下の条件に当てはまる場合は、講座を受けなくても資格を取得できます。 ・大学でPCOの科目を学び、関連する仕事を1年以上している ・短大または高等専門学校でPCOの科目を学び、関連する仕事を2年以上している ・PCO関連の仕事を3年以上している |
| 認証票のもらい方 | 講座修了後、書類を提出して2〜3ヶ月後に交付されます ※交付手数料13,200円が必要 |
鉄砲所持許可
鉄砲所持許可は、害獣を捕獲する際使用する銃を持つために必要な免許です。銃刀法という法律で決められています。
害獣駆除で銃を使う場合は必ず取得しなければならず、銃1丁につき1つの許可を取る必要があります。
| 項目 | 詳細 |
| 名称 | 鉄砲所持許可 |
| 申請場所 | お住まいの地域の警察署 |
| 費用 | 許可申請:10,500円 その他の費用 ・講習会:6,800円 ・教習資格認定:8,900円 ・射撃教習:30,000円~など |
| 有効期限 | 約3年間(許可を取った日から3回目の誕生日まで)3年ごとに更新が必要 |
狩猟免許を取得しても自由に害獣駆除できない?

害獣の駆除や捕獲を実施するためには、狩猟免許を取得するだけではなく、行政機関からの正式な許可を得る必要があります。
この許可申請を行う窓口となる機関は、お住まいの地域や自治体によって取り扱いが異なる場合がありますが、市区町村の役所や保健所、または農業関連のセンターなどで申請を受け付けています。
申請方法
害獣駆除の許可申請には、鳥獣の捕獲等許可申請書などの書類が必要です。必要書類は地域によって異なりますが、基本的には以下のような書類が求められます。
| 項目 | 内容 |
| 必要書類 | ・鳥獣の捕獲等許可申請書 ・実施者名簿 ・捕獲場所が分かる図面 |
| 注意点 | 必要書類の用意は手間がかかる上に、専門的な知識が必要になる項目もあります。書類の準備に不安がある場合は、許可申請を代行してくれる害獣駆除業者に依頼しましょう。 |
まとめ
ここまで害獣駆除に必要な資格について解説しました。
害獣の駆除には適切な狩猟免許の取得と、行政機関からの許可が必要ですが、害獣駆除を個人で行うには多くの手続きと時間がかかります。農作物や住宅への被害が深刻化している場合、取り急ぎの対応が必要なケースも少なくありません。
そのため緊急性の高い害獣被害に対しては、必要な免許や許可を既に取得している専門の害獣駆除業者に依頼することをおすすめします。
害獣駆除でお悩みの方は駆除ザウルスへご相談ください。



