トコジラミマップは日本にもある?生態や被害を防ぐ方法を解説

最近、SNSでトコジラミ(南京虫)による被害報告が相次いでいます。日本では1970年代を境に被害が激減していましたが、近年になって再び被害が急増しています。

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それにともない聞かれるようになったのが「トコジラミマップ」という言葉です。この記事では、トコジラミマップやトコジラミの生態、被害を防ぐ方法について解説しています。

トコジラミマップとは

ここ最近「トコジラミマップ」という言葉がメディアで取り上げられ、検索順位も急上昇しています。トコジラミマップとは、トコジラミの発生情報を地図上に表示したアプリやウェブサイトのことを指します。特にアメリカで多く利用されているようです。

 

トコジラミとは就寝中の人を刺して血を吸う害虫のことで、英語ではBed bug(ベッドバグ)と呼ばれて恐れられています。日本では海外渡航が活発になった2000年頃から、トコジラミの被害が増えてきました。

 

トコジラミマップは、利用者がトコジラミを発見したホテルなどを登録することで、他のユーザーに情報が共有される仕組みになっています。トコジラミの発見場所が地図上にピンで示されるため、その地域の被害状況を一目で確認できます。

 

ただしマップにピンが表示されていない場所も、トコジラミが繁殖している可能性があるので注意しましょう。あくまで利用者の口コミなので過信するのは禁物ですが、トコジラミから身を守るために活用したい便利なツールです。

日本でもGoogleマイマップ「BEDBUGSMAP JAPAN(トコジラミホテルマップ日本)」が登場

日本では2024年初頭までトコジラミマップは存在していませんでしたが、Googleマイマップに「BEDBUGSMAP JAPAN(トコジラミホテルマップ日本)」が登場しました。

BEDBUGSMAP JAPAN(トコジラミホテルマップ日本)

トコジラミマップJAPAN01

楽天トラベルやトリップアドバイザーといった旅行系ポータルサイトの口コミからトコジラミ被害を抽出し、対象の宿泊施設がベッドのアイコンで地図上に表示される仕組みとなっているようです。

アイコンをクリックすると詳細が確認できます。

トコジラミマップJAPAN02

トコジラミ情報のマップアプリが世界で浸透してきたのは、薬剤耐性を持つ「スーパートコジラミ」の被害が深刻化していることが背景にあります。スーパートコジラミは殺虫剤に使用されているピレスロイドという成分が効かないため、根絶が非常に困難です。

 

トコジラミは一度その場所を住処にすると、凄まじいスピードで繁殖してしまいます。トコジラミマップは旅行者がトコジラミの被害を避けるために利用されていますが、店舗や宿泊施設側が被害状況をいち早く把握するための情報としても役立てられているのです。

次にトコジラミの生態・被害についてを見ていきましょう。

 

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トコジラミの生態

トコジラミの被害に遭わないためには、トコジラミの生態に合わせた予防法を知っておくことが重要です。トコジラミの外見や出没する場所を頭に入れておけば、旅行先の宿泊施設に潜むトコジラミを発見しやすくなります。

 

外見の特徴や見分け方

トコジラミは体長5~8mmほどの茶色い虫で、上から見ると丸く横から見ると平たい体型をしています。小さいですがノミ・ダニとは違い、目視で十分見つけることが可能です。

 

夜行性のため昼間は寝具や壁のスキマに隠れていますが、夜になると人間の呼気に含まれる二酸化炭素を感知して、就寝中の人間に近づき吸血します。トコジラミは人や動物の血液のみを栄養源としています。食事後は体が膨れ上がり、体の色が濃くなるのが特徴です。

 

潜伏場所には血糞という小さな黒いシミと卵が大量に見つかるので、トコジラミが隠れている一番の目印になります。血糞とはトコジラミが吸血した後に排泄するフンのことで、黒い小さな汚れが飛び散っているようにも見えます。水を含んだティッシュなどで拭き取ると、赤茶色い血のような色が溶けだすので、判別は比較的容易です。

 

卵は乳白色で大きさは1mmほど。卵のみを発見するのは難しいですが、血糞と同じ場所にあることが多く肉眼で確認が可能です。

 

トコジラミのメスは1日に5~6個産卵し、その卵は5日程度で孵化するといわれています。一匹のメスの生涯産卵数は200~500個にも及び、その高い繁殖力が被害を深刻化させているのです。

項目詳細
体長5mm~8mm
平べったく丸いかたち
茶色
特徴周りに血糞や卵が散乱している

 

トコジラミに刺されるとどのような被害が起きるか

トコジラミは人の肌を刺して吸血する際に唾液を注入します。その唾液がアレルギー反応を引き起こし、強いかゆみの症状が現れます。夜間に潜伏場所から出てきて就寝中の人を刺すので、肌が露出している首や手足は特に狙われやすいといえるでしょう。

 

初めて刺されたときはかゆみが出ず、何回か刺されることで強いかゆみが伴うケースが多いです。患部には赤い発疹が出て、かゆみが1~2週間ほど続きます。

 

あまりのかゆさに眠れず睡眠障害を引き起こしたり、蕁麻疹や発熱の症状に発展する場合もあります。症状がひどい場合は速やかに病院で診察してもらいましょう。

 

どのような場所に出没するか

狭くて暗いスキマを好むトコジラミは、普段は人目につかない場所に潜んでいます。体が薄く狭い場所でも入り込めるので、探すときは血糞や卵を手がかりにするとよいでしょう。宿泊施設の場合、以下のような場所で出没します。

 

・マットレスの継ぎ目

・枕やシーツの縫い目

・ソファのスキマ

・カーテンの折り目

・サイドテーブル

・クローゼット

・カーペット

・畳のスキマ

 

人の血を吸うためにベッド周辺に潜んでいるケースが多いです。気温25度、湿度60%以上の環境を好むため、エアコンが付いている部屋は季節を問わずトコジラミにとって快適な環境といえるでしょう。

 

ちなみに、トコジラミの発生は室内の清潔さとは関係がありません。どんなにきれいな施設でも、トコジラミが外から持ち込まれると繁殖する可能性があります。

 

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宿泊施設でトコジラミの発生が問題になる理由

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ホテルや旅館は海外からの宿泊者が頻繁に出入りするため、荷物や衣類に付着したトコジラミが持ち込まれやすい場所です。宿泊者は一定時間滞在するので、部屋にトコジラミが潜んでいると被害に遭いやすくなります。

厄介なのは、宿泊者がトコジラミの被害を受けることで起こる風評被害です。ここ最近ではSNS上で、トコジラミの被害報告の投稿が話題になりました。SNSで多くの人に被害が拡散されてしまうと、信用を失い宿泊キャンセルや宿泊者減少につながる恐れがあります。訴訟問題に発展する事例も報告されています。

 

さらにトコジラミは驚異的な早さで繁殖する害虫です。清掃スタッフやリネンを通じて、あっという間に各階に広がってしまうケースも少なくありません。駆除にかかる費用や営業停止による機会損失など、想像以上に被害が大きくなってしまうことも。

 

トコジラミの被害を防ぐためにできること

トコジラミの被害を防ぐためには、トコジラミの生態の把握や情報収集など、事前に備えることが大切です。ここではトコジラミの被害を防ぐためにできることを解説しています。

 

ベッドやソファのチェック

宿泊施設に到着して最初にすべきなのは、ベッドやソファにトコジラミの痕跡がないかチェックすることです。ベッドのシーツをはがして、マットレスの継ぎ目にカビが生えたような黒い汚れや卵がないか点検しましょう。

四隅やフチなどにトコジラミが隠れているかもしれません。ソファは見落とされがちですが、長時間座る場所なのでトコジラミが潜んでいる可能性があります。スキマや縫い目を入念に調べましょう。

 

床面に荷物を置かない

カーペットや畳などの床面はトコジラミが歩くかもしれないので、荷物を置くのは避けましょう。荷物に紛れ込んだトコジラミを家に連れて帰ってしまう可能性があるからです。トコジラミはプラスチックや金属などの表面がツルツルした所を登ることができません。鉄製の棚やスツールがあればその上に荷物を置きましょう。一番安全なのはバスルームです。入浴時以外はバスルームにスーツケースを保管するのもひとつの手段です。狭くてスペースがない場合は、大きなビニール袋に荷物を入れて固く結んでおけば侵入されることはありません。

 

虫除けスプレーを使う

就寝前にベッド周辺やスーツケースに虫除けスプレーを使用すると、トコジラミを近づけない効果が期待できます。トコジラミはクスノキから抽出される樟脳の香りが苦手です。樟脳は主に防虫剤の成分として使用されていますが、スプレータイプの商品も販売されています。殺虫剤の使用を避けたい場合は、樟脳が配合されたスプレーや、トコジラミに有効であると明記されている虫除けスプレーを選ぶとよいでしょう。

 

ネット等の口コミをチェック

宿泊施設を選ぶ際は予約サイトやブログに、トコジラミに関する口コミがないか確認することも大切です。虫刺されの被害が書き込まれているかもしれないので、口コミの文章をよく読んで、悪い評価がされていないか事前にチェックしましょう。海外旅行の場合はトコジラミマップを活用できますが、海外で作られたアプリなので使いづらいかもしれません。情報収集はネット等の口コミから行い、トコジラミの被害がなさそうな宿を選ぶことをおすすめします。

 

トコジラミを家に持ち込まない

旅行先から帰宅しても油断してはいけません。荷物や衣類と一緒にトコジラミを持ち込んでいる可能性があるからです。荷物は家の中ではなく玄関先で広げて、トコジラミが隠れていないか目視で確認しましょう。見つけた場合はガムテープや掃除機で捕獲し、家の中に入り込まないように徹底してください。衣類は熱乾燥機やスチームなどの熱処理を行うと、衣類に隠れているトコジラミを一掃することができます。

 

トコジラミは一度持ち込んで繁殖されてしまうと、自分たちの力で完全に駆除するのはほぼ不可能です。ご相談を受けたケースのなかには、家中の衣類をすべて廃棄するはめになったというものもありました。

 

万全の予防策を取って家に持ち込ませないのが大前提ですが、万が一トコジラミのよる被害が起きてしまった場合は、早急に駆除ザウルスまでご相談ください。当社では全国で害獣・害虫に関するご相談を承っております。

 

集合住宅や店舗全体の駆除も得意としております。ご事情に合わせて最適な駆除計画をご提案いたしますので、どうぞご安心ください。

 

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コラム監修者 プロフィール
内田翔
内田 翔(うちだ しょう)

AAA ALLIANCEグループ 取締役 本部長。
「害虫バスター」としてメディア出演、ニュース、番組協力多数。

【駆除ザウルス メディア出演歴】
日本テレビ「news every.」「世界一受けたい授業」、NHK「クローズアップ現代」、テレビ朝日「スーパーJチャンネル」、フジテレビ「とくダネ!」、TBS「あさチャン!」「ジョブチューン」他多数。

害獣駆除歴約20年を誇るスペシャリスト。「建物の医者」としてお客様の安心・平穏を取り戻す為に最善の施工を実施。