こうもりの鳴き声ってどんな音?生態や見分ける方法を解説
夕方から夜にかけて目撃されることが多いこうもりは、家屋に侵入してフン害を起こしたり、さまざまな疫病の媒介者としても知られています。こうもりは集団で生活していますが、どのような鳴き声を出しているのか知っているという方は、意外と少ないのではないでしょうか。
この記事ではこうもりの鳴き声や生態について解説するとともに、間違えやすい害獣との見分け方についても紹介しています。
目次
こうもりの鳴き声は普段聞こえない
こうもりは超音波を発して、跳ね返ってきた音で物体との距離を測っています。この能力を「エコーロケーション(反響定位)」といいます。超音波は周波数が高く、聴覚の発達した動物にしか聞き取ることができません。そのため、人間にこうもりの鳴き声が聞こえるケースはごくまれです。
例外として、オヒキコウモリという種類のこうもりは、人間にも聞こえる鳴き声を発します。日本全域に生息していますが、普段は岩のスキマや洞窟に潜んでいます。生息数も少ないので、オヒキコウモリが人間の生活圏に出没することはほとんどありません。
住宅地でこうもりのような声を聞いたというお声をよく耳にしますが、こうもりの鳴き声は普段人間には聞こえないので、こうもりではなく他の害獣であると考えるほうが自然でしょう。
まれに人間に聞こえる声で鳴くこともある
普段こうもりの鳴き声を聞く機会はほぼありませんが、威嚇した時に上げる鳴き声は人間の耳に届くこともあります。こうもりは危険を察知すると「キィキィ」「チチチチ」と甲高い声で敵を威嚇するのです。
ただし、威嚇時の鳴き声だけではこうもりとは断定できません。羽音や活動音が聞こえないか、近くにフンらしきものが落ちていないかなど、家の周囲にこうもりが生息している痕跡がないのか確認することも大切です。
こうもりの生態
日常ではあまり鳴き声を聞くことのないこうもりですが、生態もあまり知られていません。住宅地で暮らすこうもりは、どのような生活をしているのでしょうか。ここでは、謎の多いこうもりの生態を解説しています。
日本に生息するこうもり
世界には約980種類ものこうもりが生息しているといわれています。そのうち日本にいるこうもりは34種類ほどです。体長3cm~6cmほどの小型のこうもりから、20cm~28cmにもなる大型のこうもりまで、多種のこうもりが確認されています。絶滅危惧種に指定されいて、生態が明らかになっていない種類も多いです。
こうもりの飛んでいる姿は鳥のようですが、鳥類ではありません。空を飛ぶことのできる、唯一の哺乳類なのです。翼は羽毛ではなく、人間の手のような5本の指と、飛膜と呼ばれる伸縮性のある薄い皮膚で構成されています。飛膜にある筋肉で翼を自在にコントロールして飛び回っているのです。
生息地は、先にも解説したオヒキコウモリを含め、大半のこうもりが洞窟や森林などで暮らしています。岩や樹木に逆さにぶら下がっている姿は、よく知られているのではないでしょうか。こうもりは足の力が弱く、ぶら下がっている方がくつろげるのです。
住宅地に現れるこうもりは、アブラコウモリとヒナコウモリの2種類のみです。ただし、ヒナコウモリは生息数が非常に少なく、目撃することはめったにありません。普段住宅地で見かけるのはアブラコウモリがほとんどでしょう。
こうもりの食性
身近に生息しているアブラコウモリ含め、ほとんどの種類は昆虫を主食としています。夜行性のため日没後から明け方にかけて、飛んでいる蚊やハエ、ゴキブリなどを捕食します。害虫を食べてくれることから、益獣として日本では古くから「幸盛り」「幸守り」と字が当てられ幸運のシンボルとされていた一面も。
なお、日本南部の離島には、果物を主食とするオオコウモリという種類が生息しています。ちなみに、吸血コウモリは日本には生息していませんのでご安心ください。
こうもりのフンの特徴
アブラコウモリのフンは5mm~10mmほどの大きさです。色は黒〜茶色で細長くよじれたようなかたちをしています。昆虫が主食のため水分が少なくぱらぱらと乾燥しており、触ると崩れやすいです。
一晩で何百匹もの昆虫を捕食するため、その分大量のフンを排泄します。身体を軽く保つために消化が非常に早く、消化器官を通過するのに45分程度しかかかりません。
こうもりは集団で暮らしているので、ねぐらの床がフンで埋め尽くされてしまうのです。屋根裏やベランダ、玄関前などにフンが落ちていれば、こうもりが住宅に侵入しているかもしれません。
こうもりとネズミの見分け方
こうもりとネズミは意外と共通点が多く、こうもりかと思ったら実はネズミだったというケースがよくあります。両者は住宅に侵入して同じような場所に住み着くため、見分けるのは容易ではありません。こうもりとネズミに相違点はあるのでしょうか?
鳴き声の違い
こうもりとネズミの鳴き声はよく似ていて、聞き分けるのは非常に難しいです。ネズミは「チューチュー」と鳴くイメージがありますが、実際は「キーキー」「チッチッチッ」とこうもりに似た甲高い声を発します。
こうもりの鳴き声は超音波なので、威嚇音以外は人間の耳に届きません。しかしネズミの鳴き声は、人間でも容易に聞き取れます。頻繁に鳴き声が聞こえる場合は、ネズミの可能性が高いでしょう。
また、鳴き声がする時間帯にも注意しましょう。こうもりは夜行性のため、昼間は活動せずにじっとしています。ネズミも基本的には夜行性ですが、食料を求めて昼間でも活動する場合があります。昼夜問わずに鳴き声が聞こえるという場合も、ネズミである可能性が高いです。
フンの違い
フンの大きさはこうもりもネズミも5mm~10mmほどで、ほとんど変わりません。形もよく似ているので判別が難しいですが、それぞれのフンには以下のような特徴があります。
こうもりのフン | ネズミのフン | |
形 | 細長くよじれている | 楕円形 |
色 | 黒~茶色 | 茶色、灰色 |
質感 | 乾燥して崩れやすい | 湿っていてベタつく |
特徴 | 一か所に大量に落ちている | いたる所に散らばっている |
活動音の違い
こうもりとネズミの一番の違いは活動音です。こうもりは夜になると飛び回るため「バサバサ」と羽音が聞こえます。一方、ネズミは屋根裏を走り回るので「トトトトッ」と足音がするのが特徴です。また、ネズミはあらゆる物をかじる習性があるので「ガリガリ」と音を立てます。
何かをかじっているような音が聞こえたら、家の柱や壁、コンクリートがかじられているかもしれません。被害のさらなる拡大を防ぐため、早急な対応が必要です。
こうもりを放置することで起きる被害
体が小さなアブラコウモリは、わずかなスキマでも簡単に住宅に侵入してしまいます。住宅内で繁殖してしまうと、さまざまな被害を及ぼします。ここでは、こうもりの侵入を放置することで起きる被害について解説しています。
鳴き声や活動音による騒音被害
こうもりの鳴き声が聞こえなかったとしても、羽音による騒音被害は避けられません。こうもりは夜に活発に飛び回り、住み着いた家屋を頻繁に出入りします。繁殖して50~100匹ほどまで増えるケースもあり、その活動音は凄まじい騒音となるでしょう。騒音が原因で、睡眠不足やストレスなどの健康被害を招く恐れもあります。
フン尿による家屋への被害
こうもりのフン尿が天井裏に蓄積されると天井のシミの原因となります。また、フン尿が建材にしみ込んで腐食し、最悪の場合、天井が抜け落ちてしまうことも。フン尿を放置することで、悪臭やカビの発生はもちろん、ハエやゴキブリなどの害虫も呼び寄せてしまいます。家屋全体が不衛生となり、皮膚疾患やアレルギーを引き起こしてしまう可能性もあるでしょう。
寄生虫や病原菌を媒介する
こうもりは、あらゆる病原菌や寄生虫を媒介する動物として知られています。狂犬病や日本脳炎などの恐ろしいウイルスを保有している可能性もあり、予想外の病気を発症してしまう危険性があります。こうもりやフンに直接触れるのは絶対にやめましょう。抵抗力の低いご高齢の方やお子様、ペットと同居している方は特に注意が必要です。
こうもりの被害を防ぐにはどうしたらいい?
こうもりの被害を防ぐために大切なのは、侵入させない環境作りです。自分たちでできる対策として、比較的簡単に始められるのが忌避剤やライトを使ったこうもり除けです。ただし、効果が薄かったり、一時的な効果しか得られなかったりすることも少なくありません。
こうもりは、冬眠の習性や駆除に適さない時期があるため、生態を熟知していなければ追い払うのが非常に難しい害獣です。また、鳥獣保護法の対象となっている動物でもあるので、許可なく捕獲したり殺したりすると罰せられる可能性があります。
こうもりの駆除は、害獣駆除のなかでも比較的難易度の高い作業です。こうもりを確実に追い出して現場を安全に清掃し、二度と再侵入させないようにするには、プロの害獣駆除業者に相談するのもひとつの手段です。
駆除ザウルスでは、現場経験豊富なスタッフが最新の駆除アイテムと豊富な専門知識をもって、安全確実にこうもりの駆除作業を行っています。築年数が経った古民家や寺院などの害獣駆除も多数経験しております。他社で断られた案件も、どうぞお気軽にご相談ください。
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