ハクビシンの足跡を見分ける方法はある?他の動物との比較も
庭先や畑に残された見慣れない足跡。天井裏でガサガサ音がする……こういった現象に心あたりはありませんか?
住宅地や畑に現れる生き物は、畑の作物を喰い荒らしたり家屋に侵入してフンをするなどの被害を引き起こすことがあります。しかし警戒心の強い動物の姿をはっきりと見ることは難しいため、種類が特定できないケースも。
この記事ではハクビシンの足跡や生態とともに、農耕地や人間の生活エリアに姿を見せる動物の足跡との違いもまとめました。
目次
ハクビシンの足跡の特徴
ハクビシンの足跡は以下のような特徴を持っています。
・丸い指球が5つある
・肉球の形は丸みを帯びた四角形に近い形状
・指球の上に爪の跡がついている
・足跡のサイズは4~5cm程度で、後足のほうが若干長い
足跡が発見された場所も重要なポイントです。ハクビシンは樹木や外壁に登るのが得意な生き物です。そのため、以下の場所で足跡や引っかいたような傷が見つかった場合は、ハクビシンの可能性が高くなります。
・樹木の根元
・外壁や積まれた荷物の付近
・天井裏や屋根瓦
・バルコニーや雨どい
ハクビシンと間違えられやすいタヌキやアナグマは木登りができないため、これらの場所に足跡が残っているかどうかで動物の種類を絞り込めます。
ハクビシンと他の動物の足跡の違い
残された足跡を判別する際に、ハクビシン以外の生きものがどのような足跡を残すのか把握することも重要なポイントです。ここでは、農耕地や市街地に姿を見せる動物の足跡を、ハクビシンの足跡と比べてみたいと思います。
タヌキ
日本に古くから生息しているタヌキは体長約50cm〜70cmの大きさで、ハクビシンとよく似た体格です。先端が黒く太いしっぽとずんぐりした体型が特徴です。
タヌキの足跡には以下のような特徴があります。
ハクビシンの指の数が5本なのに対してタヌキの指は4本、肉球も三角形に近く、形はあまり似ていません。大きさも約3cm~4cmとハクビシンよりひと回り小さいです。
また、タヌキは高い場所へ登るのが得意ではないので、果樹やバルコニーなどには現れにくいという違いもあります。
アライグマ
アライグマは北アメリカから持ち込まれた外来種が、日本で野生化して全国に広がったものです。ハクビシンより少し大きめで、しっぽ込みの体長は約60cm~100cmほどです。
アライグマの足跡はかなり特徴的で、人間の子どもの手形のようにも見えます。
サイズは約6cm~7cmでハクビシンより大きめ。指球と肉球がつながった先に爪の跡がつき、後ろの足跡のほうが若干大きく細長い形をしています。
体のシルエットはハクビシンと似た部分もありますが、足跡は独特の形状なので見間違えること少ないでしょう。
イタチ
イタチは細長い体型と短い足、太いしっぽを持つイタチ属の動物です。体長は約20cm~40cm、足跡は約2cm~3cmとハクビシンよりも小さいのが特徴です。
体重が軽いので、乾いた土や草むらでは足跡がはっきり残らないケースも少なくありません。その場合は爪の跡だけが残っていることが多いようです。
イタチの指の数は5本でハクビシンと同じですが、肉球の形は三角形に近く、つるんとした四角形に近いハクビシンのものとは大きく異なります。
ネコ
ハクビシンはジャコウネコ科で、分類上はネコと近い動物だとされています。体格やジャンプ能力など似ている部分もありますが、足跡の形状は大きく異なります。
ネコの指は4本で肉球は三角形に近い形をしています。普段は爪を引っ込めているので、爪の跡が残ることもありません。
特に肉球の大きさと形に違いが出ているので、見分ける際の参考にすると良いでしょう。
アナグマ
アナグマはイタチ科の動物で、全長は約50〜80cmとハクビシンよりも大柄です。丸っこい体形と目の周りの黒い模様が特徴です。
アナグマの指の数は5本、肉球の形が四角形に近いなどハクビシンと共通した部分もありますが、大きさは約5cm~7cmとアナグマのほうが大きめです。見た目の感じでは、アナグマの足跡のほうが横広い印象を受けます。
動物の足跡まとめ
大きさ | 指の数 | 肉球 | 爪の跡 | 木や壁に登るか | |
ハクビシン | 4cm~5cm | 5本 | 四角形に近い | つく | 登る |
タヌキ | 3cm~4cm | 4本 | 三角形に近い | つく | 登らない |
アライグマ | 6cm~7cm | 5本 | 指球と肉球が一体化している | つく | 登る |
イタチ | 2cm~3cm | 5本 | 三角形に近い | つく | 登る |
ネコ | 3cm~4cm | 4本 | 三角形に近い | つかない | 登る |
アナグマ | 5cm~7cm | 5本 | 四角形に近い | つく | 登らない |
ハクビシンの生態
ハクビシンはジャコウネコ科の動物です。灰色の体毛と黒い足、「白鼻芯(ハクビシン)」の名前の由来にもなった鼻の白い模様がポイントです。体長はしっぽ込みで約90〜110センチ、体重は約4kg程度でネコより少し大きめです。
バランス感覚に優れており、木を登ったり電線を伝って歩く姿が目撃されることもあります。
ハクビシンの性質
ハクビシンは基本的には臆病で、人間の気配や異変を感じるとすぐに逃げ出します。天井裏や人の来ない納屋などの薄暗くて静かな場所を好み、自分から攻撃してくることはほとんどありません。
しかし危険を感じると反撃してくることもあるので、不用意に近づくのは禁物です。
ハクビシンの生息地
ハクビシンの生息地は人の少ない山間部から都市部まで、広範囲にわたっています。現在は日本のごく一部を除いて全域に生息していますが、特に東北地方や関東地方、四国地方に生息数が多いといわれています。
ハクビシンの食性
ハクビシンは果物や野菜を好みますが、基本的に雑食です。昆虫や両生類、鳥類、生ゴミなどなんでも食料にしてしまいます。
そのなかでも甘い果物が好物なので、家庭菜園や農業をしている方はハクビシンによる被害に注意が必要です。木登りが得意なので果樹のてっぺんから食い荒らされ、気が付いたら被害が拡大していたというケースも少なくありません。
ハクビシンのフン
ハクビシンのフンは約5cm~15cmほどで、ネコや小型犬のものとあまり変わらない大きさです。形もよく似ていますが、ハクビシンのフンには果物の種が多く混ざっているという特徴があります。
そしてもうひとつの特徴が「ためフン」と呼ばれる習性です。これは1か所にまとめて排泄するという習性で、複数の個体が同じ場所にフンと尿をします。
ハクビシンのフンはあまり臭いがきつくないのですが、尿の臭いはかなり強烈です。ハクビシンによる被害のなかでも、かなり厄介なものといえるでしょう。
ハクビシンを放置することで起きるデメリット
ハクビシンらしき足跡を見かけたが、姿も見えないしもう少し様子を見ても……と後回しにした結果、被害が拡大してしまったというケースがよくみられます。
ここでは、ハクビシンを放置することで起きる主なデメリットをまとめました。
家屋へのダメージ
ハクビシンは静かで薄暗い環境を好むため、天井裏に住み着いて繁殖することがあります。同じ場所で排泄するためフンにより、天井裏に排泄物が堆積することで建材に深刻なダメージを与えてしまうのです。過去には天井板が腐食して崩壊し、大規模なリフォームが必要になった事例もありました。
また、ハクビシンが巣作りをする際に断熱材を引きちぎったり、配線を噛んだりすることもあります。配線の破損は停電だけでなく火災の原因にもなります。
自分の家だけでなく近隣にまで多大な被害を与えることになりますので、早急な対応が必要です。
悪臭や汚染による健康被害
野生動物であるハクビシンの体には、大量のダニやノミ、病原菌が付着しています。それが人間に寄生することでアレルギー反応や皮膚疾患を引き起こす可能性があります。
また、天井裏に堆積した糞尿は凄まじい悪臭を家中に充満させます。特にハクビシンの尿は臭いがきついため、フン尿を取りのぞいても臭いが残るケースが少なくありません。悪臭によるストレスで体調を崩してしまったというお声もよく耳にしました。
ハクビシンは疥癬を媒介する
ハクビシンをはじめとする野生動物の多くは、ヒゼンダニに寄生されています。このヒゼンダニは疥癬という皮膚病を引き起こし、人間やペットに感染します。
疥癬に感染すると1~2ヶ月の潜伏期間を経て、かゆみや赤い発疹、皮膚の硬化やかさぶたのような症状が現れるのです。ペットの場合は毛が抜けて皮膚がボロボロになってしまいます。
疥癬の根絶は非常に難しく、病院や老人介護施設で発生すると集団感染へと発展することもあります。抵抗力の弱い方に感染すると、腎障害を起こして死亡する可能性も考えられます。被害の拡大を防ぐため、早急な対応が必要です。
作物やペットへの被害
ハクビシンは野菜や甘い果物を好みます。地植えの作物だけでなく、高い木にも登って果物を根こそぎ食い荒らしてしまうのです。
見える範囲が無事なので油断していたら、高いところになっていた果実が食われていたというケースも少なくありません。作物への被害を防ぐためには、地域が一体となって害獣駆除に取り組むことが必要です。
ハクビシンを自分で駆除することは可能か?
ハクビシンは鳥獣保護法の対象になっており、自治体の許可なしに殺傷することはできません。また、1個体を排除したとしても再侵入に対する対策が不十分だと、別の害獣が入ってきて同じ結果をくり返すことになってしまいます。
そのため、害獣駆除は捕獲ではなく、追い出しと再侵入防止を主軸に進めていくのが基本です。
害獣の侵入を防ぐ忌避剤やLEDライトは、ホームセンターなどで購入することが可能です。しかしフン尿で汚染された場所に入って作業をするには、防塵マスクやゴーグルといった装備が必要です。設置後の清掃も非常に心理的ハードルの高い作業といえるでしょう。
・ハクビシンを確実に追い出す
・汚染物の除去、殺菌消毒、ダメージの修復
・経路を完全に塞いで再侵入を防ぐ
これらを確実に遂行するなら、プロの害獣駆除業者に依頼するという選択肢もあります。
駆除ザウルスは豊富な業務経験と専門知識でハクビシンを確実に駆除し、二度と近づけさせない対策をご提案いたします。
過去に他業者に依頼したが再侵入されたという方や、害獣の種類が特定できていないという方も大歓迎です。業務経験豊富なスタッフが、個々のケースに合わせて最適な駆除方法で対応いたします。どうぞお気軽にご相談ください。
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