野生のアライグマに触れるのは危険?生態や被害を解説

アライグマはその可愛らしい仕草や外見から、動物園でも人気の高い動物のひとつです。しかし住宅地や山間部に出没する野生のアライグマは、食害やフンといったさまざまな被害をもたらす害獣でもあります。

この記事では野生のアライグマの生態や危険性、被害を防ぐための対策について解説しています。

 

アライグマは本来外来種

野生のアライグマに触れるのは危険?生態や被害を解説 アライグマ1

実はアライグマは北米原産で、もともと日本には生息していませんでした。アメリカやカナダ南部に生息していたものが1970年代に輸入され、動物園などで飼育が始まりました。その当時は個人がペットで飼うことも許可されていたため、相当数が輸入されたものと考えられています。

しかし獰猛な性質で人になつきづらいアライグマは、器用な手先を活かして檻の鍵を開けて脱走してしまうケースが多々ありました。また、飼育の難しさに困った飼い主によって捨てられるケースも少なくなかったようです。

 

日本の野山に放たれたアライグマは、野菜や小動物なんでも食べる雑食の性質や繁殖力の強さを活かして日本の環境に適応していきました。アライグマの天敵である大型猛禽類などが日本に少なかったことも、個体数を増加させる要因と考えられています。

 

個体数が増加するとともに農作物や家畜への被害が拡大したことから、アライグマは2005年に特定外来生物に指定されました。特定外来生物に指定されると、以下のような事項が禁止されます。

 

外来生物法で禁止されていること

1 アライグマを飼育する
2 許可なく生きたまま運搬、保管する
3 許可なくアライグマを海外から輸入する
4 許可なく野外に放つ
5 許可を得てない者へ引き渡すこと

 

しかし野生のアライグマの生息数は年々増加傾向にあるとみられており、対策を講じなければ10年で約50倍まで増加するという試算もあります。野生のアライグマ対策は急務といえるでしょう。

 

アライグマの生態

野生のアライグマはどのような習性を持ち、何を食べているのでしょうか?ここでは、アライグマの基本的な生態について解説しています。

 

太いしっぽと器用な手先が特徴

アライグマは、アライグマ科アライグマ属の動物でです。体長は約60cm~100cm、体重は約2kg~10kgで、ネコや小型犬、外見でよく間違われるハクビシンよりもやや大きな体格をしています。

身体は黒っぽい赤褐色で、目の周囲に黒い帯状の模様があるのがポイントです。そしてアライグマを判別するうえで最も特徴的なのが、ふさふさとしたしっぽです。約20cm~40cmで黒い縞模様が入っており、遠くからでも見分けやすいでしょう。

 

足は短くてがっしりとしており、手先が非常に器用です。前足を使って容器のふたを開けたり、複雑な構造のゴミ箱をこじ開ける姿が目撃されることも。足跡は人間の子どものような形状で、ハクビシンやタヌキとも大きく異なります。

 

見た目に反して気性は荒い

アライグマは可愛らしい見た目に反して非常に気性が荒く、攻撃性の高い動物です。鋭い牙と爪を持ち、不用意に手を出して反撃されると大きなけがを負う可能性も。運動能力も高いため、高い防護柵を越えたり、狭いすき間から侵入して農作物やペットを狙うこともあるのです。

アライグマは野菜や果物だけでなく小鳥や小動物、両生類を狩って捕食するハンターでもあります。

自分より大きなニワトリやウサギに襲いかかる好戦的な面もあるため、人間に遭遇しても恐れずに威嚇し、危険を感じたら鋭い爪や牙で攻撃を仕掛けてくる可能性があります。

特に繁殖期のアライグマは非常に気が立っているので、不用意に近づいたり触ろうとするのは絶対に避けましょう。

 

とにかく何でも食べる

アライグマは雑食の動物で両生類から鳥類、小型哺乳類、果物や植物など、実に多種多様なものを食べます。

畑や家庭菜園で育てられている野菜や果物は、アライグマにとっては大好物のひとつです。

食べられるものは何でも食べるので、家庭から出された生ゴミや廃棄農作物も食料にしてしまいます。

日本の在来種であるトウキョウサンショウウオやニホンザリガニを狩り尽くしたり、アオサギやタンチョウの繁殖地を襲撃するなど、生態系に大きな影響を与えることが問題になっています。

 

ためフンの習性がある

アライグマのフンは直径約2~3cm、長さは約5~18cm程度で、ハクビシンやネコと同じくらいの大きさです。ハクビシンのフンには果物や野菜の種が混じっているのに対し、アライグマのフンには動物の骨や昆虫の羽が含まれているのが特徴です。

基本的には天井裏や納屋の隅などで巣作りや排泄を行いますが、他の動物と比べて目立つところでフンをする傾向もあります。バルコニーや庭先、畑の横などでフンが目撃されることも。

さらにアライグマは、一箇所にフンをまとめる「ためフン」という習性があります。フンや尿が1か所に堆積するので凄まじい悪臭が周囲に充満します。悪臭や家屋へのダメージだけでなく健康被害も引き起こすため、早急な対応が必要です。

 

アライグマ駆除|駆除ザウルス01

 

野生のアライグマが引き起こす被害

野生動物が人間の生活エリアに入ってくることで、さまざまな被害が引き起こされることがあります。ここでは、野生のアライグマによる被害を解説しています。

野生のアライグマに触れるのは危険?生態や被害を解説 アライグマ2

病気を媒介する可能性がある

アライグマには人間にとって脅威となる病原菌や寄生虫が、多数付着しているおそれがあります。アメリカで2010年に発生した狂犬病は、アライグマが媒介したことが判明しています。

日本ではこういった例は報告されていませんが、狂犬病は一度発症すると致死率がほぼ100%といわれている、非常に恐ろしい疾患です。

アライグマは狂犬病に感染していても、他の動物に比べて生存期間が長いため、周囲への感染リスクが高まります。その間に人間やペットへ感染が広がると、事態はより深刻になっていくといえるでしょう。

 

ダニやノミによる被害も

アライグマには、数多くのダニやノミが寄生しています。アライグマが天井裏や床下に住み着いた場合、天井や畳のすき間からダニやノミが侵入して人間やペットに被害を与えることになります。

ノミやダニに血を吸われると赤い斑点や水ぶくれができ、非常に強いかゆみが全身を襲う皮膚疾患を引き起こします。また、死骸が原因でアレルギーや気管支喘息にかかる可能性もあるのです。

それだけでも厄介ですが、さらに深刻な疾患としてヒゼンダニの引き起こす疥癬症が挙げられます。多くのアライグマにはヒゼンダニが付着しており、人間や動物に寄生すると強いかゆみや皮膚の角質化、脱毛などが起きます。

皮膚の中に産卵するので根絶が非常に難しく、重症化すると搔きこわした部分から雑菌が入って二次感染に発展したり、腎障害を起こすこともあるのです。

人から人に感染するので、被害が思わぬ規模に発展してしまう可能性も考えられます。

 

屋根裏に住み着いて家屋にダメージを与える

住宅の天井裏や床下はアライグマにとって、風雨をしのげる理想的な隠れ家です。天井裏にアライグマが住み着くと、家屋に大きなダメージを与えることがあります。

特にフン尿の被害は非常に厄介で、場合によっては建材や天井板が腐食してしまい崩落する危険性も考えられるのです。そうなると家屋全体に大規模な消毒やリフォームが必要になり、必要な金額や労力も跳ね上がります。

また、配線を噛みちぎられることで、停電や火災の危険性もあるので早期の対応が必要です。

 

農作物や家畜などへの被害

アライグマは雑食性の動物です。野菜や甘い果実が植えられた畑や果樹園は、アライグマにとって絶好の食料源となってしまいます。

北海道帯広市が発表したデータによると、北海道内で起きたアライグマによる農業被害は2021年度だけで1億4900万円に達したそうです。これは農地で起きた被害を集計したもので、家庭菜園などの被害は含まれていません。つまり実際の被害は、報告された数字以上に広がっていると考えて良いでしょう。

生態系への影響

アライグマは運動能力が非常に高く、木登りも泳ぎも得意です。日本に定着してから固有種は次々と捕食され、生態系に大きな影響を与えています。

シマフクロウやエゾサンショウウオ、アオサギなどの在来種がアライグマの捕食によって減少が確認されており、将来が懸念されています。

 

アライグマ駆除|駆除ザウルス01

 

アライグマの侵入を防ぐためにできること

野生のアライグマに触れるのは危険?生態や被害を解説 アライグマ3

アライグマの被害を防ぐための最も効率的な方法は、被害が起きにくい環境を作ることです。アライグマにとって居心地が悪く、ここにいても良いことはないと思わせるのが一番です。

ここでは、アライグマの侵入を未然に防ぐためにできる対策をご紹介します。

 

侵入経路を塞ぐ

アライグマを寄せ付けないためには、侵入ルートを完全に塞いでしまうことが大切です。以下のような場所は、アライグマがよく侵入してくる場所です。すぐにチェックしてみましょう。

・天井裏のスキマ

・電柱の引き込み口

・換気口

・外壁にある穴

・基礎部分のスキマ

 

穴などを発見したら金属板や金網、パテなどで完全に塞いでしまいます。アライグマは約10cmのスキマがあれば侵入可能だといわれています。

また、力が強く手先も器用なので設置が甘いと外されてしまうことも。念には念を入れて、しっかり頑丈に塞いでおくことが大切です。

 

忌避剤を撒いておく

天井裏や床下など、アライグマが住み着きそうな場所にあらかじめ忌避剤を撒いておくのも効果的です。忌避剤の効果は一時的ですが、侵入経路を塞ぐまでの繋ぎにはなるでしょう。

定期的に忌避剤を撒くことで、臭いに敏感なアライグマはその場所を嫌って近づかなくなります。

 

アライグマの餌になるものを置かない

アライグマの餌になってしまう廃棄農作物や生ゴミを屋外に保管しないようにし、収穫前の果樹や野菜にはネットをかけたり、電気柵の設置も検討しましょう。

アライグマが隠れる場所をなくすため、定期的に雑草を刈り、不要な廃材などは撤去しておくことをおすすめします。

 

定期的に巡回する

誰も住んでいない空き家など、人の出入りが少ない場所はアライグマが侵入していても気づきにくいものです。

定期的に巡回して空気を入れ替えたり、センサーライトを設置するなどアライグマが侵入しないような対策を講じることが重要です。

 

野生のアライグマ駆除なら当社におまかせください

駆除ザウルスでは、アライグマの駆除や再侵入防止に関するご相談を承っております。

「本当にアライグマの被害なのか分からない」「以前、別業者に依頼したがまた侵入されてしまった」などのご相談も大歓迎です。

お客様のご事情や周囲の環境に合わせて、最適な駆除計画をご提案いたします。お困りの方は、ぜひ当社までご相談ください。

 

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アライグマ駆除|駆除ザウルス01

 

コラム監修者 プロフィール
内田翔
内田 翔(うちだ しょう)

AAA ALLIANCEグループ 取締役 本部長。
「害虫バスター」としてメディア出演、ニュース、番組協力多数。

【駆除ザウルス メディア出演歴】
日本テレビ「news every.」「世界一受けたい授業」、NHK「クローズアップ現代」、テレビ朝日「スーパーJチャンネル」、フジテレビ「とくダネ!」、TBS「あさチャン!」「ジョブチューン」他多数。

害獣駆除歴約20年を誇るスペシャリスト。「建物の医者」としてお客様の安心・平穏を取り戻す為に最善の施工を実施。