東京のネズミは増えている?相談件数が急増した原因

近年、東京都内でネズミの目撃情報や被害相談が増加しており、多くの住民や飲食店経営者が頭を悩ませています。

東京のネズミは増えている?相談件数が急増した原因 ネズミ1

かつては飲食店がひしめき合う繁華街を中心とした問題と考えられていたネズミ被害ですが、現在では住宅街にまで広がりを見せています。

なぜ東京のネズミは増え続けているのでしょうか。以下では、相談件数の推移やネズミの生態、都市環境の変化など、多角的な視点からこの問題を掘り下げていきます。

東京ではネズミの相談件数が10年で倍に

東京都ペストコントロール協会によると、ネズミ被害に関する相談件数は2013年の1,860件から2023年には3,629件へと10年間で約2倍に急増しました。

この増加の背景には、ネズミの高い繁殖力や温暖化に加え、コロナ禍収束後に飲食店が営業を再開したことで生ゴミが増えたことが大きな要因として挙げられています。

特に東京23区内の繁華街を中心に相談が増加しており、家屋やビル内ではクマネズミ、屋外ではドブネズミが多く見られます。クマネズミは体長約15センチと小型で警戒心が強く駆除が困難な一方、ドブネズミは約20センチで凶暴な性格が特徴です。両種とも雑食性で、飲食店や家庭から出る生ゴミを餌としています。

東京ではどんなネズミが増えている?

都市部で特に問題となりやすいネズミの種類は、ドブネズミとクマネズミの2種類です。

ドブネズミは、コンクリートで舗装された地面に穴を掘って巣を作ったり、建物の裂け目や隙間などに生息する傾向があります。

一方でクマネズミはドブネズミと比較すると体が小さく、非常に警戒心が強い性質を持っているため、駆除作業が困難な種類です。特に繁華街だけでなく住宅やマンションなどの建物内部でも被害に遭うケースが多く見られます。

これら2種類のネズミはともに、人間が食べるものであればほぼ何でも食べてしまう雑食性です。また繁殖力が非常に高く、生後わずか3カ月程度で繁殖が可能となり、一度の出産で数匹程度の子どもを産むことができます。

ネズミは屋内に侵入すると食べ物をかじったり、ゴミ箱をあさったりするなど、住環境にさまざまな影響を与えます。

加えてネズミの体に寄生しているイエダニによる吸血被害が発生し、それによって感染症を媒介する危険性もあるほか、電線やコード類をかじってしまったり、そこにネズミの尿がかかることで漏電が発生し、最悪の場合には火災につながる危険性もあるなど我々の生活環境を脅かしかねない存在です。

 

身近なネズミの特徴

私たちの生活範囲に生息するネズミは主に以下の三種類です。

その色や大きさ、行動特性などに違いがあることがわかります。

 

 クマネズミドブネズミハツカネズミ
体色褐色褐色灰色がかった褐色系統の色合い
体長15~23cm程度22~26cm程度6~9cm程度
特徴高い場所や天井裏などへも容易に移動できる。非常に警戒心が強い性質で、駆除が困難床下や地下、下水溝や排水設備などの場所に多く生息。どう猛で攻撃的な性格で、よく鳴き声を発する都心部や繁華街よりも郊外や農村地域に多く分布している。比較的警戒心が低い性質

 

東京や都市部のネズミ変遷

東京都に住むネズミは、農村地帯が広がっていた高度成長期以前はハツカネズミも広く分布していたと考えられます。

そうした農村の風景が次第に変化していった1950年代から1960年代にかけ、東京や大阪などの都心部ではドブネズミの割合が年々増加していきました。例えば東京では1953年に56%、1960年に72%、1965年には81%へと増加しています。

この増加の主な要因は、下水道・下水溝の普及、ゴミ処理手段の改善、家屋構造の改善、食品管理の改善など、都市化に伴う環境変化です。

特に下水道の普及はドブネズミの分布拡大を促し、遊泳力に優れるドブネズミにとって移動通路、餌場、飲み水の供給源となりました。

ただし注意すべき点は、ドブネズミ「数の割合」は増加したものの、生息数自体は必ずしも増加せず、むしろ減少したことを示唆する事例が多く見られることです。

一方、都市化が進む中でも大型ビルにはクマネズミが残存していました。1955年の大阪市内の大型ビル調査では、クマネズミが総捕獲数の87%を占め、ドブネズミは地階のみに生息し13%にとどまっていました。

 

クマネズミの数が都市部で増加

1990年代に入ると、東京都心部ではビル街だけでなく住宅街にまでクマネズミが広がる兆候が見られるようになりました。

この現象が最初に明らかになったのは品川区で、ネズミに関する相談件数が1993年の200件未満から1996年には833件へと急増し、そのほとんどがクマネズミに関するものでした。相談は区内全域から寄せられ、戸建て住宅・集合住宅を問わず被害が広がっていました。

住宅街では、戸袋の隙間や空調機器の配管周囲、外壁と内壁の隙間などが侵入口や営巣場所となり、ゴミ集積所の残飯やペットの餌が餌源となっています。

参考:〔Med .Entomol.Zool. Voi.48 No .4 p.285 −294 1997 〕 「都市 に お け る ド ブ ネ ズ ミ と ク マ ネ ズ ミ の種類構成 の 変動」矢 部 辰 男

 

都市部のネズミと人の戦い

駆除ザウルス公式HP
 ネズミ2

都市部でネズミ相談が増加している主な理由は、駆除しやすいドブネズミから駆除が困難なクマネズミへと優占種が変化したことです。

先ほど述べた研究が行われた当時、クマネズミ増加の要因について十分な研究が行われていませんが、彼らがその数を増やしたのは繁華街の再開発もその一因のようです。

クマネズミは気密性の高いビル内で繁殖し、1990年代の繁華街再開発に伴い住宅街へ移動しました。警戒心が強く市販の殺鼠剤も効きにくい体質であったことからその数を増やし、現在は自治体が受ける相談の9割以上がクマネズミによる被害となっています。

現在では高齢者世帯での被害も増加していますが、これは加齢による身体機能の低下で適切な家の管理やゴミ処理ができないことが一因と考えられています。

さらに、24時間化した都市活動により残飯や廃棄物が放置され、ネズミの餌場が拡大しました。

かつて地域単位で行われていたネズミ駆除活動は個人単位へと変化し、地域の連帯感が低下したことで、地域全体での取り組みが困難になり、ネズミ被害を助長する要因となっています。

東京の中心部でのネズミ対策

ひとつの事例として新宿区の取り組みがあげられます。

新宿区ではネズミ被害の相談件数増加を受け、令和5年度からネズミ対策を本格的に開始しました。歌舞伎町や百人町などの繁華街で、ごみの管理状況や建物の亀裂などの確認作業を行っています。

それと並行して区内のおよそ200カ所に毒餌を入れた専用の箱を設置し、週に一度の頻度で状況を確認するという駆除活動を継続的に実施していますが、区の担当者は「駆除活動を行っても、またすぐに同じ数まで個体数が復活してしまっている」と述べており、駆除活動の効果には限界があることを指摘しています。

 

東京でネズミに狙われやすい場所

 

場所の種類特徴理由
繁華街飲食店が密集するエリア残飯や廃棄物が豊富で餌場となりやすい
小規模アパート管理人不在で管理が甘い集合住宅ごみの管理が不十分で餌を確保しやすい
住宅街戸建て住宅・集合住宅戸袋の隙間、配管周囲、外壁と内壁の隙間が侵入口・営巣場所となる
マンション上階高層階の居住スペースクマネズミは柱や配管を伝って登り、天井裏に生息できる
ゴミ集積所周辺生ごみが集まる場所残飯やペットの餌が餌源となる
高齢者世帯適切な管理が困難な住居身体機能の低下により家の管理やゴミ処理が不十分

 

東京では繁華街だけでなく周辺の住宅地においても被害に関する相談が増加しており、特に小規模で管理人がいないなど、ごみの管理が甘くなりがちなアパートなどが餌場として狙われやすい傾向にあります。

マンションの上階においても被害が発生しているケースが報告されており、クマネズミは運動能力が非常に高く、柱や配管などを伝って登ることができるため、天井裏などに生息することが可能です。

またクマネズミは学習能力と警戒心がともに強く、一度設置された罠を避ける行動を取るため、駆除作業が非常に困難であるとされています。

 

東京のビルに住んでいるネズミの巣材

東京のクマネズミも自然環境下のクマネズミも同様に巣を作り生活していますが、その巣の材料はどこから調達してくるのでしょうか。

東京都豊島区のデパート内飲食店街で実施された調査では、14ヶ所の巣から回収された巣材の総重量は3,551gで、その内訳はビニール類が約5割、布類が約2割を占めていました。特に利用されている材料は、おしぼりの袋(ビニール製)とおしぼり(布製)でした。その他、紙類(ティッシュペーパー、おてもと袋など)、プラスチック類(コーヒーのミルク容器など)、金属(金タワシなど)、貝類、木片(竹串、箸など)も利用されていました。

この調査結果から、ビル内のクマネズミは身近な材料を巣材として利用していることが確認され、特におしぼり用のビニール製の袋とおしぼりが最も有効な材料となっていました。

そのため巣の材料となるおしぼりやビニール類、紙を放置しないこともクマネズミの繁殖を制御する一手段になると考えられています。

 

まとめ

東京都内のネズミ相談件数は10年で約2倍に増加しています。東京の24時間化した都市活動による餌場拡大や地域連帯感の低下が駆除を困難にし、高齢者世帯での被害増加や巣材の放置も問題解決を難しくさせています。

新宿区など自治体は駆除活動を実施していますが、個体数がすぐ回復するため効果は限定的です。被害を減らすには、ゴミの適切な管理、巣材の放置防止、地域全体での継続的取り組みが必要であるほか、ビル単位での駆除活動も検討する必要があるでしょう。

ネズミの被害でお悩みの方は駆除ザウルスへご相談ください。

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害獣・害虫駆除の専門会社・駆除ザウルス

ネズミ駆除に使う超音波駆除器は効果がある?人体への影響は? ネズミ駆除001

 

コラム監修者 プロフィール
内田翔
内田 翔(うちだ しょう)

AAA ALLIANCEグループ 取締役 本部長。
「害虫バスター」としてメディア出演、ニュース、番組協力多数。

【駆除ザウルス メディア出演歴】
日本テレビ「news every.」「世界一受けたい授業」、NHK「クローズアップ現代」、テレビ朝日「スーパーJチャンネル」、フジテレビ「とくダネ!」、TBS「あさチャン!」「ジョブチューン」他多数。

害獣駆除歴約20年を誇るスペシャリスト。「建物の医者」としてお客様の安心・平穏を取り戻す為に最善の施工を実施。