野生のイタチはどこにいる?見分け方や生態を解説
ネコより少し小さな動物がうろうろしている。姿は見えないが畑で育てている野菜が食い荒らされている……それは、イタチの仕業かもしれません。
この記事では畑や住宅地にあらわれる野生のイタチを見分ける方法や生態、自分でできる撃退方法などを解説しています。
目次
家屋や家畜に被害をもたらすイタチはおもに2種類
イタチと同じ分類の動物は意外と多く、オコジョや毛皮で有名なミンクが含まれます。ペットとして広く親しまれているフェレットもイタチ属です。イタチという言葉は昔からあり、かつては在来種のニホンイタチのみを指していました。しかし現在では共通点の多い「シベリアイタチ」も含めて「イタチ」と呼ばれるようになっています。
現在の日本にはイタチやイイズナ、オコジョ、ミンクなど4種7亜種が存在します。しかし農耕地や人間の生活エリアで起きるイタチによる被害は、在来種「ニホンイタチ」と朝鮮半島から持ち込まれた外来種「シベリアイタチ」によるものがほとんどだといわれています。
どちらの種類も細長い体形と太い足、太めのしっぽという共通点があります。顔は小さめで、目と耳は丸いです。大人のイタチはオスのほうが大柄なので、見分ける際の参考になるでしょう。
野生のイタチはどこにいるか
古くから日本にいたニホンイタチは北海道から九州にかけた、日本全土に分布しています。一方、外来種のシベリアイタチは本州中部から九州、四国といった西日本を中心に生息範囲を広げてきました。この地域で捕獲されるイタチは、大半がシベリアイタチです。
本来イタチは、山間部に生息する動物でした。しかし古くから農村にあらわれ、作物を食い荒らしたり家畜を襲っていたことが知られています。
現代になって都市開発が進むにつれて、イタチは人間の生活区域まで侵入してくるようになりました。特にシベリアイタチは都市部での目撃されることも多くなり、さまざまな地域で食害や悪臭が問題となっています。
野生のイタチの生態
野生のイタチは非常に警戒心が強く、姿を直接確認できることはなかなかありません。ここでは、住宅地にもよくあらわれるニホンイタチとシベリアイタチの生態について解説しています。
ニホンイタチは平野部に多い
ニホンイタチは焦げ茶色で体長は約16cm~35cm、体重は約200g~600gです。メスよりオスのほうが少し大きめの体格です。冬眠はせず1年中活動し、真冬でも川を平気で泳ぐ姿を目撃されることもあります。
雑食性なのでどこでも暮らしていくことが可能ですが、シベリアイタチの台頭によって現在は郊外から山間部に分布しています。野菜や果物、生ゴミなど何でも食べますが、ネズミや小鳥、ウサギなどを狩って食料にすることもあります。
住宅地でもよくみられるシベリアイタチ
シベリアイタチはニホンイタチよりすこし色が薄く、明るい茶色をしています。額から顔の中央にかけて濃い茶色の柄が入っているのが特徴です。体長は約25~40㎝とニホンイタチより若干大きめで、しっぽが長いです。体重は400~800gとニホンイタチより少し大きめ。
ニホンイタチと同じく雑食ですが甘い果物を特に好み、果樹園や家庭菜園を狙って田畑や住宅地に出没することがあるので注意が必要です。
シベリアイタチの繁殖期はニホンイタチと同じく4~5月ですが、1匹のオスが複数のメスと交尾するため、繁殖力はニホンイタチよりも高いという特徴もあります。
ニホンイタチとシベリアイタチの特徴
ニホンイタチとシベリアイタチには、他にも以下のような特徴があります。
ニホンイタチ | シベリアイタチ | |
大きさ | 約16cm~35cm | 約25~40㎝ |
体毛 | 焦げ茶色 | 明るい茶色 |
しっぽ | 太くて短い | 身体の半分以上を占める |
鳴き声 | キーキー | キーキー |
食性 | 雑食で何でも食べる | 雑食だが特に果実を好む |
フン | 細長い形で水っぽく臭いがきつい | 細長い形で水っぽく臭いがきつい |
フンの臭いが強烈
イタチのフンは直径約6mm程度で、細長い形状をしています。ネコやハクビシンのフンと比べてかなり細いので、見分けることはさほど難しくないでしょう。ハクビシンのフンは種が多く混ざっているのに対し、イタチのフンには動物の毛や骨なども混じっているのが特徴です。
そしてイタチのフンの最も厄介な特徴が、臭いのきつさです。
窮地に陥った時に使う最後の手段として「イタチの最後っ屁」という慣用句がありますが、これは事実に近い言葉です。イタチは危機を感じた際に悪臭を放つ液体を噴出し、敵を怯ませて逃げだします。切羽詰まった時のイタチの行為が、慣用句となって広く知られるようになったというわけですね。
イタチはフンをするときにもこの臭い液体を分泌して、縄張りを主張します。しかもイタチには「ためフン」といって、フンと尿を1か所でまとめてする習性があります。繰り返し液体をなすりつけられた部屋は、凄まじい悪臭で覆われてしまいます。
当社に寄せられるご相談のなかでも、天井裏にイタチが住み着いてしまい家中が臭くてどうしようもないというケースがしばしばみられます。
性質は獰猛で荒っぽい
イタチはフェレットとよく似た可愛らしい外見ですが、なんでも食べる雑食の動物です。ネコより小さな体格ながら、自分よりも大きなニワトリやウサギを狩って食料とする獰猛な面も持ちます。
3月~5月の繁殖期にはさらに攻撃性が高まるので、非常に危険です。もし間近で遭遇したとしても、脅かしたり触ろうとするのは絶対に避けましょう。
イタチの歯は非常に鋭く、硬い果物の皮や生ゴミ、動物の肉も平気で噛み裂いてしまいます。万が一噛まれると、傷口から二次感染を起こしたり疾患に感染する可能性もあるのです。特に子イタチが確認されている時期は、細心の注意を払うことが大切です。
イタチが引き起こす被害とは
イタチが住居や農耕地に侵入することで、さまざまな問題や被害が生じます。
フンによる家屋へのダメージ
イタチが天井裏に住み着くと、フンや尿が大量に蓄積されてしまいます。イタチのフンは特に水分が多いことで知られており、天井の隅や柱にシミや汚れがしみ出してきたことで侵入場所が発覚したというケースも少なくありません。
場合によっては腐食した天井板が崩落したり、建材に尿がしみ込んでしまい、大規模な修繕が必要になることもあるのです。
悪臭や健康被害
先にも解説したように、イタチのフンは非常に臭いがきついという特徴があります。もし天井裏に住み着いて排泄物が蓄積されると、家中が悪臭に覆われてしまいます。
また、イタチにはノミやダニ、多くの病原菌が寄生しています。イタチの侵入がもとで起きるサルモネラ菌の食中毒や、ノミやダニによる皮膚病、アレルギーや喘息などが発症することも。
ペットや家畜への被害
イタチは自分より大きな動物も狩りにいく、獰猛な性質です。そのため、昔から家畜への被害も多く発生してきました。ウサギやニワトリ、ハトなど屋外の小屋で飼育していた動物が、イタチにやられてしまったという話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
もし住居に侵入されると、飼育している昆虫や金魚、ときには小型犬やネコもイタチの標的にされる可能性があります。
近隣でイタチの目撃情報や被害を耳にしたら、早急に侵入対策を取ることをおすすめします。
イタチを自分たちで撃退することは可能か
天井裏でガサガサ音がしていたり、どこかから悪臭がしているなどイタチの痕跡がある場合、早急に対策を取る必要があります。自分たちでイタチを追い出すことは可能なのでしょうか?
イタチは準絶滅危惧種に指定されている
害獣としてさまざまな被害をもたらしているイタチですが、実は一部の地域では準絶滅危惧種に指定されている動物でもあります。
1940年代に朝鮮半島から輸入されたシベリアイタチ(当時はチョウセンイタチ)の急速な分布拡大によって個体数を減らしたニホンイタチは、山間部に追いやられ、複数の自治体では準絶滅危惧種に指定されています。
一方、シベリアイタチも生息環境の変化などによって一部地域で個体数が減少し、環境省の準絶滅危惧種に指定されています。
駆除には自治体の許可が必要
イタチは準絶滅危惧種であると同時に、鳥獣保護法の対象にもなっている動物です。鳥獣保護法の対象である害獣を捕獲するには、自治体の許可を得る必要があります。その場合もイタチを傷つけず捕獲して山に放す「放獣」が義務付けられていたり、メスのイタチは捕獲が禁じられているなど、地域によってさまざまな規制があります。
これらを無視して毒餌やトラップで殺傷することは、法律で禁じられています。場合によっては罰金刑を課されることがあるので、事前に必ず確認するようにしましょう。
自分たちでできるイタチの駆除方法
自力でイタチを追い払うには、いくつかの方法があります。ここでは、ホームセンターで手に入るものや比較的難しくない方法を解説しています。
侵入経路を塞ぐ
イタチが侵入してきたスキマや穴が分かっている場合は、それらを金属板やパテできっちり埋めてしまいましょう。イタチや他の害獣が再侵入してくるのを防ぐことができます。
イタチを閉じ込めてしまうことがないよう、確実に追い出せたことを確認してから作業を開始するようにしてください。
忌避剤を使う
イタチは強い臭いを嫌います。ホームセンターで販売されている害獣用の忌避剤を、イタチのいそうな場所に散布するのも効果的です。忌避剤の効果は一時的ですが、定期的に撒くことでイタチがその場所を避けて通るようになります。
ただし、外で飼育している動物がいる場合、動物たちにもストレスがかかってしまう可能性があります。使用前に獣医に相談するなどの対策を取っておくことをおすすめします。
ライトを設置する
イタチは薄暗く静かな場所を寝床にするので、センサーライトなどを設置すると嫌がって逃げていきます。電源確保や足場の悪い場所での作業が問題になりますが、臭いや音を出すことがないので、人間やペットへの影響を最小限に抑えながらイタチを追い払うことが可能です。
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自分たちでイタチを撃退する方法を解説してきましたが、法律の問題や追い払う手段など、思っていたより大変そうだと思われた方も多いのではないでしょうか。
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