アナグマの鳴き声とは?夜中に聞こえる鳴き声の種類を解説

夜中に聞き慣れない動物の声がする。畑や庭のあちこちに掘り返されたような痕跡がある……それは、もしかするとアナグマによるものかもしれません。

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この記事ではアナグマの鳴き声や生態、よく似た害獣との比較を解説しています。

 

アナグマの鳴き声とは

アナグマはイタチ科に属しており、日本に古くからいる在来種です。他のイタチ科の動物と比べて温厚で落ち着いた性格をしており、エサを欲しがるときもあまり大きな声で鳴くことがありません。

 

あまり攻撃的な性質ではありませんが、威嚇をする時には「ガッ!」と大きな声をあげて人間の直前まで突進してくることもあります。

 

おとなしいアナグマが大きな声を出すのは、かなり気が立って威嚇している時なので、うっかり鉢合わせてしまったときは不用意に手を出さないようにしましょう。

 

子どもは大人のアナグマよりも少し声が高く、親を呼ぶときなどに「キュルキュルキュル」と鳴きます。

 

外見の特徴や性質

アナグマは体長約50〜60cmで、茶褐色から灰色のずんぐりとした体形をしています。10〜20cmほどの短くて太いしっぽを持っており、足の毛は体より少しだけ濃い色をしています。

 

目の周辺には、卵型の黒い模様が入っているのが特徴です。5本の指に長い爪を持つ発達した前足を持ち、穴を掘って土の中で暮らしています。とてもおとなしく、エサを探して夢中になると、人間に気がつかない鈍感な一面もあります。

特徴
大きさ体長約50~60cm
体色茶褐色から灰色
指の数5本
模様目の周りに卵型の黒い模様が入っている

 

アナグマの食性

 

アナグマは雑食で、生育地域で手に入る野菜や果物、小動物からは虫類までなんでも食べてしまいます。特にトウモロコシ、いちご、スイカやブドウなどの甘く熟した果実が大好物なので、畑や果樹園に侵入して作物を食い荒らしてしまう被害もたびたび報告されています。

 

フンの特徴

 

アナグマは、地面を浅く掘ってフンをします。表面に光沢があり、フンの中に土が含まれているのが特徴です。

 

決まった場所で排泄する「ためフン」の習性がありますが、タヌキほどの大きさにはなりません。

 

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アナグマとよく似た害獣との違い

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アナグマは中型獣に分類されます。ここではよく似た中型の害獣とアナグマの鳴き声の違い、それぞれの外見や食性、フンの特徴などを解説しています。

 

ハクビシン

おとなしく声を出さないアナグマに対し、ハクビシンは比較的獰猛な性質です。普段から「キュンキュン」と甲高い大きな声で鳴き、威嚇時には「ウウー」とうなりながら鳴き声をあげることも。

 

ハクビシンの子どもは、大人よりもワントーン高い声で「キュンキュン」と鳴くことが多いです。繁殖期にはさらに気が立っており大きな声で威嚇することもあるので、かなりの騒音を感じるでしょう。

 

ハクビシンは、体長約50〜60cmとアナグマと同じくらいの大きさですが、40〜60cmほどの細くて長い尾っぽを持っています。ハクビシンがアナグマと間違われやすいのは、鼻筋に通っている白い筋のためです。アナグマと見分けるポイントとしては、額まで伸びた白い筋、灰褐色の体色と長いしっぽが挙げられます。

 

夜行性で神社仏閣や人気のない納屋など、静かで薄暗いところを好みます。食性の範囲も広く、カエルや鳥、小型哺乳類から農作物までなんでも食べる雑食ですが、アナグマと同様にトウモロコシ、ブドウ、もも、なしなどの甘い果実が好物です。

 

穴掘りは得意ではありませんが、5本指の発達した肉球を使った高い運動能力で、電線を伝い壁や雨樋を使って家屋に侵入します。

 

ハクビシンのフンは、5〜15cmの大きさをした丸みのある細長い形をしています。臭いは比較的少なめで、果実を好むので種が多く含まれています。侵入したベランダや屋根の上、屋根裏に「ためフン」をするため、家屋に大きなダメージを与える事例も少なくありません。

 

タヌキ

アナグマと同じように、タヌキもほとんど鳴き声を上げません。威嚇時には、「ウユーン」や「キューン」と言った犬に似た鳴き声をあげることもあります。基本的に温厚な性質なので、こちらから攻撃をしなければ威嚇をしてくることは少ないでしょう。

 

タヌキは体長約45〜55cm、褐色の体色に肩先から前足にかけて黒い帯状の模様があり、太くて短いふさふさした20cmのしっぽを持っています。また、4本指の短い足を持ち、後ろ足は黒色をしています。

 

自分の体が通れるくらいの穴掘りをしますが、アナグマほど穴掘りは得意ではありません。木登りもしますが、さほど運動能力は高くないほうです。

 

食性はなんでも食べる雑食性で、昆虫から両生類、場合によっては鳥やネズミ、甲殻類まで捕食します。また、甘い果実や木の実も好んでよく食べます。

 

フンは、黒色でずんぐりとした形状で、動物の毛や種など食べたものが混ざっています。

残飯に紛れ込んだ、ビニールやアルミホイルが混ざっているフンが見つかることもよくあります。

 

タヌキのフンの特徴は、大きな「ためフン」です。冬から春にかけては、直径1m、高さ10cmになる大きな物もあります。

 

イタチ

イタチは単独で行動するため、たまにしか鳴き声を聞くことはありません。仲間同士のコミュニケーションも、フンや尿を使って行っています。しかし、繁殖期は攻撃性も高くなり「キッキッキー」と甲高い声で鳴きます。子どもは「キーキー」「ククク」と小さな声で鳴いて、親を呼びます。

 

イタチは胴長で茶褐色の体色をしています。足は短く、太い尾を持っているのが特徴です。オスとメスの大きさにははっきり差があり、オスの体長は約25〜40cm、しっぽは約12〜16cmほど。メスの体長は約15〜25cm、しっぽは約7〜9cmとメスのほうがひと回りほど小さく、体重も軽いです。

 

食性は雑食ですが肉を好み、主にネズミを捕食します。鳥の卵や昆虫、魚類や甲殻類も食べます。

 

イタチの生息範囲は非常に広く、草地や川沿いの水辺のように自然が残っている地域から、都市部や住宅街などあらゆるところに分布しています、夜行性で、メスは一匹で子育てをしますが、オスは複数のメスの行動範囲の中を移動して暮らしています。木や壁を登るのが上手で、3cmほどの隙間があれば家屋に侵入できるので、屋根裏に住み着いてしまい被害を引き起こすケースもよくみられます。

 

フンは長さ6cmほどで細長く、非常に臭いが強いのが特徴です。同じ場所で水分の多いフンをするので、侵入した屋根裏にシミができたり、悪臭による被害が多数報告されています。

 

キツネ

絵本や昔話では「コンコン」と表現されるキツネの鳴き声ですが、実際には「キュンキュン」という犬に近い声です。繁殖期になると、パートナーを見つけるためにあいさつをする、鳴き交わしを行います。

 

キツネは体長約60cm、30〜40cmほどの太くてふさふさした長いしっぽを持っています。黄褐色から赤褐色の体色、先端が白い豊かなしっぽ、三角の耳、靴下を履いたような黒い足など、アナグマとは明らかに違う特徴を持っています。

 

食性は肉食よりの雑食で、ネズミや鳥類、大型の昆虫、小型動物などを狩って暮らしています。森林で生息し、土の中に穴を掘って暮らしています。

 

キツネは自分のナワバリを示すために、切り株の上など目立つ場所にフンをします。動物の毛が混じったものや、色が七色に輝く虫フン、小型哺乳類の骨のカルシウムが固まった白い石膏フンなど、色はさまざまです。

 

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アナグマを放置することで起きる被害

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アナグマらしき痕跡を発見しても、すぐに対策を取るのはそう簡単なことではありません。しかし放置していることで、さらに被害が広がってしまう可能性もあるのです。ここでは、アナグマを放置することで起きる被害について解説しています。

 

鳴き声や活動音による騒音

 

おとなしいアナグマはほとんど声を出すことがないため、騒音に対する被害の報告はあまり多くありません。夜に鳴く中型獣の鳴き声は、ハクビシンによるものが多いでしょう。

 

しかしアナグマが自分の家の庭先で穴を掘る音は、人にとって聞き慣れない音です。鋭い爪を使い一心不乱に穴を掘っているので、土をかき分ける音が家にいても聞こえてきて落ち着かないというお声も耳にしました。

 

農作物への食害

アナグマの好む農作物は、いちご、かき、スイカ、ブドウなど甘い果実です。アナグマは農地へ侵入して農作物を食べると、その後何度でもしつこく侵入を繰り返します。穴掘りが得意なので、電気柵などの下をかいくぐってどこからでも侵入できるのです。

 

またアナグマの掘った穴を使って、タヌキまで入ってくるという報告もあります。アナグマの被害は農作物への食害だけでなく、穴を掘られることで果樹が弱ってしまったり、アナグマが持ち込む細菌による土壌汚染など長期にわたるものが多いのが特徴です。

 

家屋への被害

アナグマが住宅地の床下へ穴を掘って侵入すると、美観を損ねるだけでなく地盤へ大きな影響を与えます。場合によっては、家屋の倒壊につながるなど深刻な被害をもたらすケースも。また、排泄物の臭いや病原菌による衛生面の被害など、日常生活に直接的な被害が起きる事例も少なくありません。

 

アナグマの被害を防ぐにはどうしたら良いのか

アナグマに限らず害獣被害を防ぐ基本は、再侵入をさせないことです。アナグマは鳥獣保護管理法により捕獲が認められている害獣ですが、狩猟免許を持ったものが市町村長の許可を得た上で、法律に基づき捕獲をしなければなりません。

 

アナグマの追い出しや再侵入防止は、道具を用意して自分たちで行えますが、確実な再侵入を防ぐためにはアナグマの生態や行動を知り、捕獲も含めたプロの害獣駆除が必要なのです。

 

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コラム監修者 プロフィール
内田翔
内田 翔(うちだ しょう)

AAA ALLIANCEグループ 取締役 本部長。
「害虫バスター」としてメディア出演、ニュース、番組協力多数。

【駆除ザウルス メディア出演歴】
日本テレビ「news every.」「世界一受けたい授業」、NHK「クローズアップ現代」、テレビ朝日「スーパーJチャンネル」、フジテレビ「とくダネ!」、TBS「あさチャン!」「ジョブチューン」他多数。

害獣駆除歴約20年を誇るスペシャリスト。「建物の医者」としてお客様の安心・平穏を取り戻す為に最善の施工を実施。