コウモリの大きさはどれくらい?日本の在来種コウモリを比較
日本には約40種類のコウモリが生息していると言われていますが、その大きさは種類ごとに異なります。

以下では日本に生息する代表的なコウモリをピックアップして、その特徴を解説します。
目次
コウモリの種類と大きさ
コウモリは大きく分けて、オオコウモリ(Megachiroptera)とココウモリ(Microchiroptera)の2種類に分類されます。
オオコウモリ属には名前の通り大型のコウモリが多く、その名前はオオコウモリの大きな体に由来します。
最も大きな種類であるビズマークオオコウモリで、体重が1.6kgになります。スンダオオコウモリ属とオオコウモリ属の中には、翼を広げると1.7mにもなる種類もいます。
ちなみにオオコウモリの中にも小さな種類がいます。例えば、ホシバネフルーツコウモリの体重はわずか14.2gしかありません。
オオコウモリは目がよく発達していて、主なエサは果物です。オオコウモリのほとんどの種類でココウモリが行う、音を出して反射で位置を確認する「エコーロケーション」をしません。
一方ココウモリは小型のコウモリで、たくさんの種類がいます。ココウモリの多くは虫を食べますが、植物や肉、血液を好む種類もいます。
ココウモリの特徴はエコーロケーションです。超音波を出して、その反射を感知することで、飛んでいる時に障害物を避けたり、虫などの餌を見つけたりできます。
日本のコウモリ-代表的な在来種とその大きさ
それでは日本に住んでいるコウモリの大きさを比較していきましょう。
以下の表の通り、私たちが普段よく見かけるアブラコウモリの大きさは、コウモリの中でも小さい方であることがわかります。
日本に住む主なコウモリ
| 種名 | 体長 | 前腕長 | 体重 | 特徴 |
| クビワオオコウモリ | 19〜25cm | 12〜14.7cm | 300〜500g | 日本の南西諸島に生息する大型コウモリ |
| オヒキコウモリ | 8.4〜9.4cm | 5.7〜6.5cm | 30〜40g | 13都道府県で確認されている |
| カグラコウモリ | 6.8〜8.9cm | 6.5〜7.2cm | 20〜32g | 八重山諸島のみの固有種 |
| キクガシラコウモリ | 6.3〜8.2cm | 3.6〜7.0cm | 15〜30g | 鼻が菊の花に似ている |
| コキクガシラコウモリ | 3.5〜4.8cm | 3.6〜4.4cm | 4.5〜9g | キクガシラコウモリの約半分の大きさ |
| カグヤコウモリ | 4.4〜5.6cm | 3.6〜4.1cm | 5.5〜11g | 黒っぽい茶色の体色 |
| アブラコウモリ | 4〜6cm | 3〜3.5cm | 5〜11g | 日本で唯一家屋にのみ住むコウモリ |
| ヤマコウモリ | 8.9〜11.3cm | 5.8〜6.5cm | 26〜61g | 日本のヒナコウモリ科で最大級 |
クビワオオコウモリの特徴と大きさ
クビワオオコウモリ(首輪大蝙蝠、Pteropus dasymallus)はオオコウモリの仲間で、日本の南西諸島に生息しています。名前が似ているクビワコウモリ(日本固有種)と間違えられることがあります。
クビワオオコウモリの体長は19〜25cm、体重は300〜500gです。
クビワオオコウモリ亜種の分布
・エラブオオコウモリ:日本の悪石島、口永良部島、宝島、中之島、平島に生息する日本固有の亜種。前腕の長さは12〜14.5cm。
・ダイトウオオコウモリ:北大東島と南大東島に生息する日本固有の亜種。前腕の長さは12〜14.5cm。
・オリイオオコウモリ:沖縄島とその周辺の島々に生息する日本固有の亜種。沖縄の19の島で確認されていますが、数は少なく、沖縄本島から飛んできた個体も含まれると考えられています。前腕の長さは13〜14.7cm。
・ヤエヤマオオコウモリ:宮古列島、八重山列島、波照間島に生息する日本固有の亜種です。前腕の長さは12.6〜13.8cm。
オヒキコウモリの特徴と大きさ
オヒキコウモリは、学名をTadarida insignisといい、オヒキコウモリ科に属するコウモリです。
大きさは体長は8.4~9.4cm。尾の長さは4.8~5.6cm。前腕の長さは5.7~6.5cmです。
オヒキコウモリの分布
日本では2014年までに13都道府県で見つかっています。
確認されたねぐらは全部で5か所あり、そのうち4か所は無人島です。多くは1匹だけで見つかり、以前は大陸から飛んできて日本では繁殖していないと考えられていました。発見場所は建物、薪、ゴミ箱、船の中、道路などで、多くは飛行中に落ちた個体が偶然見つかったようです。
1996年から1997年、宮崎県の批榔島では年間を通じた生息が確認され、最大で89匹が見つかっています。子どものコウモリを含む群れや出産、冬越しも確認されています。
カグラコウモリの特徴と大きさ
カグラコウモリは、日本に生息するコウモリの一種です。学名はHipposideros turpisです。
体長は約6.8~8.9cm、尾の長さは約4~5.2cm、前腕の長さは約6.5~7.2cmです。体重は20~32gほどです。
カグラコウモリの分布
日本の八重山諸島(石垣島、西表島、波照間島、与那国島)だけに生息する固有種です。 体の毛は主に褐色で、赤褐色の個体もいます。「カグラ」という名前は、鼻の形が神楽のお面に似ていることに由来しています。
キクガシラコウモリの特徴と大きさ
キクガシラコウモリは、鼻の形が菊の花に似ていることからその名前がついたコウモリです。学名はRhinolophus ferrumequinumです。
体の長さは約6.3〜8.2cm、尾の長さは約2.8〜4.5cm、体重は15〜30gほどです。
キクガシラコウモリの分布
イギリスからモロッコ、インド北部、日本まで広く生息しています。
キクガシラコウモリは鼻の形が特徴的で、菊の花に似ていることが和名の由来です。
日本では北海道から九州、伊豆諸島などに広く分布しています。日本のキクガシラコウモリは、「ニホンキクガシラコウモリ」として別の種類とする考え方もあります。
研究によると、日本のキクガシラコウモリには東日本、西日本、熊本の3つのグループがあり、もともとアジアから日本に来たコウモリが日本で多様化し、その後一部が大陸に戻った可能性があると考えられています。
コキクガシラコウモリの特徴と大きさ
コキクガシラコウモリは、キクガシラコウモリの仲間で、学名はRhinolophus cornutusです。体長は3.5~4.8cm、尾の長さは1.6~2.6cm、前腕の長さは3.6~4.4cm、体重は4.5~9gです。
コキクガシラコウモリの分布
コキクガシラコウモリは日本の北海道、本州、四国、九州に、亜種であるオリイコキクガシラコウモリは奄美大島、沖永良部島、加計呂麻島、徳之島に分布しています。
コキクガシラコウモリはキクガシラコウモリの約半分の大きさで、体の毛は薄い茶色です。子どもを産んだメスは、お腹の下に乳首のような突起が大きくなります。北に住むコウモリほど大きく、南に行くほど小さくなる傾向があります。
カグヤコウモリの特徴と大きさ
カグヤコウモリは学名をMyotis fraterといい、家屋に巣を作る可能性がある種です。
大きさは前腕36〜41mm、体の長さは44〜56mm、尾の長さは38〜47mm、体重は5.5〜11gです。
カグヤコウモリの分布
北海道、本州の岐阜県・石川県より北、中国東南部、トルキスタンから東シベリアに分布しています。 体の色は黒っぽい茶色で、「カグヤ」という名前はこのコウモリが初めて見つかった場所が竹林だったことに由来しています。
昼間は木の穴の中に隠れて生活していますが、ごくまれに家の中で群れを作ることもあります。初夏に子どもを1匹産み、その子どもは約30日で親と同じ大きさになります。
アブラコウモリの特徴と大きさ
アブラコウモリ(油蝙蝠、学名: Pipistrellus abramus)は、ヒナコウモリ科の一種です。
大きさは、前腕の長さが約3〜3.5cm、体の長さが約4〜6cm、尾の長さが約3〜4.5cm、体重は5〜11gです。
アブラコウモリの分布
日本では唯一、家の中だけに住むコウモリで、人間にとって最も身近なコウモリと言えます。そのため「イエコウモリ(家蝙蝠)」とも呼ばれています。昔から日本にいたのではなく、人間の活動によって入ってきた可能性もあります。
体の毛は黒褐色から暗い灰色がかった茶色で、翼の膜は灰褐色か明るい茶色です。子どものコウモリは黒っぽいのが特徴です。
ヤマコウモリの特徴と大きさ
ヤマコウモリ(山蝙蝠、Nyctalus aviator)は、ヒナコウモリ科のコウモリです。ニホンヤマコウモリとも呼ばれています。
前腕の長さは58〜65mm、体の長さは89〜113mm、尾の長さは51〜67mm、体重は26〜61gです。
ヤマコウモリの分布
北海道、本州、四国、九州、対馬、沖縄のほか、朝鮮半島、台湾、中国東部の丘陵地や山地、森林に住んでいます。ただし、深い山では見かけることはあまりありません。
最初に発見されたのは東京都です。最近では主に本州の中部地方より北で見られ、近畿地方より西での目撃は少なくなっています。 日本に住むヒナコウモリ科の中では最も大きな種類の一つです。背中の毛は光沢のある赤茶色で、翼の膜は暗い茶色です。翼を広げると40cmを超えることもあります。翼は細長く、長い距離を飛ぶことができます。
ヒナコウモリの特徴と大きさ
ヒナコウモリ(Vespertilio sinensis)は、コウモリの一種です。
前腕の長さは47~54mm、体の長さは78~80mm、尾の長さは35~50mm、体重は14~30gです。
ヒナコウモリの分布
日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮半島、台湾、中国東部、シベリア東部に分布しています。
昼間は木の穴や家の中に隠れていて、夜になると活動します。初夏に1~3匹の子どもを産み繁殖することが知られています。
チチブコウモリの特徴と大きさ
チチブコウモリは、ヒナコウモリ科に属するコウモリの一種です。学名はBarbastella leucomelasです。
大きさは、前腕の長さが約3.9~4.4cm、体の長さが約5~6.3cm、尾の長さが約4.3~5.4cm、体重は約8~12gです。
チチブコウモリの分布
日本のほかイスラエル、コーカサス、インド北部、中国西部に生息しています。
「チチブコウモリ」という名前は、1883年に埼玉県の秩父で初めて発見されたことに由来しています。
地域によって少し特徴が異なる場合があり、コーカサスから中国と日本に住む個体群は亜種として分類されることもあります。
日本では、北海道や岩手県、福島県、埼玉県、東京都、神奈川県、愛知県、岐阜県、静岡県、愛媛県、高知県で見つかっています。
昼間は主に木の穴の中に隠れて過ごし、時々洞窟でも見つかります。
ユビナガコウモリの特徴と大きさ
ユビナガコウモリは、ヒナコウモリ科に属するコウモリの一種です。学名はMiniopterus fuliginosusです。
大きさは、前腕が約4.5~5.1cm、体の長さが約5.9~6.9cm、尾の長さが約5.1~5.7cm、体重は約10~17gです。
ユビナガコウモリの分布
アフガニスタン、インド、中国、朝鮮半島、そして日本に生息しています。日本では本州(主に青森県深浦町より南)、四国、九州、対馬、佐渡島で見られます。
ユビナガコウモリは洞窟に住んでいる種類で昼間は洞窟で過ごし、夜になると河川や森林で飛び回り、昆虫を食べます。
一晩でユスリカや蚊などの虫を数百匹も食べると言われています。7月上旬頃に子どもを産みます。繁殖は決まった洞窟で行われます。
日本には1万匹以上の群れがいる洞窟が各地にあり、日本全体では約20万匹のユビナガコウモリが生息していると考えられています。
テングコウモリの特徴と大きさ
テングコウモリ(天狗蝙蝠、学名:Murina hilgendorfi)は、ヒナコウモリ科のコウモリの一種です。
前腕の長さは41~46mm、体の長さは59~73mm、尾の長さは36~47mm、体重は9~15gです。
テングコウモリの分布
テングコウモリは北海道・本州・四国・九州に広く分布しています。
普段は木の穴をねぐらにしますが、大きな木が減って住む場所がなくなると、洞窟に隠れることもあります。まれに建物に住むこともあります。 テングコウモリの大きな特徴として、鼻の穴が管のように突き出ていて、耳は卵のような形をしています。天狗の鼻に似た形がこのコウモリの名前の由来です。
体の毛は羊毛のようで、翼の間の膜にも毛がたくさん生えています。
まとめ
日本に住んでいるコウモリは種類ごとに大きさが異なることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
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