害獣の種類ごとに解説「効果的な害獣用フェンス」とは
農作物や家屋への被害を防ぐためには、適切な害獣対策が欠かせませんが、その対策の一つに害獣用フェンスの設置があります。

本記事では、金網フェンス、電気フェンス、ネットフェンスの3種類について、それぞれの特徴、適した害獣、コスト、メリット・デメリットを詳しく解説します。
対策したい害獣に合ったフェンスを選び、効率的かつ経済的な害獣対策を行いましょう。
害獣用フェンスとはどのようなものか
害獣用フェンスは、野生動物から農作物や家を守るために設置する柵です。イノシシ、シカ、サル、アライグマなどの侵入を防いだり、電気ショックで追い払ったりします。
害獣の種類によって体の大きさや動き方が違うため、効果的なフェンスも変わります。
例えば、力が強く地面を掘るイノシシには丈夫な金網フェンスや電気フェンスが向いており、高い場所に登るサルには、ネットフェンスを組み合わせると効果的です。
害獣によって適切なフェンスを選ぶことで、被害を最小限に抑えられるだけでなく、設置費用やメンテナンスの手間も考えた効率的な対策ができるでしょう。
以下では、代表的な3種類のフェンスについて詳しく説明します。
害獣対策用「金網フェンス」
金網フェンスは、ワイヤーを格子状に組み合わせて作られたメッシュ構造のフェンスで、その構造から強度と耐久性に非常に優れた特性を持っています。
頑丈な支柱を土台とすることで、イノシシやシカといった体の大きな大型害獣に対して非常に効果的です。
種類別金網フェンス
| 種類 | 特徴 | 設置場所 | 設置の容易さ |
| パネル式 | 幅2m程度にセパレートされた金網パネルを専用の鉄パイプ型支柱で設置 | 凸凹のある場所や山林など傾斜のある場所に適している | 比較的簡単。専門業者に頼らずに設置できる |
| 折り畳み式 | 折りたたまれた本体を広げて設置する | 場所を問わない | 比較的簡単。専門業者に頼らずに設置できる |
| ロール式 | 柔軟性あり、ロール型の金網で軽い | 平地。傾斜地や起伏のある場所でも条件付きで可能 | 平地では設置が簡単。起伏のある場所では経験者の手を借りる必要あり |
金網フェンスの特徴
金網フェンスは、小規模な家庭菜園から広大な大規模農地、さらには森林と農地の境界線に至るまで、実に幅広い場所や規模に対応できる汎用性の高い防護フェンスです。
ネットフェンスと比べると非常に丈夫で、害獣に噛み切られにくいという大きな利点があります。また、製品の種類によっては比較的安価で入手でき、設置作業も専門業者に頼らずに行えるものもあります。
畑全体を一つのフェンスで囲むような設置の仕方にも対応できます。
金網フェンスが効果的な害獣
金網フェンスは主にイノシシやシカなど柵を登らない大型害獣に対して効果的ですが、シカはジャンプ力があるため高さが必要です。
イノシシは突進してフェンスを引き倒すこともあるため、地面とのすき間と支柱の強度が特に重要です。
フェンスの網目をすり抜けられる小型の害獣に対しては効果がありません。
金網フェンスのコスト
100メートルあたり10万円から30万円程度が相場です。安価なものでは1メートルあたり数千円で購入できます。
設置する範囲、フェンスの高さや素材によって金額が変わってきます。
金網フェンスのメリット・デメリット
メリット
- 頑丈な構造により、害獣による破損リスクが低い
- 長期的な使用に耐える高い耐久性がある
- 電気柵やネット柵と異なり、日常的な管理の負担が軽減される
- 家庭菜園から大規模農地まで様々な規模に適応可能
- イノシシやシカといった大型の野生動物に対して優れた防護性能を持つ
- 製品の種類によっては手頃な価格で購入でき、自力での設置も可能
デメリット
- ネット柵に比べて導入時のコストが高め(100mあたり約10万円〜30万円)
- 支柱や出入口などを含めた全体費用は簡易ネットより高くなる
- 周辺の草刈りや地面との接続箇所の確認を定期的に行う必要がある
- 網目のサイズによっては小さな動物の侵入を防げない
- シカ対策では人の身長を超える高さが求められ、斜面では支柱の高さ調整が必要になる
- サルのように登る動物には、上部に忍び返しや有刺鉄線といった補強策が求められる
害獣用対策用「電気フェンス」
電気フェンスは電線を流れる電気ショックで動物の侵入を防いでくれます。
金網フェンスは物理的に侵入を防ぐためのフェンスですが、こちらは心理的な圧力を与えて害獣を近づけさせないようにするフェンスです。
イノシシやシカが一度電気柵に触れると、その場所を避けるようになる習性を利用します。
セット商品も多く、支柱・本体・ワイヤーがまとめて購入できるため、導入しやすいのもメリットです。
電気フェンスの特徴
軽い電気ショックで動物を驚かせて侵入を防ぐというのが電気フェンスの狙いです。費用が安く設置も簡単で電源装置とアースを取り付けるだけとそれほど手間もかかりません。
電気フェンスに仮に人が触れてもビリッとするだけで命に係わるようなショックはありません。
電気フェンスが効果的な害獣
イノシシやシカといった大型の害獣のほか、アライグマ、ハクビシン、タヌキ、アナグマなどの中型の野生動物に対しても有効です。また危険性の高いクマに対しても一定の防護効果を発揮することが確認されています。
電気フェンスのコスト
金網フェンス、ネットフェンスよりも高いコストがかかります。
電気柵の初期費用は数万円から十数万円程度です。設置費用に加えてランニングコストがかかるのが特徴的で、給電方式によってコストが異なります。
| 給電タイプ | メリット | デメリット |
| ソーラータイプ | 半永久的に使用可能でランニングコストが低い | 日照時間が短い地域や悪天候が多い地域では不向き |
| 乾電池タイプ | 安価に導入できる | 電池交換の手間がかかる |
| コンセントタイプ | 安定した電力供給が可能 | 電源ケーブルの長さに制限があり、設置場所が限定される |
電気フェンスのメリット・デメリット
メリット
- 簡単に設置でき、専門業者なしでも導入可能
- イノシシ、シカ、アライグマ、ハクビシンなど多様な野生動物への対応力が高い
- 電気刺激を経験した動物は接近を避けるようになる
- 野生動物を傷つけることなく、軽い刺激で侵入を抑止できる
- 必要な資材がセットになった商品が多く、購入しやすい
デメリット
- 周辺の雑草管理を定期的に行う必要があり、手間がかかる
- 雑草が電線に接触すると電気が逃げて防護力が弱まる
- 電源の交換や管理に継続的な費用が必要
- 電源の種類により、設置できる場所や利便性に違いが生じる
- 管理を怠ると十分な効果を得られなくなる
- 単独での使用より、別の柵との併用が効果的とされることが多い
害獣用対策用「ネットフェンス」
防獣ネットを使った非金属タイプのフェンスです。
支柱を立ててネットを張るだけなので、フェンスの設置が初めての方でも導入しやすく、畑の形に沿って簡単に張り巡らせることができます。
コスト的にもほかのフェンスより安く、家庭菜園や試験的な獣害対策として広く用いられます。
ネットフェンスの特徴
ネットフェンスは、家庭菜園などの狭い範囲から集落全体といった広範囲をカバーできる柔軟性が特徴です。
電気フェンスよりも設置の手間がかかりますが、金属柵に比べると軽いので労力的にはそれほどかかりません。
素材が金属ではないことの弱みとして、ネットフェンスは動物によって食い破られることがあるため、穴空きや破損などに対する点検・維持管理が必要です。
ネットフェンスが効果的な害獣
ネットフェンスは、主にイノシシやシカなどフェンスをよじ上らない害獣に効果的です。
ただし、イノシシは1メートル程度、シカは1.5メートル程度はジャンプできるため、ネットフェンスで防ぐにはそれ以上の高さが必要です。
またサルやタヌキ、アライグマなどの小型害獣は登る・くぐるのが得意なので、柵の高さ、細かい網目、上部を外側に折り曲げるなどの工夫が必要です。
メッシュサイズは小動物が頭を突っ込めない程度とし、上部処理も含めて侵入経路を考慮して設置しなければなりません。
ネットフェンスのコスト
防獣ネットは数十円/mから数百円/mとコストパフォーマンス的に良く、100メートル単位の資材一式セットでも10万円以下で購入できるものが多いです。
網目が細かいものや強度が高いほど価格は上がるため、お試しで利用する場合は低価格のものを、本格的に対策したい場合は網目が細かく強度がしっかりしたものを選びましょう。
ネットフェンスのメリット・デメリット
メリット
- 設置が容易で扱いやすく、専門知識がなくても導入できる
- 初期費用を抑えられ、小規模な農地や家庭菜園でも利用しやすい
- 農地の形状に合わせて自由に設置できる柔軟性がある
- 狭い範囲から広い範囲まで多様な規模に対応できる
- 他の防護柵と併用することでより高い防護効果が期待できる
デメリット
- 設置が不十分だと緩みが生じ、防護性能が落ちる
- 破損しやすく、こまめな確認と補修が欠かせない
- 機敏な小型動物に対しては追加の対策が求められる
- 隙間の処理や上部の対策など、丁寧な施工が必要
- 耐久性を求めると細目で丈夫な製品が必要となり、費用がかさむ
まとめ

ここまで害獣対策に効果的な金網フェンス、電気フェンス、ネットフェンスの3種類を紹介しました。
防ぎたい害獣や設置環境によって最適なフェンスを選ぶ必要があるといえるでしょう。
害獣被害に深刻にお悩みの場合は、プロの害獣駆除業者に相談するのも一つの手段です。現地調査を行った上で、害獣の種類や被害状況に応じた最適な対策を提案してもらえるはずです。
害獣駆除でお悩みの方は駆除ザウルスへご相談ください。



