害獣指定がわかる!害獣指定されている鳥獣とポイント
近年、ニホンジカやイノシシ、クマ類による農作物被害や人身被害が深刻化しています。

こうした野生動物による被害を防ぐため、国は「指定管理鳥獣」として特定の動物を指定し、計画的な管理を進めています。
以下では害獣指定とは何か、どのような動物が指定されているのか、そしてそれぞれの動物の特徴や生態について詳しく解説します。
害獣指定とは何か
害獣指定(指定管理鳥獣)とは、農林水産業や生活環境に深刻な被害を及ぼし、広域的な管理が必要として国が定めた野生動物です。現在、ニホンジカ、イノシシ、クマ類(ヒグマ・ツキノワグマ、四国を除く)が指定されています。
害獣指定は鳥獣保護管理法に基づいており、農業被害や生態系への影響を防ぐため、個体数の管理を目的として作られています。
指定管理鳥獣
それでは指定管理鳥獣に指定されているシカ、イノシシ、クマの特徴を見ていきましょう。
二ホンジカ
ニホンジカは、夏は茶色に白斑点、冬は灰褐色の毛に生え換わる中型のシカです。分布は北海道から九州までと広範囲で森林や草地を好み、早朝・夕方に活動します。
植物の芽や皮を食し、近年は個体数増加が課題となっています。
| 項目 | 内容 |
| 身体的特徴 | 毛色: 夏は茶褐色に白い斑点、冬は灰褐色。サイズ: 雄は体長90~190cm、体重50~130kg。角: オスにのみ生え、枝分かれする。尻斑: 黒い毛に縁取られた白い斑点。 |
| 生態 | 生息環境: 森林、山地、草地。夜行性で朝夕に活発。食性: 植物食性。社会性: メスと仔は群れ、オスは単独行動。繁殖: 9月下旬~11月頃。 |
| 人間社会への影響 | 山林の植物を食い荒らし生態系に影響。農作物への食害も深刻。 |
| 駆除方法、その他注意点 | 狩猟免許を持つ猟友会による銃器・わな猟。防護柵(電気柵・ネット柵)の設置。忌避剤や音による追い払い。計画的な個体数管理。 |
イノシシ
雑食性の野生動物であるイノシシは、成獣になると100kgを超える重さになり、跳躍力や走力も優れています。学習能力が高い一方で臆病で警戒心が強く、鋭い嗅覚と力強い鼻を使って地面を掘り起こして畑の作物を荒らすケースがあります。
シカとは異なり危険を感じた場合、逃げるのではなく突進してきたり噛みついたりするため、遭遇時には注意が必要です。
| 項目 | 内容 |
| 身体的特徴 | 強力な鼻で地面を掘り起こし、60kgを持ち上げる力がある。1m以上の柵を飛び越える跳躍力。オスは牙が大きく、体重100kg〜200kg。幼獣は縞模様。 |
| 生態 | 臆病だが人に慣れると大胆。雑食性で何でも食べる。学習能力が高い。繁殖期は12月〜1月、出産は4月〜6月。夜明けや夕方、夜間に活動するが日中にも現れる。 |
| 人間社会への影響 | 地面を掘り返し農作物を荒らす。危険を感じると突進や噛みつき。 |
| 駆除方法、その他注意点 | 遭遇時は目を離さずゆっくり後ずさり。掘り返し跡や「シュー」「カッカッカッ」という威嚇音が兆候。 |
ヒグマ
日本最大の陸上哺乳類であるヒグマ(特にエゾヒグマ)は、北海道を主な生息地とする雑食性の強力な動物です。鋭い嗅覚と高い知能を持ち、時速50kmで走る俊敏さを備えています。
体長は約2m、オスの体重は150~400kgに達します。植物、昆虫、サケなどを主食とし、単独で行動、冬季には冬眠します。
| 項目 | 内容 |
| 身体的特徴 | 体重: オス150~400kg、メス100~200kg。体長約2m。体色: 黒~茶褐色、灰色、金毛。鋭い爪5〜8cm。 |
| 生態 | 雑食性で植物、昆虫、サケなどを食べる。単独行動。冬眠(12~3月)。時速50kmで走り、木登り・泳ぎが得意。優れた嗅覚・聴覚。 |
| 人間社会への影響 | 学習能力が高く、人間の食料やゴミに執着する個体は危険。オスは広範囲(1,000平方km以上)を移動。 |
| 駆除方法、その他注意点 | 痕跡: 爪痕、糞、埋められた残飯。遭遇時はゆっくり後ずさり。ゴミ・食料管理を徹底。 |
ツキノワグマ
本州・四国に生息するツキノワグマは、体長120〜145cm、体重60〜100kg程度の黒い体毛を持ち、胸部の「三日月形の白い斑紋」が特徴的です。嗅覚と聴覚に優れ、木登りが得意で時速50kmで走る能力があります。
雑食性ですが主に植物性の食物を好み、特にドングリや木の実を食べます。通常は臆病でおとなしい性格ですが、子連れの個体や餌不足の年には攻撃的になることがあります。
| 項目 | 内容 |
| 身体的特徴 | 胸に白い三日月型の模様。体長120〜145cm。筋肉質で木登りが得意。聴覚・嗅覚が鋭い。 |
| 生態 | 雑食性でドングリや木の実を好む。昼行性。11月〜3月頃まで冬眠。学習能力が高い。 |
| 人間社会への影響 | 基本的に臆病だが、子連れや餌不足時は攻撃的。時速50kmで走る。餌不足の年に人里へ出没。 |
| 駆除方法、その他注意点 | 山では鈴やラジオで音を鳴らす。遭遇時は走らず後ずさり。残飯を捨てない。 |
「動物」と「害獣」の違い
シンプルにいえば、人間にとってその生命や農作物、家畜、生活環境、健康に対して被害をもたらすのが害獣、そうでないのが動物といったところです。
上記の通り、生物学的に害獣と動物を区分することはできず、あくまで人間の生存や活動を軸として考えたときの区分にすぎません。
また動物も、日本では鳥獣保護管理法で守られており、害獣指定動物であってもその駆除には適切な手続きが必要です。
害獣指定されている鳥獣の種類
冒頭でも取り上げた環境省の「指定管理鳥獣」に指定されている害獣はニホンジカ、イノシシヒグマ・ツキノワグマです。これらの指定管理鳥獣はその被害が大きいため、環境省によって駆除対策が強化されている害獣です。
そのほか、指定されているわけではありませんが、狩猟が許されている動物=「狩猟鳥獣」として、限定的に狩猟が許されている野生動物があります。
狩猟鳥獣「鳥類」
| 分類 | 種名 |
| キジ目キジ科 | エゾライチョウ、ヤマドリ(亜種コシジロヤマドリを除く)、キジ(亜種のコウライキジを含む)、コジュケイ |
| カモ目カモ科 | ヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、オナガガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ |
| ハト目ハト科 | キジバト |
| カツオドリ目ウ科 | カワウ |
| チドリ目シギ科 | ヤマシギ(アマミヤマシギは別種)、タシギ |
| スズメ目カラス科 | ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス |
| スズメ目ヒヨドリ科 | ヒヨドリ |
| スズメ目ムクドリ科 | ムクドリ |
| スズメ目スズメ科 | ニュウナイスズメ、スズメ |
狩猟鳥獣「獣類」
| 分類 | 種名 |
| ネコ目イヌ科 | タヌキ、キツネ、ノイヌ |
| ネコ目ネコ科 | ノネコ |
| ネコ目イタチ科 | テン(亜種ツシマテンを除く)、イタチ(オスに限る)、シベリアイタチ、ミンク、アナグマ |
| ネコ目アライグマ科 | アライグマ |
| ネコ目クマ科 | ヒグマ、ツキノワグマ |
| ネコ目ジャコウネコ科 | ハクビシン |
| ウシ目イノシシ科 | イノシシ(雑種のイノブタを含む) |
| ウシ目シカ科 | ニホンジカ(亜種のエゾシカ等を含む) |
| ネズミ目リス科 | タイワンリス、シマリス(亜種のチョウセンシマリスを含む) |
| ネズミ目ヌートリア科 | ヌートリア |
| ウサギ目ウサギ科 | ユキウサギ、ノウサギ |
特定外来生物は害獣指定されている?
海外から持ち込まれ、日本の環境に適応して住み着いている動物は「特定外来生物」に区分されています。
特定外来生物は、環境省による「指定管理鳥獣」(いわゆる害獣指定)とは異なる制度で管理されています。
特定外来生物は「外来生物法」に基づいて指定され、日本の生態系や人の生命・身体、農林水産業に被害を及ぼすおそれがある外来種として、飼養・保管・運搬・輸入などが原則禁止されています。
代表的な特定外来生物としては、アライグマ、ヌートリア、タイワンリス、ハクビシン(一部地域)などがあり、これらは狩猟鳥獣にも含まれるため、適切な許可や手続きを経て駆除することが可能です。
つまり特定外来生物は「指定害獣」ではありませんが、別の法律によって駆除対策が推進されている動物といえます。
誰でも駆除できる害獣

誰でも駆除できる害獣として、家ネズミ類(クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミ)があります。これらのネズミは鳥獣保護法の対象外とされており、特別な許可なく駆除することができます。
その理由は家ネズミ類が野生動物ではなく、人間の生活圏に依存して生息する「家住性動物」として扱われているためです。
古くから人間の住居や倉庫に住み着き、食料や建材を荒らし、病原菌を媒介するなど、直接的な衛生被害をもたらしてきました。そのため公衆衛生の観点から迅速な駆除が求められ、法的な規制の対象外とされています。
ただし、駆除の際は毒餌や罠などを適切に使用し、他の動物や人への影響を最小限に抑える配慮が必要です。
| 種類 | 体長 | 特徴 | 生息場所 | 駆除方法 |
| クマネズミ | 15〜25cm | 尻尾が体より長い。耳が大きい。警戒心が非常に強く、「スーパーラット」も出現 | 天井裏、壁の中、高い場所 | 毒餌(殺鼠剤)、忌避剤での追い出し |
| ドブネズミ | 20〜28cm | ずんぐりした体型、尻尾が体より短い。耳が小さい。気性は荒いが警戒心は低い | 下水、台所、床下、湿った場所 | 殺鼠剤が効果的 |
| ハツカネズミ | 6〜10cm | 小型。頭でっかちで茶色っぽい。警戒心が薄い | 倉庫、物置、穀物、野外に近い建物 | 粘着シートなどの罠 |
害獣指定されている=駆除できる?
害獣指定されている動物であっても、無資格・無許可の個人が勝手に駆除することはできません。
害獣指定されていても誰でも駆除できないのはなぜ?
害獣指定(指定管理鳥獣)や狩猟鳥獣に指定されている動物でも、以下の理由により、一般の方が無許可で駆除することは法律で禁止されています。
- 鳥獣保護管理法による規制
鳥獣保護管理法では、野生鳥獣の捕獲・殺傷は原則として禁止されています。害獣指定されている動物であっても、この法律の対象であることに変わりはありません。
駆除を行うには、都道府県知事または市町村長からの「有害鳥獣捕獲許可」を取得する必要があります。
- 狩猟免許と狩猟登録が必要
狩猟鳥獣を捕獲する場合は、狩猟免許(わな猟免許、第一種銃猟免許など)を取得し、狩猟を行う都道府県で狩猟者登録を行う必要があります。
また、狩猟が可能な期間(狩猟期間)や場所(狩猟可能区域)も限定されています。
- 安全管理と専門知識の必要性
野生動物の駆除には、適切な道具の使用方法、動物の生態に関する知識、安全対策などの専門的なスキルが求められます。不適切な駆除方法は、人身事故や周辺環境への悪影響を引き起こす可能性があります。
- 違反した場合の罰則
無許可で野生鳥獣を捕獲・殺傷した場合、鳥獣保護管理法違反として、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
このように、害獣指定されている動物であっても、適切な許可や資格なしに駆除することは法律で禁止されており、駆除を行う際は必ず自治体や専門業者に相談することが重要です。
まとめ
害獣指定(指定管理鳥獣)は、ニホンジカ、イノシシ、クマ類など、農林水産業や生活環境に深刻な被害を及ぼす野生動物を国が定めたものです。これらの動物は計画的な管理の対象となっていますが、指定されているからといって誰でも自由に駆除できるわけではありません。
害獣被害にお悩みの場合は、自己判断での対応は避け、自治体や専門の駆除業者に相談することをおすすめします。
害獣駆除でお悩みの方は駆除ザウルスへご相談ください。



